(HPより引用)
【2018年1月9日追記】
ジブリ美術館の短編映画を全て見ているので、その感想を紹介します。ネタバレも少しあります。
はじめに~僕とジブリ~
ジブリ美術館は、土星座は、僕の青春です。僕が東京の大学に進学したのは、三鷹市民になって真のジブラーになるためです。
三鷹市民になればチケットの事前予約は不要、空きがあれば当日に観光協会でチケットを購入出来ます。(→最後に情報を記載してます)
平日の16時頃から入場し、土星座の映写機の前の階段にいつも座って見ていました。それがこの記事を書くことになったキッカケです。
土星座と、短編映画紹介
地下1階にある映像展示室「土星座」は、80人ほどが入れる小さな映画館です。
ここでしか見ることのできないジブリのオリジナル短編アニメーションやおすすめする良質なアニメーション作品が公開されます。
天井には青空が、壁には色とりどりの草花が描かれ、映画が終わると窓が開いて日の光が射し込みます。
ちょっと小さめの赤いベンチは、もしも、前に座った人が大きかったら、背もたれに座って映画を見られるように作ってあります。(約80席)※上映作品・鑑賞方法は、都合により予告なく変更される場合があります。あらかじめご了承ください。※「やどさがし」「水グモもんもん」以外の作品は、聴覚に障害をお持ちの方向けに1日に数回日本語字幕付きでの上映を行います。※音声補助イヤホンの貸出しを行なっております。詳細は、美術館スタッフにお問い合わせください。HPより
短編映画ゆえに、紹介文には軽いネタバレを含みます。
周囲の反応(主に子ども)と、僕自身の感想を語っていきます。すべて2回以上は見ています。
『たからさがし』
© 2011 中川李枝子・大村百合子・Studio Ghibli
小さな男の子ゆうじと、うさぎのギック。
ふたりは同時に見つけた棒の持ち主を決めようと、競いあいをはじめます。かけっこをしたり、幅跳びをしたり、お相撲をしたり。でも結果はいつもおんなじ。
そこで、ギックのおばあちゃんに知恵を借りることにします。おばあちゃんの決めた勝負は、「たからさがし」。さて、ふたりの勝負はどうなるのでしょうか。
時間: 約9分
原作: 「たからさがし」(福音館書店 刊)、中川李枝子 さく、大村百合子 え
企画・構成: 宮崎 駿
ゆうじとギックが競いあいが微笑ましく、ライバル同士がどのように決着をつけるのかが見ものです。
ただ、本当の“たから”は何なのか。勝負の行方よりも、能力の優劣よりも、杖の持ち主になるよりも、大切なこと。それを子どもたちに教えてくれるような内容の映画になります。
『たからさがし』は中川李枝子さん原作の第ニ作です。次に紹介する『くじらとり』が第一作です。
『くじらとり』
© 2001 中川李枝子・大村百合子・Studio Ghibli
ちゅーりっぷ保育園にかようしげるくん。
年上のほしぐみの男の子たちが積み木で船を作っているのをみて、仲間に入れてもらいたいしげるですがなかなか入れてもらえません。
とうとう完成した船は「ぞうとライオン丸」と名付けられ、くじらとりに出かけていきました。時間: 約16分
原作: 「いやいやえん」(福音館書店 刊)、中川李枝子 さく、大村百合子 え
脚本・監督: 宮崎 駿
音楽: 野見祐二
9作品の中で、最も子供向けの作品だと思います。
どこまでも世界が広がっていくような感覚とでも言いましょうか。園内で作った船の周囲に海が生まれていく描写があります。子供の頃はこういう想像を膨らませていたのかなあ……と思い返してしまいます。くじらとりというタイトルですが、くじらと園児が仲良くなるような内容です。粋なくじらが園児に向ける笑顔が印象的です。
ちなみに、音楽は野見祐二さん。野見祐二さんと言えば、耳をすませばのサントラで有名です。次に紹介する『コロの大さんぽ』も音楽を担当しています。
『コロの大さんぽ』
© 2002 Studio Ghibli
東京郊外の住宅街をモデルにした仔犬のコロの冒険物語。色鉛筆で描かれた背景画が印象的。コロは、学校へ出かけたサワ子を追いかけて、戸締りがされていなかった扉から外へ出てしまいます。
あちこちを走り回っていろいろな人に出会うコロ。一方帰宅したサワ子は、コロがいなくなっていることに気がつき、一生懸命探すのですが…。
時間: 約15分
原作・脚本・監督: 宮崎 駿
音楽: 野見祐二
野見祐二&東京郊外の住宅地……と言えば聖蹟桜ヶ丘ですが、小金井市界隈をモデルにしたと言われています(聖蹟桜ヶ丘は、『耳をすませば』の舞台です)。
