【2024年4月3日】
2024年2月27日に配信されたスマートフォンゲーム『エクスアストリス』をクリアした感想・評価、リョウ戦の攻略情報、ストーリーを振り返っています。項によってはネタバレ注意です。
エクスアストリス とは
最初の人工衛星が大気圏を突破して宇宙へ飛びだしたとき、我々はいつか……宇宙を支配できると思っていた。しかし、気づいたのだ。我々が望んだことなど所詮、地球という領土の境界を延長するだけのことであったと。
――この世界と、向き合おうとせずに。
調査員よ。考えたことがあるだろうか。ここが温かな海ではないということを。微かで虚ろな嘆きに満ちていることを。我々は満ち潮の時を生きるばかりで、潮が引けば取り残される運命なのだということを。星の海を漂う星々には、それぞれの輝きが、そして影があるのだと――
「暴風を突き進み、永遠の先を目指し、良い旅となれ――」
ジャンル:3Dセミリアルタイム・ターン制RPG
プレイ人数:1人
価格:1500円
容量:約5.3GB
クリアした感想・評価
地球人の視点で冒険を楽しめるストーリー
# 未知なる世界を調査する旅
恒星の周りを周回運動する惑星。日没を知らぬ国。環形の暴風帯によって分断された惑星。ヴィークルの横をかすめる不思議な生き物に、人類によく似た知的種族……
初めて見るもの、初めて感じることを記録しながら、謎に包まれた惑星アリンドで、暴風の根源を探る旅に出ましょう。
本作のストーリーは、地球人の主人公:雁(イェン)が、惑星アリンドで出会ったヴィーやその土地の人々と交流しながら旅をする過程が描かれています。
雁(イェン)
手前のネコ耳っぽい女の子がヴィー
ヴィーが銘刻という行動をすると、各地の暴風を抑えることが出来る
ヴィーの目的は、惑星アリンドで起きる暴風を食い止めること。その旅に、イェンは同行するようなイメージですね。この二人がメインです。
地球とは全く異なる惑星アリンドを楽しむ というのが本作の面白さ。ほぼ異文化体験
ダンジョンでは謎解き、街ではオセロのようなミニゲームもあり、RPGっぽさもある。
4章から構成されており、1章ごとに行けるエリア・範囲が異なる。
ストーリーの流れは明瞭なのですが、、、ゲーム内の専門用語が多く、設定も練られているため、全体的に分かり辛いです。
なので、ざっくりと要約すると
惑星アリンドに生きるボスキャラは、この世界に生きる難しさを感じる
→(結果的に暴風を発生させるような)短期的な解決策をする
→それをヴィーが止める
みたいなイメージでOK。
極端なことを言えば、【惑星を救うのか VS 目の前の生活や人を救うのか】みたいな構図があります。
ボスにも背景や設定がしっかりとある
個人的に感じたことは、スマホゲームということで、かなりの制限があったのではないか、ということ。制作の方が止むなく削ったのかな? と感じる部分が、プレイしていると散見されました。その一つがストーリーの演出だったりします。
なので、面白いけど、ストーリーの考察や理解はやや難しい作品に仕上がっている、と思います。
スマホゲームの進化を感じるバトル
# 光影協同
ターン制とリアルタイムアクションを同時に楽しめる独自の戦闘システム「光影協同」。タイミングを見計らって攻撃を防いだり、仲間との強力なコンボを発動したり、スキルをうまく組み合わせて仲間の能力を最大限まで引き出し、敵を撃破しましょう!
