【2023年12月18日 追記・更新】
2023年12月14日に発売したPS5、PS4、Xbox Series X|S ONE、PCソフト『Under the Waves (アンダー・ザ・ウェーブス)』をクリアした感想・評価などを綴っています。項によってはネタバレ注意です。
Under the Waves (アンダー・ザ・ウェーブス) とは
『アンダー・ザ・ウェーブス』は、飲み込まれそうになるほどの悲しみの力を描いたストーリー仕立ての冒険譚。レトロフューチャーな1970年代の北海を舞台に、プロのダイバーであるスタンが、人生を変えてしまうほどの喪失感を乗り越え、新しい未来を受け入れようと奮闘する。孤独な世界が広がる深海で、スタンは自ら課した心の殻の中に閉じこもるが、波のはるか下で奇妙な出来事を体験する。やがて彼は難しい選択を迫られることになる… 永遠に深海でさまよい続けるのか、それとも残りの人生に向かって水面を目指すのか。
本作は海へ向けたラブレターであり、映画のような映像と悲痛なストーリーが詩的に融合し、命を吹き込まれた美しい深海の世界へとあなたを誘う。スタンの目を通して心揺さぶられる物語を体験し、予期せぬ出来事を通して自らの心の奥底へと沈んでゆく彼を導こう。
ジャンル:海洋アドベンチャー
プレイ人数:1人
CERO:B
クリアした感想・評価
主人公スタンが、自身の過去と向き合うまでのストーリー
『Under The Waves』は、飲み込まれそうになるほどの悲しみの力を描いたストーリー仕立ての冒険譚。レトロフューチャーな1970年代の北海を舞台に、プロのダイバーであるスタンが、人生を変えてしまうほどの喪失感を乗り越え、新しい未来を受け入れようと奮闘する。孤独な世界が広がる深海で、スタンは自ら課した心の殻の中に閉じこもるが、奇妙な出来事を体験する。
主人公:スタンは冴えないおじさん。世界最大の海洋掘削会社:UniTrench社で働くところからゲームは始まります。具体的なキャラデザインがあるのは、スタンだけです。
深海では関係のない地上の嵐のニュース、、、と思いきや、嵐の影響で深海までコンテナが落ちたり。
仕事の内容は、小型潜水艇でトラブルのある箇所まで行く→メンテナンスをするようなイメージ。ティムという仲間と通信でやり取りはしますが、仕事は全て一人でこなします。海中に一人っきり。
スタンは、三年前に娘:パールの死を経験しています。それをきっかけに、妻のエマとの関係も難しいものに……。現実から逃げるために、この仕事をすることになったことがわかります。
UniTrench社の歴史もわかります
孤独なおじさんには刺さる。
悪夢を見ない日はない……と言えるようなスタン。己と向き合い、娘の幻影と向き合い、最終的にどのような結末を選ぶのか……みたいな感じ。
僕は30代なのですが、スタンの苦しみが全てではないにせよある程度は共感出来たので、結構重かったです。挫折→現実から逃げる→再生までの道を描くプロットとしては、小説『天国はまだ遠く』のようでした。
深海の探索+日常+幻想を描く
潜水艦を操縦して海底を進み、洞窟や難破船、水中施設を探索しながら物語を紐解く鍵、回収可能な廃棄物、コレクションなどを探し求めよう。スタンの探索に役立つアイテムも作成できる。
ムーンという小型潜水艇(サブノーティカで言うところのシーモス)を乗り降りして、石油関連のトラブルに対処するのがメインクエスト。漏れを直せとか、故障を見てくれ、とか。スキャンも出来るので、どこに行って何をすれば良いのかもわかりやすい。
ティムとのやり取りもあるため、深海の怖さはあれど、『サブノーティカ』のような怖さは少なかったかも。
拠点の居住モジュール。コーヒーを飲めたり、酸素や燃料をクラフト出来たり、テレビを見たり、通信をしたり……一通り揃っています。
夢の中や深海の奥底で、幻想を彷徨うことも多め。
一日を終えると、また一日が始まります。ゲームというよりも、小説もしくは人生のよう。
ゲーム性のあるコンテンツが少ない(クエストが少ない)
敵と言っても、スタンの酸素ゲージを一気に減らしてくるくらい。ゲームオーバーになると貰えるトロフィーもありました
本作の好みが分かれる点があるならば、ゲーム性が薄いことに尽きるでしょう。パズルや謎解き要素も多少はありますが、慣れている人ならばノンストップで攻略可能でしょう。
また、深海を題材にした『サブノーティカ』『デイヴザダイバー』などより、明らかに攻撃してくる敵が少ないです。
ムーンのアップグレードは可能ですが、それを活かすような展開は1つだけでした。クラフトや探索がメインとは言えない。メインとは言えないので、楽しさを感じるほどでもない。
ムーンのアップグレードで、レーザーを発射出来るようになります。が、決まったエリアのみ。自由に発射したり、破壊したり、出来ません。
また、海洋生物が、現実と同じでした。シャチ、ジンベエザメ、アナゴなど、ゲームオリジナルの生物はいません。
動物の写真を撮るサブクエストはあるが、撮ったからどうこうなるわけでもない。トロコンする人には必要かも?
