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【オリエント急行殺人事件(ゲーム)】クリアした感想・評価など(ネタバレ超注意!!)

Nintendo SwitchPS4PS5Steam

【2024年1月25日 パッケージ版が発売! など追記・更新】

2024年1月25日に発売したNintendo Switch / PS5 / PS4ソフト『アガサ・クリスティ オリエント急行殺人事件』のSteam版をクリアした感想・評価・攻略情報などを綴っています。項によってはネタバレ注意です。

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大卒後、就職に失敗→薬学生の彼女のヒモを経てブロガーに(15年の交際を経て結婚!)。エンタメ分野のレビュー、感謝を綴ったエッセイが好評。当時の内容を綴ったノンフィクション小説「薬剤師国家試験に落ちた彼女を、僕は隣で見ていた」が電子書籍化しました!

アガサ・クリスティ オリエント急行殺人事件 とは

名高きオリエント急行に乗車し、真実を暴き出すのだ

アガサ・クリスティ 不朽の名作『オリエント急行殺人事件』が、現代を舞台に蘇る!

現代化されたアガサ・クリスティの傑作を発見する旅へようこそ。

3goo.co.jp

プレイ人数:1人

ジャンル:アドベンチャー

CERO:B

 

クリアした感想・評価

原作を知らなくても楽しめるストーリー+新エピソードも

2023年を舞台にする『オリエント急行殺人事件』。オリジナルエピソードのほか新たな要素が加えられ、作品に馴染みある人もそうでない人も新鮮な気持ちでプレイを楽しめる。第三者視点でかつてないミステリーとサスペンスを体験しつつ、名探偵エルキュール・ポアロの最も有名な事件の一つを再発見しよう。

原作を読んだことはありますが、最終的な結末(犯人など)以外は全く覚えていない状態でプレイしました。結論から言うと、存分に楽しむことが出来ました!

 

■アガサ・クリスティ 不朽の名作を現代版として再構成
1934年に出版され、世界中のミステリーファンに愛されている「オリエント急行殺人事件」の現代版アレンジ。スマホやイヤホンなど現代のアイテムが登場し、新鮮な面白さを味わえる。

舞台は2023年。スマホやパソコンなどの機器が登場しますし、キャラクターも現代人っぽさがあり、世界観も統一されています。個人的に違和感を感じたのは操作性などのプレイ面のみ(後述)。原作に忠実で、制作のアガサクリスティ愛も随所に感じます。

また、本作の大きな特徴として、

  • ロック刑事の捜査パート(後述)
  • 原作にはない13人目の容疑者が登場するオリジナルエピソード

の2つがあります。付け足した感はややあったものの、上手に繋げていると思いましたし、こちらも面白かったですね。

ロック刑事は、オリエント急行殺人事件につながる事件を捜査している

 

「絶対に原作通りじゃないとヤダ」という方や、アガサクリスティ作品に強いこだわりがある方はわかりませんが、、、大半の方は、小説・映画・ドラマとはまた異なる『オリエント急行殺人事件』を楽しむことが出来る作品になっていると思われます。

 

ゲームの流れは単純明快。移動→謎解き→ムービーの繰り返し

■手応えのある謎解きが楽しめるアドベンチャーゲーム
プレイヤーはポアロとなり、美しいグラフィックで描かれる寝台列車に乗車する。ステージの隅々を探り、入手した手掛かりから難問を解くことで衝撃の真実が明らかとなる。

さあ、捜査は時間との勝負だ。謎を解くのは容易ではない。数々の難問や急展開の中で、君は小さな灰色の脳細胞と探偵としての技術を駆使して真実を明らかにできるだろうか…

本作は、ゲーム超初心者にもおすすめ出来ます。移動→キャラと会話→捜査・謎解き→ムービー→移動……という流れで、難しい操作は一切ありません。

△ボタンを押せば、何をすれば良いのかが示されます。マインドマップのように事件・捜査の流れを確認することが出来るので、過去・現在・未来の状況の把握が出来ます。

 