バトルは、アクション演出が豪華なターン制バトルです。
『SEKIRO』の体幹、『FF7R』のバースト、『アーマードコア6』スタッガー状態のように、敵の体勢ゲージを削り切った時にチャンスタイムが到来→コンボや必殺技を一気に叩き込んで大ダメージを与えるシステムですね。PS5のゲームからインスピレーションを得ていると思います。
また、敵の攻撃にタイミング良くボタンを押すことで、パリィor回避をすることも重要です(概要の光影協同)。これがこのゲームの難易度を決めると言っていいくらい。
必殺技の種類が各キャラ1つで、ゲージを共有しているので発動するキャラを選ぶ。こちらの演出も豪華。
ものすごく演出が華やかであり、戦略性もあり、、、良い意味でプレーヤーが忙しいバトルシステムでした。
セミリアルタイム・ターン制
コツを掴めないとなかなかダメージを与えられない一方で、コツを掴むとノーダメージで敵を倒すことも可能。なので、序盤は難しく、終盤は易しい難易度と言えるでしょう。
個人的には、ザコ敵戦は同じことの繰り返しで面倒臭い、ボス戦は難しいけど記憶に残る面白さがある、という感想です。
評価としては、最近のゲームのトレンドを踏襲しつつ、スマホ版に落とし込んだ素晴らしいバトルシステムである、と考えています。
惜しむらくは、PS5やNintendo Switchでプレイ出来ないこと。スマホよりも、据え置き機でプレイしてみたかったですね。
このソフト↑↑でミラーリングしましたが、ものすごく良かったです。
育成は面白いが、仲間キャラの性能差が激しい
# 特殊な強化・育成
さまざまな目的を持ち、集った仲間たち。それぞれの個性や特性を見極めて強化・育成を行いましょう。アリンドではさまざまな素材を収集でき、特別な料理や「ライラキー」を作ることなどでもチームを強化できます。拠点を目指し、次々に起こる問題を解決し、目の前に立ちはだかる敵を倒し……アリンドの「秘密」を探っていきましょう。
本作は、キャラクターデザインが魅力的なゲームである、と言えるでしょう。イェン、ヴィー、アステロなど、印象深いキャラも多いですね。プレイアブルキャラも5人います。
ただ、ゲーム的な性能のバランスが不平等に近いレベルでイマイチ。具体的には、後から加入する仲間が非常に使いづらい傾向にあります。
公式サイトのキャラ紹介文を見ていると、その設定をゲームに落とし込めていないと言わざるを得ない。
リョウ戦の直後に仲間になったディタレント。(リョウ戦に神経を使いすぎていたこともあり)「急に仲間になったけど……誰?」というのが第一印象でした。ディタレントを強制的に使うバトルorチュートリアルもなく、、、。
得られる経験値にも限りがあるため、仲間全員を均等に育てることはほぼ出来ないでしょう(超非効率なので、クリアを目的としなければ良いと思うが)。
育成は非常にわかりやすい。
経験値を使ってステータスを上げたり、スキルを覚えたりする「同軌」。キャラ別に異なる模型に形を当てはめるような「ライラキー」などで、強化していきます。単なる装備やスキル習得ではない点に工夫を感じましたし、習得する時の音が特に好きでした。BGMも良いので、こちらの記事でも紹介してます
スマホの性能がショボいと、全く楽しめない
難易度の変更は出来ませんが、設定から質を下げることも出来ます。
スマホで遊べるゲームの中でも、ベスト10に入るほどの高画質・高グラフィックだと思います。
フレームレートも60ありますし、ボタンを押すタイミングも割とシビア。キャラの動きもヌルヌルです。
にも関わらず、バグはなし、アプリ落ちもなし、処理落ちも1回しかしませんでした。
ただ、バッテリーをものすご~く消費します。抽象的な表現ですが、最近のスマホであればあるほど良いと思われます。
光の射し込み具合さえ美しい
地球でのお友達の作り方ってどんな感じなの……????
やり取りにも面白さがある
アリンド人から「地球でのお友達の作り方」について聞かれる一コマ。僕は地球人ですが、、、…………友達の作り方ってわからないです(マジでわからん)。
年齢を重ねるごとに友達は減っていき、連絡も取れなくなり、事務報告さえしなくなる。縁が切れる人、音信不通になる人、30代で激増しました。
10代はあれだけ友達が多く、友達を大切にするような志を持っていたのに、、、30代では、モヤモヤする友達と関わる時間を、時給計算してしまうように。
友達って、そもそも何? というレベルで、わからなくなっています。こんなこと書いてすみません
その他・小ネタ
漢字の使い方に、センスを感じる。
(理解出来るかは別ですが)設定資料集を見る楽しみはありましたね。文字数も多め。
アリンド人は、エネルギーを燃やせるので、、、漏らすことはないんですね。羨ましいです。……でも、エネルギーを燃やす機能が壊れたり劣化したら、どうなるのか気になりますね。
自販機を蹴ってはいけない
お姉ちゃん……?
階段が生成される演出、好きでした。
「深淵をのぞく時 深淵もまたこちらをのぞいているのだ」ですかね?
