【2024年5月7日 追記・更新】
2018年11月22日に発売したPS4版「シェンムーI&II」をクリアした感想と評価です。最近のゲームばかりしている人間が、当時のシェンムーの面白さを評してみました。また、ヒロイン候補やおすすめの攻略サイトなども載せています。
シェンムーとは
主人公の「芭月 涼(はづき りょう)」は突然の父の死をきっかけに、計り知れない大きな謎に包まれていく。大きな陰謀に立ち向かうため、旅する青年の物語。
1999年に、セガがドリームキャストで発売したゲームです。制作費は70億円にも及び、当時はギネスブックに「世界一制作費のかかったビデオゲーム」として記録されました。
今作はそのリマスター版です(ちなみに、ドリキャス版は未プレイ)。
なんと言っても、数多くのゲームに影響を与えた作品として有名です!
現在では珍しくないですが、オープンワールドゲームの原点と言われています。例えば、GTAやスパイダーマンなんかは影響を受けたと制作が公言していたり。その他にも、同じセガのゲーム……例えば「龍が如く」なども、バトルやQTEなどの面で影響を受けていると思います。
このシーンなんかは、FF10っぽい?
ストーリー:「シェンムー 一章 横須賀」
主人公は横須賀で生まれ育った青年、芭月涼。幼い頃から芭月流柔術の達人である父・巌に武術を習い、ややぶっきらぼうながら正義感あふれる青年に育てられた。
ある日、涼が家に帰ると、見知らぬ男が父に“鏡”の在処を聞きだそうとしている場面に遭遇する。男の要求を拒んだ巌は、相当な武術の達人にもかかわらず殺されてしまう。突然の父の死、鏡の謎、男は一体誰だったのか。すべての謎を解き明かすため、涼は旅立つ。
藍帝と呼ばれる中国人に父親を眼の前で殺され、その手掛かりを横須賀で探す主人公の涼。最終的に、藍帝を追うため香港へ向かう……というのが大まかな流れです。
ストーリー:「シェンムーII」
芭月涼は、父を殺害した謎の男が香港に渡ったとの情報を入手する。亡き父が隠し持っていたもう一つの鏡を手に、異国の地へと降り立つ涼。謎の男の手掛かりをつきとめるべく、海辺の街アバディーンをさまよい始める。
そんな彼だが、旅の前途も危うくなるような強烈な洗礼を浴びせられる。謎を解くカギとなる“鏡”を奪われてしまうのだ。涼は“鏡”を取り戻すことができるのか?そして、謎の男は一体どこに?
香港の武術家や人々と触れ合いながら、藍帝の手掛かりを探します。藍帝の部下を倒し、桂林という土地へ向かうことに。そこでシリーズのヒロインである莎花(シェンファ)と出会います。
感想・評価など
作り込みは凄まじいですが……
街が細部まで表現されており、戸棚や書物、壺などを調べることが出来ます。画像はコンビニの中です↓↓
この色の公衆電話もあまり見なくなりましたね
住民すべてに名前があり、なんとフルボイス仕様。バトルに関しても、武術書で覚えられる技も豊富にあります。また、ゲームの中で、セガの昔のゲームが出来ます。
僕はスーファミ、プレステ、プレステ2→10年ゲームしない→プレステ4版のドラクエでゲームに復帰した人間です。あとは基本的に短気で、物事に効率を求める傾向にあります。それを踏まえた上で記しますが、
1は面白くありませんでした。正確には、ストレスがものすごく溜まる作業ばかり。
長編の中の一章という位置づけである影響か、ストーリーに起伏が少なく、散策エリアも、自宅⇆横須賀の街⇆工場エリアのみ。
朝の8時頃に起床して、20時にならないと寝ることが出来ない点も辛かったです。特定の時間にならないとストーリーが進まないので、それまで何もすることがなく……かと言って、意図的に時間を進めることが出来ないので、コントローラーを放置してひたすら待つことになります。
また、工場エリアで行うフォークリフトなんかは、本当にただの作業です。
毎日レースを強制されるので、さすがに1位を取りましたが……
武術書で技を覚えても、そもそもバトルが少ない上に、敵が弱いので楽しくありません。
しかも、ヒロインが全く登場せず、ストーリー後半になると睡眠中の夢に出てくるだけ……それでパッケージの表紙を飾るとは驚きでした。
登場するのは、なんとIIのラスボスを倒した後!!