コロは短い旅の中で、サワ子はコロを懸命に探す中で、共に同じ思考へ辿り着きます。その結末は分かりきってはいるものの、涙が出てしまう。一度だけ、号泣している人がいた記憶があります笑。
この作品は、大人目線でも興味深い作品だと思います。コロを心配する我が子に対して、親としてどのように接してあげればいいのか……と考えさせられるのではないでしょうか。パンフレットにはコロが大さんぽした地図も載っています。ちなみに、コロのモデルはジブリ撮影部(現在は不明)の古城さんの仔犬です。
『めいとこねこバス』
© 2002 Studio Ghibli
風のつよい日、めいがキャラメルを食べていると、つむじ風があらわれ、追いかけてきました。めいはつむじ風をつかまえます。つむじ風の正体はこねこバス。
めいとこねこバスはともだちになり、その夜、森へと出かけます。
時間: 約14分
原作・脚本・監督: 宮崎 駿
声: メイ…坂本千夏
音楽: 久石 譲
トトロに抱きつきたい。ネコバスに乗りたい――30歳を超えましたが、今でも定期的に思ってはテンションが上がり、数分後に虚しくなります。。。
『となりのトトロ』を見ていることが大前提の作品です。物語性という点で見れば、9作品の中で最も展開に乏しい。ただ、トトロが好きでジブリを愛している方には強くおすすめしたい作品です。
やはり全ての短編映画の中でも、最もお客さんの入りが多い印象があります。ねこバスとめいの戯れが微笑ましく、上映後はミルクキャラメルが食べたくなります。
『パン種とタマゴ姫』
© 2010 Studio Ghibli
いばらの森のその奥の水車小屋に暮らす、バーバヤーガに召し使いにされた「タマゴ姫」は水車小屋に閉じ込められ、重労働に追われるつらい毎日でした。
ある夜、バーバヤーガの言いつけでこねていたパン種が、突然生命を持ち、動き出します。その「パン種」とともに、恐ろしいバーバヤーガから逃げ出すタマゴ姫。二人のこの先はどうなるのでしょう。
時間: 約12分
原作・脚本・監督: 宮崎 駿
音楽: 久石 譲
魔法使いバーバヤーガが目玉焼きを食べるシーンから始まります。バーバヤーガ自体が『千と千尋の神隠し』の湯婆婆を、食べる姿が『ハウルの動く城』のマルクルを思い起こさせます。終盤には、漫画版の『風の谷のナウシカ』の巨神兵も思い起こさせるシーンもあります。
原作・脚本・監督が宮崎駿さん、音楽が久石譲さん……これぞジブリ!!と謳いたくなる作品です。 ただ、バーバヤーガのインパクトが強すぎるせいでしょう、子どもが泣いてしまう確率が高い印象があります笑。セリフがほとんどないという点も大きな特徴です。
『やどさがし』
© 2006 Studio Ghibli
元気な女の子のフキは、新しい家をさがしに旅に出ます。大きなリュックにいるものはみんなつめて、さあ出発。
次々と出会う奇妙なものたちをフキはどうやって切り抜けていくでしょう。セリフがほとんどなく、すべての音声(音楽・効果音・セリフ)を人の声だけで表現します。また、画面に場面に沿ったものの動きや様子・音をあらわす文字が現れるという珍しい作品です。
時間: 約12分
原作・脚本・監督: 宮崎 駿
声とおと…タモリ、矢野顕子
こちらもまた、セリフがほとんどない作品。自然の中に存在する音を擬音語や擬態語で表現したら? という発想から生まれた作品です。
主人公のフキが旅する中で色々な音と出会います。山の中の蠢く音や雨の音、虫がざわめく音などなどなど……音ってこういうものまであるんだ、と大人は感心する一方で、子どもは無邪気に喜んでいる印象があります。
クレジットの最後に、「タモリ」という文字が画面に出ると、「オオ~!!」という声があがるのが定番です。発想がとても面白く、気持ちのいい映画です。
『水グモもんもん』
© 2006 Studio Ghibli
水グモのもんもんはある日、水面を自由に滑るアメンボのお嬢さんと出会います。
なんて愛らしく、スマートなんだろう、と、もんもんはすっかり心を奪われてしまいます。果たして、もんもんの思いは通じるのでしょうか…。
現在、お隣の井の頭自然文化園では本物の 水グモ が泳ぐ姿が見られます。
時間: 約15分
原作・脚本・監督: 宮崎 駿
声: 矢野顕子
音楽: 山瀬理桜
セリフがほとんどない作品の最後がこちら。水蜘蛛の面白い生態を知ることが出来ます。また、水グモのもんもんとアメンボのお嬢さんの心が溶け合う過程は必見です。