映画のポスターなんかもこだわりがあって好きでした。
アリンド人によって造られた戦闘用の道具。
エントロピースの製造法は、20世紀初頭の地球で使用されていたマ イクロカプセル化の技術と似ている (ナナイトコアを導入したにも 関わらず)。 アリンド人はいずれ遭遇するであろう災害 (主に獣に よる災害)を対象に、 被害をもたらす原質の運動パターンを見つけ 出しては逆方向構築を行い、 それを導管状のチューブの中に固定し た。
地球人が初めてエントロピースを発見したのが2312年だった。 し かし最初の頃は効率が悪く、 効果時間も短かった。 そして2313年 地球の研究員がEpと接触し、両者の技術を合わせてエントロピ ースの改良を行った。 エントロピースで充填した原質保存用超小型 チューブを宇宙探索補助機に搭載することで、 その補助機をエント ロピースの放出装置として使用することを、 地球の研究員が提案した。
同技術は2315年から正式に風蝕古道で運用が開始され、 地球人が アリンドから全面撤退した2335年を以て廃止された。
原質に対する理解と研究が基になっているアリンドの技術は、アス トラモーフが持つリセットの特性ゆえ、さらなる探索が進められず にいる。アリンドの知的生命体にとって深く探索することは非現実 的で意味がないということは事実であり、 Epの言葉を借りると、 アリンドの知恵は「災害に対応するための知志」なのだ。
設定が細かく、面白い。でも、もうちょっとゲーム内で描いてほしかった。
オセロみたいなミニゲームで、双子の一人がものすごく強かった思い出。他のキャラはサクサク進めたのに、50回くらいは負けた気がします。
声優一覧
ヴィー:鬼頭明里
イェン:諏訪彩花
マンガン:井澤詩織
アステロ:楠木ともり
ディタレント:安元洋貴
レイ:日笠陽子
ライ:増田俊樹
など敬称略
気になる点は多いが、ほぼ許容できる理由
全体的にレベルが高く、面白い作品であることは間違いないでしょう。ただ、細かい点を見ていくと、もっとこうすれば良いのに……みたいな点が噴出してくるのも確かです。
ですが、本作はスマホゲームであり、1500円という価格なんです。
同じ開発元の『アークナイツ』の収益を、ファンの方々に還元するようなコンセプトもあるんじゃないかな、と思えたりしますね。それくらい、利益優先で作られた作品とは到底思えないクオリティです。
特殊アクションも序盤が多く、後半は少ない
また、ストーリーが後半になると駆け足気味になるのも、事情があるのだと思います。
どちらにしても、制作の方の脳内には凄まじいイメージが描かれており、表現したいことがスマホゲームという枠内では表現しきれなかっただけ だと考えたいですね。
つまり、次回作にも期待出来る! ってことだと勝手に解釈しています笑。個人的にも、応援していきたいです。
見えない
その他に気になった点は、パンツを見ようとしても、キャラが透明化する仕様があることですかね……笑
また、取り返しがつかない要素が多め。章を進めると元のエリアには戻れなくなり、サブクエストも期限切れ。リョウ戦は、エントロピース回復がないと詰みます。
商人との買い物では、対象物の所持数が表示されない。
パリィをし続けるゲームなので、UIがやや煩わしいと感じる。
頻繁に落下死→ゲームオーバーになる。また、見えない壁に突っかかる。などなど
クリア時間・クリア後
クリア時間は、20時間ほどでしょうか。ガッツリ遊べたと思います。
クリア後は特になし。
ネタバレ
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エンディングまでを振り返る
同じ電車に乗っていたヴィーとイェンは、暴風によって投げ出される。その後、再会して共に行動することに。
モンスターと化したヒヤシンスというキャラの願いを叶えることが、暴風を発生させる原因に。レイの願いもあり、その元凶のハースをヴィーは食い止める。
ヒヤシンスとハースを倒し、銘刻するヴィー。レイを仲間に加え、次のエリアへ。
リョウに襲撃される負けイベントが発生するも、ライが助けてくれる。貿易地域へ行き、イッシュの依頼をこなす。その後、ライと話すためにリョウを倒す。ディタレントが仲間になる。
19年前、幼いViは日風港に招待され、 初めて 「シャダラのヒメ」であるアステロと出会った。 当時、日風港は地球人とアリンド人が共に暮らす地域であった。
日風港に住む地球人はVi3とアステロ、そして日風港の建設に貢献した重要人物との記念写真を残していた。 そこに写るViとアステロは、それぞれドランとシャダラの象徴となるアリンドのおもちゃ—— 「ドロニウムの玉」を、 Vi は 「下向き」 に、 アステロは「上向き」 に持ち、中央に立っていた。 2人の運命はこのときから決まっているということを・・・・・・ この小さな少女たちは知る由もなかった。
引用:公式サイトより