ある程度手がかりを集めると、画像右のが表示されます。謎を解明することが出来ますよ、という合図。だが、表示されると、解明するまで部屋から出られなかったりする

(攻略情報を把握している場合などは)手がかりや謎解きをすっ飛ばして進行させることも出来ますが、基本的にはフラグがガチガチの一本道。未解決の謎をスルーすることはできません。

また、収集要素として、金のヒゲがあり、全部集めるとトロフィーを獲得出来ます。

金のヒゲ

 

謎解きの種類が多種多様なのも本作の特徴でしょう。パズルから金庫開け、爆弾の解除から時系列の整理まで様々。

金庫開けにしても、ファイルなどから番号を導き出すこともあれば、ダイヤルを回す音から開けることもあったり。この記事↓↓で紹介している作品の中でも、トップクラスに謎解きが多いです

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難しめの謎解きばかりですが、ヒントを見れば、大半の答えがわかる親切な仕様も。ヒントを解禁したからと言って、特にデメリットなどもないです(ヒントを見ずにクリアしたというトロフィーはあるかも?)。

 

レシピを聞き出すなど、殺人関連だけではないのが良かったですね。キャラ同士のやり取りの面白さがある作品でもあります。ただ、会話のスキップが出来ないので最後まで話し終えるまで聞かなければいけない点がキツイ。

 

中には、訳のわからない謎解きも。モールス信号やアラビア語などの専門知識が必要な謎解きは、ヒントを見るしかなかったです……。

まとめると、難しい謎解きは多いですが、ヒントがあるのでゲーム進行には何の支障もない ってことになります。

 

ロック刑事の捜査パートが良い味を出している

今回、新キャラクターのジョアンナ・ロックが2人目の探偵として参加する。ポアロの脳内ツール「マインドマップ」を使って推理を進めよう。ステージを隈なく探索し手がかりを手に入れパズルを解き明かし、殺人事件の裏にある衝撃の真実を突き止めるのだ。

アガサクリスティ作品で最も有名な探偵:ポアロが本作も主人公ですが、もう一人の刑事:ロックを操作して事件捜査するパートがあります。

 

具体的には、オリエント急行殺人事件に繋がったアームストロング家の誘拐事件を、ロック刑事が追っていたという内容。これがものすごく良かったですね……! キャラがどのように事件と絡んでいるのかを理解出来ますし、殺人に至る動機なども伝わります。

ゲーム全体としても、没入感が増す素晴らしい演出でした。

アラン・ウェイク2(と比較するとアレですが)を思い出す捜査ボード。

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ロック刑事と因縁の仲になるオッサン。事件に対する執念が伝わるので、常時上から目線のポアロよりも好感を持つ人も多いでしょう。

操作を切り替えながら捜査する場面も

 

日本語の吹き替えはなし

英語音声・日本語字幕でプレイしました。日本語が気になるような訳はなかったです。

 

気になる点も多い。特に、会話と移動がダルい

このレモンを絞る動作。コントローラーをどのように動かせば良いのかが分かり辛い。

前述しましたが、会話をスキップすることが出来ないのが最もキツかったです。極論ですが、会話を聞かなくても推理は出来ますしね。プレイ時間が延びている最大の原因です。

また、移動が多い割に(ポアロだけ)移動速度が遅いのも嫌でしたね。ロック刑事は走ってくれるので問題ありませんでしたが。

 

Chapter13まであるのですが、プレイしているChapterのマインドマップしか見れないのは残念でした。

 

あと、ポアロを含めたオッサンのドアップが何故か多くて、個人的には結構キツかったです……。推理が佳境の段階であれば問題ないと思いますが、不必要で無駄なドアップが多く、カメラワークのセンスは皆無だと思います……。容姿的な意味合いで、オッサンに興味がある人は問題ないんでしょうが……。