ただ、恋物語というよりは、水中生物の世界の神秘やリアルを描いているような印象です。その一役を山瀬理桜さんのヴァイオリンが担っています。そのリアルさゆえか、「気持ち悪い~!」と言われたり、大泣きする女の子を連れ出すお母さんもいました……。蜘蛛が嫌われていると知ってこの作品を作った駿さんの心境はいかに……。
井の頭自然文化園にて水グモ飼育中だそうです。もちろん、実際に水蜘蛛の生態を知っていればなおよし。
『ちゅうずもう』
© 2010 Studio Ghibli
むかしむかし山奥に住んでいたジイとバアは、くる日もくる日も山の畑を登ったり下りたりしながら、ぐだぐだにくたびれて暮らしていました。
ある晩ジイが外に出ると、どこかへと向かうねずみたちを見かけます。こっそり後をついていったところ、ねずみたちは集まって相撲をしていました。自分の家のねずみたちが負けてばかりいるのを知ったジイとバアは、ねずみたちのためにサンマの団子や豆腐の田楽を用意します。
さあ、今度の勝負はどうなるでしょう。民話「ねずみのすもう」を題材にしたお話です。
時間: 約13分
原作: 日本民話より
企画・脚本: 宮崎 駿
絵コンテ・監督: 山下明彦
語り:阿川佐和子
音楽:渡野辺マント
原作が日本民話ということもあり、万人がほっこりするような作品だと思います。ジイとバアが新たな楽しみ(=ねずみの相撲)を見つける姿は、こちらまでうれしくなります。
ねずみの表情や取り組みを見ているととても愛らしく、9作品の中で一番笑いが起こる印象があります。ラストシーンの爽快さは、座布団を投げたくなってしまう気持ちになるかも?? もちろん、阿川佐和子さんの語りも良い味を出しています。
囲炉裏やサンマダンゴについて、この山下監督が語っています↓↓
『星をかった日』
© 2006 井上直久・Studio Ghibli
中央ホールの壁画「上昇気流」の作者井上直久画伯の原作。空想の世界イバラードの不思議な物語。
ノナ少年はいつの間にか誰もいない砂漠をひとりで歩いていました。ノナは、そこでふしぎな女性ニーニャと出会い、彼女の農園の小屋で暮らし始めます。そんなある日、ノナは野菜とひきかえに星の種を手に入れて育てることにします。
時間:約16分
原作:井上直久「イバラード」より
脚本・監督:宮崎 駿
声:ノナ…神木隆之介、ニーニャ…鈴木京香、スコッペロ…若山弦蔵、メーキンソー…大泉洋
音楽:都留教博・中村由利子
井上直久さんのイバラード作品の中で、「星を育てる」というテーマで描かれたものがあります。そこから発想を得た駿さんが、井上さんに隠れてまとめあげた作品です。一つの世界観が完全に成立しており、都留教博さんと中村由利子さんの音楽によって引き込まれます。僕がサントラを真っ先に買った作品で、一番見ている作品でもあります。
ただ、他の9作品に比べると、小さな子どもには向かない作品かもしれません。育てるというテーマがあればもちろん、育て終わった後の展開もあります。種から生まれた星の生命の循環を美しく描いています。
中村由利子さんのファンです。コンサートにも行くと、劇中のメイン『上昇気流』をよく演奏してくださるのでうれしくなります。劇中の曲が収録されています↓↓
毛虫のボロ
草むらのなか、夜が明ける前に卵からかえった毛虫のボロ。
初めて見る朝陽はとてもまぶしくて、世界はおいしそうな空気にあふれていました。ボロは、ボロギクの根元に降り立ち、毛虫の先輩や外敵が行き来する世界へと踏み出します。
原作・脚本・監督:宮崎駿
時間: 14分 20秒
2018年3月より上映開始が決定しました。視聴後に内容を追記します。
三鷹市・近隣市民枠チケット枠について
①三鷹市・武蔵野市・小金井市・西東京市に住民登録している方
(住民票、免許証、保険証、外国人登録証明書などで当該市民であることを証明できるものをご本人がご持参ください)
②三鷹市・武蔵野市・小金井市・西東京市いずれかに在学、在勤の方
(学生証、会社の証明書などで在学、在勤を証明できるものをご本人がご持参ください)
美術館に行かれるご本人様がご購入をお願いいたします。
代理のご購入はできませんので、予めご了承ください。
詳しくはこちら↓↓
三鷹の森ジブリ美術館三鷹市・近隣市民枠チケット販売 | みたか都市観光協会
シュナの旅/宮﨑駿 を紹介しています↓↓
コメント
知らなかったー!!
土星座のこと、スピンオフの短編のこと、
全然知りませんでしたーー
近いのに行こうとも思わなかった。
チケット取りにくいらしいけど、
挑戦する価値ありですね!