【2024年11月1日 声優一覧など 追記・更新】
2024年10月30日に発売したPS5/Steam®/Xbox Series X|S/Windows/Nintendo Switch™ソフト『Life is Strange: Double Exposure(ライフ イズ ストレンジ ダブルエクスポージャー)』をクリアした感想・評価になります。項によってはネタバレ注意です。
Life is Strange: Double Exposure(ライフ イズ ストレンジ ダブルエクスポージャー) とは
『ライフ イズ ストレンジ ダブルエクスポージャー 』 は超能力で謎を解くアドベンチャーゲームです。
主人公はバーモント州北部にある名門カレドン大学で写真の講師を務めるマックス。親友サフィの死を目撃した彼女は、突然手に入れた平行世界に移動する不思議な力を使って、殺人事件の真相に迫っていきます。マックスが移動できるもう1つの世界では、殺されたはずの親友サフィが生きていました。
2つの世界で起こる事象は異なりますが、マックスの能力を使って世界を繋ぎ合わせることで、それぞれの世界だけではできなかったことが実現し、事件の真相に近づくことができるでしょう。物語を進めていくと、プレイヤーはマックスを通して数多くの選択をすることになります。一度選ぶと、時間を巻き戻して選びなおすことはできないため、慎重に決断する必要があります。ただし、今は良さそうに思える選択が、後々良い結果をもたらすとは限りません…… 。
公式サイト:https://www.jp.square-enix.com/lis/lisde/
プレイ人数:1人
CERO:D
ジャンル:アドベンチャー
マックス・コールフィールド(CV:たなか久美)
28歳。写真家。内向的な性格だが、カレドン大学で講師を務めている。写真は高校時代から学んでおり、小規模ながら賞を獲得して注目を集めた経験もある。ある事件に巻き込まれた過去があり、深いトラウマを抱えているが、新たな環境で友情を築き、少しずつ前を向こうとしている。
主人公は、『Life Is Strange』のマックスが再登場。シリーズは全てクリア済みです。
クリアした感想・評価
ストーリーの解明までは面白いが……
バーモント州北部で、大学の講師を務めるマックス・コールフィールド。
写真家としても活動しながら静かな日々を送っていたが、ある夜、親友サフィの死を目撃してしまう。しかし、彼女の死がきっかけとなり、マックスはサフィが生きている”別の世界”に移動する力に目覚める。
もう1人のサフィを救うため、彼女は事件解明に乗り出す…。
写真家として活動しながら、大学の講師を務めるマックス。『Life Is Strange』(シリーズ初作なので1と呼びます)の時は高校生だったので、嬉しくなるプレーヤーも多いでしょう! また、プレーヤー各々の選択によって、展開が異なるのも本シリーズの特徴です。
ただ、マックスが可哀想なのも同じ。親友サフィの死をきっかけに、別の世界線へ移動する能力に目覚めます。1の時もそうでしたが、受け入れられない現実を目の当たりにすることがきっかけなのは同じですね。サフィが殺害された事件を追うことになります。
サフィは理事長の娘ということもあり、過去に大学で何があったのかを丸ごと解き明かすことに。マヤ・オカダという故人がストーリーの鍵を握ります。
ストーリーは概ね面白かったです。続きのチャプターが気になりましたし、全部で5つあるチャプターの中で3くらいまでは本当に面白かった。パズル的な意味の謎解きはないですが、事件の謎を解くという意味で推理モノっぽくもありました。急展開の連続で没入感もありましたね。
ただ、終わり方が問題でした……。終わり良ければ全て良しという言葉があるじゃないですか。その真逆が本作だと思います。
これはSteam版のスクショ。受賞歴とか大手メディアのレビューが、(あくまで僕にとって)いかに参考にならないか……を痛感します。逆説的ですが、最後までプレイしていないからゲーム部分は高評価なのかな、と。評価基準が各々に異なるのは当然ではありますが……。
過程は面白いのに、結果がなあ……。そういった意味で、僕のようにストーリー重視の方・ストーリーを気にする方は、ややおすすめしづらいかもしれません。そう思った根拠+ネタバレは後述しています。
並行世界を行き来する面白さはあるが、状況が分かりづらい
2つの世界、1つの真実。
マックスは並行世界の存在を感知する能力を持ち、別の世界の様子を覗き見ることができます。
さらに、2つの世界──親友のサフィが”死んでいる世界”と”生きている世界”を移動することも可能です。怪しい人物の動向を別の世界から気付かれずに探る、物体を別の世界で手に入れてもう一方の世界に移動させる等、能力を使い2つの世界を繋げることで、事件の真相に迫っていきます。
本作のマックスは、別の世界線を行き来する能力に目覚めます。言葉にすると難しそうなイメージですが、プレイする上での難易度はかなり低いです。
例えば、サフィが死んでいる世界で、脚立がないと取れないモノがあるとします。
→サフィが生きている世界に行って脚立を持って、サフィが死んでいる世界へ
→サフィが死んでいる世界で脚立を使って取れないモノをゲット!