プレイ中に関連性を感じた作品
キャラの孤独を描く、という点で
現実から距離を置くために森林監視員になった『Firewatch(ファイアー・ウォッチ)』を思い出しました。
精神世界を描くという点で。こっち↑↑の方が複雑でカタルシスがある
深海モノ。ゲーム性は異なる。
アートブックが良い感じ
パッケージ版の初回特典です。クリア後に見ると、色々と伝わるものがあります。デジタルアートブックではなく、紙のアートブックが好き。
クリア時間・クリア後
15時間ほど。クリア後は、特になし。最終ミッションからやり直して探索が可能になります。
攻略情報
通しプレイの動画
ネタバレ
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エマが会社をクソと言っていたことから、会社関連の事故? でパールを失ったことが予想される。
石油が全てを壊す、地球を破壊している、という結論にスタンもティムも至ったことから、UniTrench社=悪 みたいな感じで終始描かれます。
スタン:深海でパールを見たんだ
エマ:何言ってんのよ、パールは死んだの! すぐに帰ってきて!!
みたいなやり取り。スタンはおかしくなっている自覚があったりなかったり。仕事をこなしつつも、それでも、スタンはパールの元へ行く。
エンディング分岐まで
アザラシのJOは、人懐っこくてプレゼントをくれるそう(僕はもらってない・友と思えるような描写も見ていないので悲しくなかった)。JOが油のせいで死んだとのことで、会社への怒りが募るスタン。
石油は死によって作られる。死を引き起こす。UniTrench社がやっていることは破壊でしかない! という結論に至るスタン
仲間のティムも同様にお怒り。地上でもUniTrench社が事故を起こしており、その隠蔽を暴くためにも、ティムはスタンに事実を知りたいと語る。
この仕事を辞めて戻ることにしたけど、パールを見たから追いたい みたいな話をエマにしていたら、エマは妊娠していることを切り出す。
エマの説得も虚しく、パール(実際はクラゲ)を追ったスタンは、大王イカみたいなもの(具体的に描かれたのはこの一コマだけ)にやられて意識を失う。
幻想の中で、パールに対してどのような対応を取るかでエンディング分岐。
エンディング2つ(どっちも見る方法も)
パールの元から立ち去る。
THE END の画面が出たらゲームを落としましょう。すると、エンディング分岐の直前からやり直せます。トロコンする人にもおすすめ。
内容としては、パールを死を受け入れ、前を向くような流れ。受け入れたつもりでもそうじゃなかった、という点がよく描けていたと思います。パールもスタンを責めなかったのは良かった。こっちがグッドエンドでしょうか。
もう一つは、パールの元にとどまる。
幻想の中でパールと共に過ごすエンディング。人生、立ち止まることも必要だよね、という終わり方で、背景に描かれている砂漠からも、パールと共に死を選んだような印象を受けました。
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まとめ
ゲームというよりは、小説のような印象でした。面白かったとは言いづらいですが、心の琴線に触れるという意味でもプレイして良かった作品ではあります。
人生って長い……と毎日のように思う僕には響いた作品でした。
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