当時賞賛された内容を楽しむつもりが、色々な点でそれどころではなく……。ストーリーの入りは良かったのにテンポが悪く、何が楽しいのかを理解できなくなっていました。
ですが……
IIが面白い!!
Iをクリアした後は、なんでこんなに評価されとんやろ? というのが正直な感想でしたが、IIをプレイしていくうちにハマってしまいました。
オープンワールドの良さは、散策だけで楽しい。この要素がIIにはあります。
IIの舞台は香港です。紅南街、福仙街、詠黄街、菜珍街、太老街、白秦街など街各々に特徴があり、住む人々も微妙に異なります。
個人的に好きやな〜と思ったのが、ゲームをしながら学ぶ感覚があることです。
武道の良いところ(特に精神性や心の保ち方)をゲームに落とし込んでいるんです。Iはそれがやや分かりづらかったのですが、IIは達人とのコミュニケーションを通して、その描写が豊富に描かれています。
たとえば、4つの武徳。これら一つ一つを学ぶことで、主人公は成長します。
「戒」おごり高ぶることなく己を律し、むやみに拳法を使わず、みだりに技を見せず。
「胆」常にあわてず、肝をすえて冷静に正しく判断すること。
「功」常におこたることなく日々、修練を積み重ねていく。
「義」正しいことのために、ためらうことなく行動すること。
その他にも、明鏡止水の境地を学ぶ描写なども。ラスボスの斗牛戦で想起されるので、師匠の教えが活きていることを確認できる点も良かったです。
また、ストーリー後半では香港を離れる際に、お世話になった人々に挨拶をする場面があります。
「お世話になりました」という主人公に対し、「湿っぽいのは苦手じゃ」と言う達人もいれば、「お前ならどこへ行っても大丈夫だ」と言う達人もいます。
顔を出すとか挨拶をするとか、人の縁の中に生きる人間にとっての基本的な部分がしっかりしているので、主人公の涼には好感が持てます。出会いの数だけ別れがあり、そのたびに人間的な成長を見ることが出来るので、実生活でも共感できるポイントが多いです。
そして、IIの面白さは、Iをやったからこそ。これは間違いなく言えると思います。
Iの作業感も解消されており、特定の時間まで「待つ」ことで意図的に時間を進めることが可能に。前作の不満点を解消している点も素晴らしいと思いました。
ただ、QTE(クイック・タイマー・イベント)は辛い
短時間でコマンド入力を求められるシステムです(バイオ6で有名ですね)。これがとにかく苦痛でした。
ラスボスの斗牛戦なんか5回くらいやり直しました。桂林の岩場の道も6回くらい……スキップさせてくれよ……と何度思ったことか。
クリア時間は?