こんな感じで、互いの世界を行き来しまくるだけ。脚立の置いてある場所も近場なので、攻略に迷った時も遠くを探す必要などはありません。
画像のマックス↑↑は、アマンダ(女性)に惹かれています。2つの世界でのアマンダの対応に難儀している場面
サフィの死んだ世界:デートの約束をした→アマンダはマックスに振り回されており、少し人間関係の拗れを感じる
サフィの生きている世界:デートの約束をしてない→いつも通り
ただ、このシステムが混乱を生みます。例えば、、、サフィが死んだ世界と、生きている世界。この2つで、マックスの人間関係が微妙に異なってくるんです。画像のマックスも混乱してますし、それはプレーヤーも同じ。
さらに、攻略に行き詰まったらもう一つの世界に行くわけなので。何度も何度も行き来していると、どっちがどっちかわからなくなりがち。
キャラはクセが強い人ばかり(褒め言葉)
なので、2つの世界の各々で、現在何が起こっているのか……、どういった人間関係を築いているのか。それぞれにまとめた表などがゲーム内にあれば良かったと思います。リアリティがある、という点では素晴らしいと思いますが、それ故分かりづらい。
マックスも「頭がおかしくなりそう」と発言するくらいなので、プレーヤーも頭がおかしくなりそうになる
1を先にプレイすべき。でも、当時を振り返るための配慮は0
結構出てくる1のクロエ。
主人公マックスは、1で起こったクロエとの出来事をめちゃくちゃ気にしています。トラウマと言い換えても良いでしょう。本作でもそれが演出の上で大切になっており、事あるごとにクロエの存在を感じさせます。
なので、1でマックスに何が起こったのか。どういう結末を、どういった感情で迎えたのか……。1の内容を覚えてないと、本作を最大限楽しむことは出来ないでしょう。
そして残念だったのは、1を振り返ってもらいたい、という制作の配慮は皆無だったこと。2015年に発売したゲームを、そこまで鮮明に覚えている人の方が珍しいと思います。
1もプレイ済み(2017年にプレイしてますね↑↑)。でも、ストーリーの内容はほぼ覚えてませんでした。画像のジェファソン先生は、そんなに悪いことをやったんですかね……。←やってた笑
クロエのこと、町のこと、ジェファソン先生のこと。回想のように振り返ることもなければ、あらすじをまとめた動画なんかもありません。まさかここまで1の内容が出てくるとは……と驚いたくらいです。
よって、理想としては、1(と ビフォア ザ ストーム)をプレイ後に本作を始めることでしょう。
能力が暴走すると嵐が発生する という設定も、1をプレイしていないとわからない。会話の中からなんとなく推察することは出来ますが、説明はナシ。
会話のスキップができない
会話がスキップ出来ないので、こんな感じで表示が重なるのも珍しくない。声も重なる(オプションから話者や字幕を消せば見やすくなりますが)。
本作は、会話のスキップ・早送りなどが出来ません。全ての会話を最後まで聞く必要があります。これが本当に僕は嫌い。
RPGなんかによくある、スキップ出来ない=重要なシーン ならば何も問題はないんですよ。でも、村人のようなモブキャラとの会話までスキップ出来ないんで、ただただダルいんですよね……。
前作:トゥルーカラーズも同じでした。ゲームボリュームは数時間で終わる程度なのに、移動がだらだら遅く、いちいち会話を聞かなくてはいけないので、クリア時間だけが無駄に長引く作品でした。
なので、ムービーの一つひとつも長いです。時間がもったいなく感じて仕方なかったので、本作は合間に運動しながらプレイしてました……笑
SNSや倫理観が新しい
マックスのスマホのメニュー画面は、SNSで溢れている
本作のメニュー画面は、SNSのそれに近いです。LINE、Twitter、Instagramなどを似せたようなSNSを見ることになります。
未読がある状態と印が消えないですし、ゲームの進行に影響する可能性があることを考えると全て閲覧するしかなかったですね。関心がない人物の情報を入れるという行為が、個人的にはかなりキツかったです。メルカリのいいねを見るが如き無駄行動……という感じ。見慣れている人は問題ないと思われます。
サフィが死んでいる世界⇔サフィが生きている世界 行き来すると、一斉に通知が来る。勘弁してくれ
僕はSNSがあまり好きではありません。現実でも、「ブロガーです」と言って名刺を渡すと、SNSや最近の流行にも強いと勘違いされがちなのも悩みの一つだったりします。