ポアロは、『名探偵コナン』のように、全員の前で自信満々にペラペラ推理を語ります。本作をプレイしていると、コナン君って理に適っているな、と感じますね。

本作をプレイした上での個人の主観でしかないですが……。

 

小ネタ・その他

列車の中に置いてあった『グレート・ギャツビー』(The Great Gatsby)。村上春樹訳のを大学時代に読んだな~と。

 

本作もまた睡眠薬を多用している作品になります。古今東西、睡眠薬の登場頻度が凄まじい。

 

バイオハザード好きには垂涎モノのバルブハンドルとクランク。バルブハンドルは錆びており、重量感たっぷり。逆にクランクは、金ピカで上品という対比も◎。

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カイ・ハヴァーツに似てる(と僕はそう感じた)ウェイター。余談ですが、アーセナルは今年も優勝はないでしょうね……。アルテタを応援していますが、采配に色々思うところはあります。とりあえず、サカとライスを酷使しすぎ。あと、ラヤよりもラムズデールの方が僕は好き。

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関連性を感じる作品

『デトロイトビカムヒューマン』。移動して調べるだけ。選択によって展開が変わるわけではないので、ゲームとしての評価は大きく異なります。

 

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『超探偵事件簿 レインコード』。列車の部分もそうですが、アガサクリスティを好きな方には伝わる部分があるでしょう。こちらも面白い作品。

 

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美しい構成、スッキリする謎解きで共通点あり。

 

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こちらも主人公が推理ショーをする作品。でも、キムタクだから許される。

 

クリア後・クリア時間

クリア後は特になし。クリア時間は15時間くらいでしょうか。チャプター別でやり直して金のヒゲを入手することが出来ます。

 

攻略情報

金のヒゲの場所

僕は全然集めることが出来ていませんでした。

 

通し動画

 

その他

ロック刑事が証拠品を出すところ。この球体をドクロにする謎解きですが、真ん中の片方だけどうしても揃わない事態に陥ってしまいました。。。そういった場合は、直前のオートセーブからやり直すことをおすすめします。最初の段階で揃いやすいのに、下手にイジるから難しくなっていると気付きました……

金庫の番号:415368#。個人的に、一番難しかった謎解き。

 

ネタバレ

クリアしたゲームのネタバレを綴っている理由はいくつかありますが、本作はネタバレを知ると面白さが半減するので超注意です。

犯人とエンディング

ゲーム序盤。自分は狙われているから護衛してくれ、とポアロに依頼してきたラチェット↑↑

ラチェットは連続殺人鬼だが、オリエント急行乗車中に何者かに殺されて死体で発見される。

犯人は、同じくオリエント急行に乗り合わせた12人の乗客であり、ラチェットに殺された故人の関係者でもあることがわかる。12の刺し傷は、一人一回ずつラチェットを刺したことが推理からわかる。

ここまではおそらく原作通り。

 

ラチェットはロック刑事が追い求めていた犯人であり、4年前には証拠不十分から眼の前で釈放されている。

ロック刑事は、ポアロに協力する形で過去を明かす。

ラチェットを捕まえるために4年を費やしており、オリエント急行でラチェットが殺される可能性が高いと踏んでチケットを譲ってもらう形で乗り込んでいたが、、、睡眠薬を飲まされてしまい、殺人を阻止出来ず。

アリバイなどの精査で12人の犯行を証明したポアロだったが、ラチェットがあまりにもクズだったので、情状酌量の余地があるとして、12人の中の一人が殺したことにして事件解決とする。ここでエンドロールが入るが…………

 

医者から知らせがあり、ラチェットの遺体から新しく13つ目の刺し傷があることが発覚。再び捜査することになり、ロック刑事と共に捜査する。

 

途中ベネチアに立ち寄って手がかりを得て、二人でラチェットの貸金庫を開けるために手を尽くす。そこで、ラチェットが殺人の際に被害者の記念品を保管していたことを知る。その中のブレスレットから、犯人を特定。モールス信号からフレヤだとわかる。