この説明文の記念写真ですよね。プレイ中はなんとなくスクショしただけですが、記事を執筆する上で公式サイトや設定を読んでいると、なるほどなあ、、、と。この過去のムービーを一つでも描いてくれたら、また異なる評価だったと思いますね。
LINEの通知は無視してください笑
日ノ塔、月ノ塔、星ノ塔の順番で、ライを追う。
惑星を出ようとする目的のために、水平儀を使うことで暴風を発生させていたライ。水平儀を破壊し、ライを阻止して、銘刻をするヴィー。しかし、ライに突き落とされ、シャダラへ。
壁に埋まった少年の案内などで、シャダラの異変の原因がアステロであると知る。
アステロとのバトルに勝利。
最後の銘刻をして、消えるヴィー。暴風が起きる原因は、この星に溜まってしまった『重たいもの』であり、その警告だと言う。しかし、根治は出来ないため、対処療法としての銘刻を通じて、「リセット」を待つとのこと。「リセット」とは生命の源:ライラへと還っていく現象であり、それを拒むことはこの星の者には出来ない、と。
しかし、 「地球の生命体はリセットの影響を受けない」 という事実に気づいていたヴィーは、イェンに旅を記録してほしいと最後に頼む。
イェンは、調査員としての使命を果たし、ライラをサンプリングする。おしまい。
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攻略情報
転送リングのライラキーを探す 転送リングで居住区へ行く のどちらかだったと思うのですが、少し迷ったので言及。レーザーを緑の印の場所に当てればOK。
リョウ戦の攻略
本作で最難関のリョウ戦。大ダメージを与えてくる技を防ぐために、エントロピース守護を、直前に使い続けなければなりません。なので、
エントロピース増倍管が必須になります!! 僕は2個でギリギリ倒せました
→白宝箱から吟味・厳選で入手出来ることがあります。僕が知る限り、貿易地域で買える場所もなかったです。1つもない場合は、ほぼ100%詰みなので、オートセーブを遡ってやり直した方が良いです。最悪、前の章からやり直しになる可能性もあるでしょう。
また、エントロピース守護のレベル2にしておき、使用する度にエネルギー回復が好ましいです(これも材料が必要ですが)
スキルはこんな感じでセット。中央はイェンで、パリィよりも回避重視でした
- 攻撃パターンは完全に覚えた方が良い
- ライラキーや同軌も見直した方が良い
- 料理のバフも必要
- 戦闘開始時に、ロイのバッテリーと必殺技ゲージはMAXにしておく
- レイの清風をかけていても、一撃でやられることがある
リョウに負けるまでは、正直、テキトーにボタン押していました。なので、バトルシステムについて学び直す良い機会だと捉えることにしました。
チャンスタイムの時は連打してもOKですが、そうでない時は、イェンの振り上げ→空中コンボを狙うようなスキル構成がおすすめ。レイの紫電があるとなお◎。1ターンに1000ダメージくらいが目安です。
また、ライラキー:鋭い牙 も要注意です。装備していると経験値を使って攻撃力を上げるので、同軌でスキルの習得が出来ません。ライラキーは、攻撃力に全フリでした。
大技をしてきた後、ガードゲージを減らしてチャンスタイムになったら、攻撃琥珀(攻撃UPアイテム)をイェンに使って必殺技を入れましょう。
エントロピース増倍管が切れても、清風をかけていればギリ生き残れることがあります(攻撃偏重であっても)。リョウ戦より難しいバトルはなかったので、最終決戦のつもりで回復アイテムも多めに持っていきましょう。
アステロの人物ファイル
これだけの設定がありながら、描写が全然ないのは悲しい。
ライラキーのおすすめ・厳選はすべき
ライラキーは、厳選した方が良いと思います(ラスボス戦がラクになるから)。でも、3つ目の効果がなかなかつかない……。
おすすめは、協同(光影協同が成功すると与ダメUP)・遷移(コンボ達成で与ダメUP)、励起(行動すると与ダメUP)など。
PS5やSwitchでプレイ出来ないが、、、
パソコン画面にミラーリング(スマホ画面を映し出す)すると、かなり良かったです。
まとめ
感想としては、面白かったですね。スマホで遊べる作品では神ゲーだと思います。
ただ、評価としては、制作の方のアイデアや設定がスマホゲームという枠内では表現しきれなかった作品、になります。故に、気になる点や描写不足も感じられます。
ただ、1500円という価格は破格です。
また、HYPERGRYPHという企業、「Nous Wave Studio」という制作に、ゲーム会社として大きな可能性を感じたのも確かです(今更かもしれませんが)。アイデアを実現する力があるのは確かですし、本作をリリースしたことに対して感謝を伝えたいです。
今後も応援していきたいと考えております★
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