マックスの日記もSNSみたいでした。感情面を振り返っていて出来事を振り返っていないんですよね……。なので、ストーリーの把握にはあまり役に立ちません。
また、ブラックな仕事 フリーランス地獄 トランスジェンダーなど、ゲーム内の倫理観が、比較的最近の時勢を考慮しているという点でも新しさを感じました。ちょうどこの記事をアップした翌日に、フリーランス新法が施行されますしね。
トランスジェンダーのグウェン先生
そういった意味では、良い意味で勉強になりますし、最近のゲームと言えるかもしれません。
小ネタ・気になる点・その他
家の外に見える夕陽が最も美しい……と僕は感じました。
マンチェスター・シティのギュンドアンにしか見えないルーカス先生は、自分の本を教材にする教授です。どこの大学かは忘れましたが、現実でも同じことをやってる教授がいましたよね。でもですよ、本を出すって自分の(それまでの)人生のほぼ全てを費やしていることが大半なんで、それを教材にせざるを得ないって側面もあると思います。
国際写真賞を受賞して科学雑誌の見開きにも載った写真↑↑とのこと。しかし、何が評価ポイントなのか、素人の僕にはマジでわかりませんでした。写真に詳しい方がいれば、解説をお願いしたいです。
こんなんの方がわかりやすい
追加DLCの衣装には、ファイナルファンタジーVIIのモーグリの着せ替えもあります。かわいい。
サフィの面倒を見ていたグウェン先生は、本当に素晴らしい教授だと思いますね。僕も大学生の時、出版社に持ち込んだり編集者の面倒を見てもらっていた時期がありました……が、全部一人でツテを作りました。出版するためにここまで強力してくれる教授が側にいるなんて羨ましいですよ。
モーゼスのヒゲと眉毛が油性ペンみたい
高級車のディーラーってこんな感じだよね とのことですが、福岡県にあるディーラーは、こんな感じじゃないです。どこのディーラーなのか気になる。
Nintendo Switch版はどこ……??
引用:公式サイトより
表記はあるものの、Switch版はパッケージ版もダウンロード版も見当たりませんでした。そのうち発売する予定がある という解釈で良いのでしょうか……。ただ、ロード時間がものすごく長くなることは間違いないので(断言)、おすすめはしません。
声優一覧
マックス:たなか久美
サフィ:行成とあ
アマンダ:ニケライ・ファラナーゼ
ダイヤモンド:小若和郁那
アルダーマン:藤井啓輔
グウェン:相良信頼
ロレッタ:田中那実
ルーカス:浜田賢二
モーゼス:佐久間元輝
ヴィン:前田雄
レジー:堀金 蒼平
ヤスミン:野首南帆子
クロエ:Lynn
など。敬称略
おまけ:シリーズ全作品の評価
1:一番面白い。時間を巻き戻せる→人生をやり直せる! と思いきや、そうでもないところが好きでした。代償を考えさせられます。
ビフォアザストーム:1の前日譚。1のクロエが好きならばおすすめ。
2:個人的に合わなかった。弟にイライラしてた記憶あり:【ライフイズストレンジ2】評価&クリアした感想(ネタバレ注意)
トゥルーカラーズ:終始だるい。個人的にはクソゲーに近い
クリア時間・クリア後
クリア時間は10時間ほど。クリア後は、チャプターから記念品(収集要素)を探すなど、やり直せます。トロコンを目指す方には素晴らしい機能かも。
攻略情報
星座の形
クリアまでの通し動画
ルーカス先生のパネル写真に落書きするためのペンの場所だけ少し迷いました。難易度はかなり低め。
ネタバレ(選択肢からストーリーを振り返る)
↓
↓
↓
チャプター1
ここまでがチャプター1。サフィと廃墟を探索して、アマンダとデートの約束をして、モーゼスとサフィと三人で天体観測する。マックスの充実した生活が、サフィの死で一転する。
チャプター2
チャプター2。サフィの生きている世界へ行ける能力に目覚めたマックス。その世界でもサフィは狙われているので、サフィを守るために行動する。
サフィの生きている世界では、サフィの車のフロントガラスを割った牛の頭蓋骨の犯人探しをする(犯人はヴィンだとわかる・出版停止になったサフィの怒りの矛先を変えるためとのこと)。大学の理事長ヤスミンの部下ヴィンとの絡みも多め。
SEXした後に写真撮ったらダメですよ。流出しかしないんだから
ヴィンとサフィがヤッてるのをマックスは知らなかったわけですが、恋愛関係も明かしてないのに親友と呼べるのかが、僕には最後までわかりませんでした。サフィを知れば知るほど嫌いになっていく人も多そう。
サフィの死んでいる世界では、殺害現場からカメラを持ち出していたモーゼスが刑事のアルダーマンに狙われるが、カメラを回収してマックスがモーゼスを助ける。しかし、カメラの写真を現像すると、サフィにハンドガンを向けたのはマックスだった。それを見たモーゼスは「近寄るな!」 と言って、マックスは一人ぼっちに。