Iは10時間で終わる方もいるでしょう。ただ、フィギュア集めに熱を出したり、攻略の糸口が見出だせない場合は+10時間程度でしょうか。
IIは20時間~30時間。Iのセーブデータを引き継ぐことが出来ますが、別にしなくてもアイテムや技はそれなりに揃っているので、クリアに支障はなさそうです。
キャラが濃い
横須賀のゲーセンのおっちゃん
藍帝の手下っぽい人
陳貴章と陳耀文
舎弟のゴロー
片目がない黒服
徳林さん
大道芸人
白虎
レン:主人公の涼と共に行動をするギャングのリーダー。正義感が強く勇敢な性格の涼とは正反対の性格ですが、そのやり取りはまさに凸凹コンビ。相性抜群です。
個人的に良いな~と思ったのが、孤児院で子どもを接する場面。
レンが「貸しだぞ!」と言いつつ、涼の手からおもちゃを子どもに渡させます。おもちゃを手に入れた子どもが喜ぶ姿を見て、少しニヤっとするレン。おそらく、レンは孤児院育ちなんだな、と伝わる描写です。口は悪いですが、仲間思いな点も◎。
ダイゴローのモデル?(銀魂のマダオ観察日記)
ヒロイン候補一覧
ヒロインはシェンファ↑↑ですが、IIのラスボスを倒した後に登場するんです。あまりに遅い上、長々と会話を聞く羽目に。
声や容姿も個人的な好みからは程遠く、全く思い入れがない人は僕だけではないでしょう。そこで、ヒロイン候補を一覧にしました。
Iのヒロインの原崎さん。主人公の涼が香港へ行くタイミングで、カナダへ。
薫芳梅(ファンメイ)。主人公に対する好感度が設定されており、それによって展開が変化します。僕はいわゆる妹系(?)に全く興味がなく、師匠一筋だったので目もくれませんでした。
占い師のお姉さん
街の人
街の人
ジョイ:さっそうとバイクで登場し、主人公に絡んでくる地元住民。IIで最も主人公に絡んできます。ジョイと朝食くらい食べに行きたかったですね……。
ストリートファイターの女性
主人公の師匠の秀瑛(シュウエイ)さん。チャイナドレスもエロいですし、精神も成熟した美しい人です。師匠の元で延々と修行できたら神ゲーでした。
徳林さん(一部ファンの間で大人気)
おすすめの攻略サイトとコツ
ストーリーのネタバレはなく、QTEの入力コマンドの記載がありがたいサイトです。
基本的な攻略のコツは、人に聞き込むこと。バトルの基本は◻◻◻か☓☓☓。これに△や◯を加えればほとんど負けません。基本的な難易度は低めです。
お金稼ぎについて
Iはお金に困らなかったのですが、IIは話を進める上でお金が必要になります。
おすすめは、開運碼頭10番倉庫の賭博。大・小の2倍で1000$ほど稼ぎましょう。もちろん、勝負前にはセーブして負けたらリセット。
その後、開運碼頭12番倉庫の賭博へ。サイコロ3つ振って全てゾロ目「刻子」(30倍)で一気に6000$稼げます。15分ほど粘れば一回は出るでしょう。
まとめ
最近のゲームばかりやっている人には、Iは辛いかもしれません。ですが、IIは充分遊べます。
また、伝説のゲームと呼ばれる理由であったり、続編を待ち望んでいるファンの心境を少しは理解できる点でも、一度はプレイしておきたい作品と言えるでしょう。
Ⅲが楽しみです……!!
莫大な制作費を回収できず、ストーリーも未完のままと商業的には完全な失敗に終わった本作であるが、前述のような緻密に表現された街で繰り広げられる冒険の世界観は評価が高く、根強いファンも多い。文化庁メディア芸術祭デジタルアート部門優秀賞などを受賞した。海外でもその世界観の評価は高く、スティーブン・スピルバーグが本作を評価したことでも知られる。
長らく続編が待ち望まれ、クラウドファンディングという手段の確立も相まって、『Ⅲ』の製作資金は募集期間の初日で目標額(200万ドル)をクリア……
Ⅲは2019年8月27日発売予定です!!
ゲームの歴史にその名を刻む偉大なる伝説『シェンムー』が、ふたたび登場!
1986年。日本の若き武術家、芭月涼は父の死をめぐる謎を追って、残された唯一の手がかりである鳳凰鏡を手に中国大陸へと渡る。香港・九龍城での激闘を経て、さらに奥地へと向かった涼は、その途中で不思議な少女、玲莎花との運命出会いを果たす。やがて二人は桂林・白鹿村で鏡と同じ巨大な龍と鳳凰のレリーフを発見し「シェンムーIII」への新たな物語の扉が開かれた。
もちろん、購入後にレビュー予定です! 書きました!!
シェンムーのアニメが放送開始!!
2022年4月7日から『Shenmue the Animation』が放送開始!! U-NEXTで配信中の全話を見ることが出来ます↓↓
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