 

ポアロの推理ショーが始まると的確なツッコミを入れるフレヤ。共感しかない。好き。

フレヤは父を殺されていたことがわかる。

 

フレヤがモリさんの包丁を盗み、ラチェットを一刺しで殺害していた。

 

その後、ラチェット(の死体)に12人が1回ずつ刺したことになる。フレヤのことを知っていれば、計画に誘っていたかもしれない、と。

 

フレヤは犯行を暴かれたため、オリエント急行から飛び降りる。たぶん死んでるだろう、ということで、ラチェット殺害の容疑を一人で背負うことに。残りの12人は無罪という……笑。

挨拶回りをして、オリエント急行が終点に到着。

 

フレヤからの手紙がポアロ宛に届いておしまい。

 

全キャラ・犯人など

ロック刑事。ポアロの協力者で、本作のもう一人の主人公。4年前にアームストロング家のデイジーという娘を死体で発見→アームストロング家のお手伝いさんがラチェットに罪を着せられて逮捕しなければならなくなるが、自殺した姿で発見。犯人だと分かり切っているラチェットを取り調べするも釈放になり、その後も事件を追っていた。

ラチェットを4年越しに逮捕する機会を得るため&ラチェットが殺されそうだと知ってオリエント急行に乗るが、、、睡眠薬で眠らされ、ラチェットも殺されてしまうオチ。ある意味で報われないが、ポアロと協力して真犯人を暴いた。

 

ラチェット。連続殺人犯で、殺した相手の装飾品を集めて金庫に保管している。ここまで殺意を持たれる人も珍しい。こいつを1回刺しても実質無罪。13人に刺された。

 

ヘレナは妊娠中で体調不良なので刺していないが、他の12人は全員が復讐のためにラチェット(の死体)を刺している。ミシェルさんは娘(アームストロング家のお手伝いさん)をラチェットに実質的に殺されているなど動機がわかりやすいが、描写不足も含めて印象に残らないキャラも多い。2周したり、原作を覚えていれば別だと思う。

 

潔白で無実な人々。ブークはポアロの友人。モリさんはフレヤに包丁を盗まれてるし、訳のわからない箱を持ち込んで謎解きさせるし、唯一の日本人で印象に残る。

フレヤ。本作オリジナルエピソードの13人目の容疑者。ラチェットに睡眠薬を仕込み、モリさんの包丁で殺した張本人。他の12人は、ラチェットの死体を刺したことになる。実質的にラチェットに父を殺されたことが動機。

最終的に、ポアロに全て暴かれたが、オリエント急行から飛び降りる。助かってはいないと予測されるが、エンドロール前にポアロに手紙を送っていたことが発覚。ちょっとお金GETしたおかげでパティシエとして細々とやっていけるし、殺したい奴殺せたし、このまま消えますね、みたいな内容。↑

まとめ

会話スキップが出来ず、移動速度が遅い。この2点を除けば、良い謎解きゲームだったと思います。

アガサクリスティ作品ということでストーリー面の面白さは保証されますし、構成も見事としか言えません。今後も後世に語り継がれる作品のゲーム版としては、充分な出来だったと感じています。もうちょっとキャラ個々を掘り下げて欲しかった気もしますが、ロック刑事の出番と役目によって、不満よりも満足度が勝っています。

ゲーム超初心者にもおすすめ出来ますし、謎解きが好きな方にもおすすめです。Nintendo Switchでは体験版も配信しているので、お試しにプレイしてみても良いかもしれません。

(2024年1月25日 追記)

パッケージ版が発売しましたね。パルワールドや龍が如く8など話題作が続きますが、本作も面白い作品ですので、ぜひ★

 

 

日本語のパッケージ版があるのは、PS5版だけっぽい。Switch版はダウンロード版か、どうしてもパッケージ版を希望するならば北米版になるでしょう(日本語実装は未確認)

 

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