チャプター3
ヴィンがどうしても生理的に受け付けず……。キスしている動画を下の方に貼っておきます。
チャプター3。マックスはモーゼスに秘密を打ち明けて理解してもらうことに成功。また、グウェンに真実を問い詰めて、サフィの出版が流れた理由が判明。サフィの親友だったマヤ・オカダが自殺した時の様子をそのまんま書いているため、炎上するからサフィを守れない、という理由だった。
酒場のスナッピング・タートルで、キスする相手を見繕う(アマンダとキスしました)。マックスが帰宅すると侵入者がいて、なんともう一人のマックスだった。
チャプター4
チャプター4。もう一人のマックスの正体は、なんとサフィ。サフィには変身能力があって、いろいろな人に変身して出版の話が流れた原因を生んだ人への復讐をしていた。ルーカスには息子を利用して、グウェンには薬物を流した動画を撮らせて、、、など。互いに能力者だとわかった二人は秘密を打ち明ける。
また、マヤ・オカダが、ルーカスに小説を盗作されたことで自殺したとのことで、その復讐をする流れに。ルーカスが小説の映画化するための発表の場で、マックスとサフィはマヤ・オカダを自殺に追い込んだルーカスを追求する。
吊し上げられたもののなんとかその場を凌いだルーカスは、全てをサフィに打ち明ける。全容としては、出版停止やルーカスの盗作をもみ消したのが、サフィのママ:ヤスミンだったことが発覚。外に出て戻ってこないサフィを追うと、ヤスミンに銃口を向けるサフィが。昔から毒親だったと罵声を浴びせる。
持っていた銃をヤスミンに向けて発泡するサフィ→ママの肩を撃ち抜く。能力が暴走して嵐が発生→マックスに拳銃を託し、クロエと同じようにしてくれ、と伝える。その場面をシャッターに収めたのが、チャプター2の最後で見た写真(マックスが銃口を向けているやつ)だった。
チャプター5
チャプター5。マックスはサフィ殺害の夜に戻り、自身の過去とサフィの痛みが再現された世界を彷徨うことに。
最終的には、サフィが町を出る決断をする→サフィの死んだ世界とサフィの生きている世界が合体! マックスたちにも何が起きたのかわからないとのこと。大学のみんなも記憶が2つ生まれて混乱するも、でも私達なら大丈夫! みたいな感じでおしまい。←プレーヤーを完全に置いてけぼりするため、この終わり方はどうなの?? と感じました。
エンディング
マックスの旅路は続く
生徒の一人:ダイヤモンドに鼻血が出た(能力が開花する)ところに、サフィが駆け付ける最後の描写。続編の示唆もありました。
アマンダとのロマンス
ヴィンとのロマンス
謎が解決しないままのところも
チャプター3で、刑事のアルダーマンが消滅した理由は謎のままですね。
ドッペルゲンガーとくっつくと消滅する、とメモに書いてましたが……。これに関しては、マジでロクな説明もなく、意味もわかりませんでした。別次元のもう一人の自分に触れると消滅するという設定ならば、マックスやサフィなどにも同じように危険に遭わせないとこの演出の意味は希薄でしょう。
ストーリーの邪魔だったからアルダーマンを消した、という制作の都合でしかない消え方だったと考えています。
何より、2つの世界が合体したことに関する説明がないことですね。ゲーム内のキャラも何が起こったのかわからないと断言しているので、プレーヤーが分かる訳もなく……。終わり良ければ全て良しの真逆と書いたのは、この件です。
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まとめ
仮に時間を巻き戻せても、上手くはいくとは限らない。だからこそ、今を大切に生きよう。本シリーズが伝えたいことはこんな感じでしょう。それは十分に伝わります。
しかし、ゲームとしてはプレーヤーへの配慮に欠ける部分が目立った印象です。特に、会話のスキップが出来ないこと、1の復習が全くないことと、ストーリーの結末ですね。良く言えば斬新、悪く言えば意味不明でモヤモヤしか残らない終わり方でした。考察や解釈を丸投げするのはいかがなものかと。
序盤の面白さ、続きが気になる展開、1の主人公マックスへの愛着など……人によって大きく評価が分かれそうです。個人的には、本作は失敗だと考えています。不快な要素も多かった。シリーズ化は難しいなあ……と感じております。
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