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ぷらっとこだまに乗ったら車掌とおばちゃんに絡まれた話【人生劇場】

あの時の感謝を伝えたい日常エッセイ

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場所は新幹線のぷらっとこだま。

乗務員による切符チェックが行われており、何やら隣の席で揉めていた。どうやら、席を間違えた人がいるらしい。

「あ~、たまにいるよなあ。迷惑やわ~」

と思ったら、僕でした。……はっ?(自分にツッコミ)

いや~、人生で初めて席を間違えました。本当にすみません……。

 

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この記事の著者
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就職できずに当時薬学生だった彼女のヒモを経て、ブロガーに(15年の交際を経て結婚!)。エンタメ分野のレビュー、感謝を綴ったエッセイが好評。当時の内容を綴ったノンフィクション小説「薬剤師国家試験に落ちた彼女を、僕は隣で見ていた」が電子書籍化しました!

東京→名古屋

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僕が席を立つと、なんとそれを皮切りに3人が席を間違っていたことが発覚。一体何のコントなのか……と疑うくらい、リアルに開いた口が塞がらなかった。

「こんなことがあるんだなあ」と思いながら、本来の席(反対側の窓際)へ移動。その後、トイレに行くために席を離れた。

 

ROUND1

トイレから戻ると、離れる前と何かが違っているように感じた。でも、その時は深く考えず、「まあいっか」と思いウトウト。

すると、なぜだろう。乗務員の視線を感じた。

(あれ? 切符のチェックはさっきしたよな?)

乗務員をチラ見したら、どこかで見たことがあるような麦わら帽子を持っていた。あ、それ、どこかで……ってあれ? フックにかけていた麦わら帽子がない! ここでようやく目が覚めた。

それ、おれのだよ!

そう思って身を乗り出した瞬間。まるで獲物を待ち構えていたように、通路をまたいだ反対側の席のおばちゃんが何かを訴え出した。

 

おばちゃんと乗務員

決定的だったのは乗務員の体の向きだった。帽子を手に持ちながらも「帽子より先に、おばちゃんの言葉を聞いてあげてほしい」みたいな角度だったのだ。理由はわからなかったけど、とりあえず耳を傾ける姿勢を取った。

でも、走行中の新幹線。内容は聞き取れなかった。おまけに寝起き・中途半端な姿勢のまま(太ももプルプル)。

そしてやっと聞こえてきた言葉は「熱海がうんちゃら」。

懸命さというか謝意を感じたので、テキトーに頷いておいた。(とりあえず座りたかったわけではない)

ようやくおばちゃんは穏やかさを取り戻し、乗務員も僕に帽子をくれた。すると、今度はなぜか隣の席の人が事情を教えてくれた。

 

真相発覚

――僕がトイレに向かった時、ちょうど熱海駅に着いたらしい。それを見たおばちゃんが降車したと勘違い→乗務員に忘れ物を報告したんだって。

ああ、だから謝ってたのね。要は「勘違いしてごめんなさい」的なことか。でも、僕が最初に思ったのは、

「東京から熱海やったら鈍行で行くわ!」

ということだった。

 

ROUND2

やっっっと落ち着いた。

(やれやれだぜ……)

と思っていたら、今度はお茶がないことに気が付いた。

ぷらっとこだまの楽しみと言えば、それはもうドリンク引き換え券に尽きる。僕の中で、サントリーの黒烏龍茶と相場は決まっているのだ。

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公式HPより。ミランダ・カー「クロ!」

それなのに……まだ名古屋まで一時間近くある。その間をドリンクなしで過ごすなんて。この時になって始めて怒りが湧き上がってきたことを覚えている。

(あんのババア! 報告が早すぎんだよ! ションベンやぞ!)

そう思っているとタイミング良く、あの乗務員が通りすがった。

すみません! と呼び止めて「もうお茶はないですよね?」と聞くと、やはり捨ててしまったとのことだった。

 

とにかくお茶を飲みたい

で・す・よ・ね~。もうおばちゃんを許しているし、乗務員に「お茶だけ返して!」と言えるわけもない。こだまに車内販売はないのだ(あっても買わないと思うけど)。我慢するしかなかった。

でも、お茶が飲みたかった。お茶がないからお茶を飲みたかった。そんな時に限って、窓から見える景色は静岡の美しい茶畑ばかり。

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茶畑ばかり。

 

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茶畑ばかり……

 

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茶畑ばっかり!!

 

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……。

 

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……。

そんな行き場のない気持ちを察してくれたのか、再び乗務員が僕の元へ来た。

なんと、「自分の買った水でよろしければ」と言って、水を差し出してくれたのだ。

 

ただの乗務員→愛すべき乗務員さんに

おお! 乗務員さんの思いやりとでも言うのだろうか。それが本当にうれしかった。断ろうとも考えたが、せっかくなのでご好意に甘えることに。

「こちらで確認していれば良かったんですけど……申し訳ありません」

あまりに下手に出られて、ただただ恐縮。名前聞いてお礼を言おうと思ったのだが、そんな間を与えてくれないくらいに謝り倒された。

その様子を見たのだろう。再びおばちゃんが通路越しに謝ってきた。

もうわかったって! 大丈夫ですって! コミュニケーションが好きなのはわかったから!

もちろん、人が良いのは百も承知だ。

 

もらった水が意外だった

もらった水は「サントリー 南アルプスの天然水朝摘みオレンジ」。

デカイ図体して意外なモン飲むな~と思ったことを覚えている(失礼ですみません)。すぐに飲んでも良かったのだが、飲む姿を見られたくなかった。

と言うのも、もう僕の行動は周囲に筒抜け。あいつ飲んだぞ! と思われるのが恥ずかしかった。それに、下手すりゃまたおばちゃんが絡んでくるかもしれないし。

結局、名古屋で降りてから飲むことに。 

 

感想

うーん……全然美味しくない。ぬるくて、不自然にあんまい。さっぱりしたいのに、想定しない甘さのギャップがあったからだろう……この時の強烈にマズさを覚えているそして、記念に写真を撮った。

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みなさん、ありがとうございました!

今振り返っても変な出来事だった。だって、誰も悪くないから(発端は僕だけど)。

素晴らしい対応をしてくれた乗務員さん、おばちゃんさん、隣席さん。あとはサントリーさんも。

 

あの時はお世話になりました!

ありがとうございました!(2014年6月7日) 

 

 

www.momotoyuin.com

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コメント

  1. igadget より:

    乗務員素敵ですね。いい話です。