2017年7月23日。開聞岳に一人で登った話です。最後に、ソロ登山者に開聞岳をおすすめするポイントをまとめています。
開聞岳は、日本百名山で一番低い山
鹿児島県薩摩半島の南端に位置する標高924メートルの火山。
その完璧な円錐形と海面からせりあがるような威容に、名山の名を贈るのに躊躇しない(日本百名山の著者 深田久弥)
日本百名山を踏破した友人がいるのですが、彼に触発&おすすめされ、僕もソロ登山してみよう! と思い立った次第です。
登山から下山まで
AM6:00 スタート
「かいもんふれあい公園」で登山届に名前を書いてスタート。
少しガスが覆っていました
初めての一人登山。
山に入るまで一度も人に会わなかったことで、テンションが上がりました。少し不安もありましたが歩は進みます。気持ちいい、来てよかった……と思っていたところ、アブに付きまとわれるように。
「飛蚊症かも?」
と疑いたくなるくらい、ブンブンブン……。汗の臭いなのか、首に巻いていたタオルの温泉成分(前日に温泉に浸かったので)の影響かどうかはわかりません。追っ払いたい気持ちで、さらに歩を進めていたら、登り始めて10分で息切れするように。
2・5号目
2・5号目に到着した時点で、心肺機能がおかしなことになっていました。何度深呼吸しても落ち着かず……そして、ブンブンブン。もう追い払う気力も失せていました。景観に変化がない山道で、どれだけ歩いてもたどり着かないような錯覚……
もう、5合目で引き返そう……
この時、過去の自分を思い返していました。
天狗岳や羅臼岳を友人と登った自分はどこへ……サッカーで体力のあった自分はどこへ……思い出しては、昔と異なる自分に幻滅しました。
そして、今回の登山の結果によって今後の人生に大きな影響を与えることを考えていました。
・挫折→今後の人生、登山とは無縁になる。
・成功→開聞岳を登った、百名山を登ったという自信がつく。成功体験。
AM:7:00 5合目
なんとか五合目に到着すると、
「大丈夫ですか?」
と声をかけられました(ここで初めて人に会う)。女性二人と、子ども五人ほどのグループ。イメージとしては幼稚園か保育園の遠足でしょうか。死んだ顔の僕を見て、
「ねえねえ~」と話しかける子どもに「コラ!」と怒る大人……笑。どこから来たとか、登ったことがあるとか、そのような類の会話をしただけなのに、なぜか勇気付けられました。
この景色にも救われました。やっぱり、頂上に登ってみたい。。。
15分ほど休憩して、「あの人達についてこう。ペースも守れるし」と思い、再出発。しかし、10分ほど歩いたらすぐに追いついてしまい、結局、また一人に。
登山は、一歩一歩を着実に歩まなければならなりません。
僕の性格上、抜け道を見つけて少しでもラクしようと考えてしまいます。山の中では、それが全く通用しないのです。
また、ゆっくり歩こうと思うも、自分にとって最適な一歩がわかりません。
疲れずに呼吸を乱さずに、けれど最大限前へ進む一歩。
これが僕に足りないのだと痛感します。
また、ソロ登山は瞑想と似ていると思いました。
瞑想は呼吸に集中しますが、登山は一歩に集中します。自分ととことん深く向き合わずにはいられないのだと悟りました。
7・4合目 仙人洞とその付近
景色が拓けると、疲れが一気に吹き飛ぶので不思議です。
頂上がガスってたらどうしよう……と思っていたこともあり、再びテンションが上がりました。5合目以降もきつかったのですが、5合目までのきつさの比ではありません。
やはり、景色が拓けたことと、人と話したことが要因だと思われます。
9合目 はしご
AM8:30 山頂
この時の達成感は、今でも体が覚えています。
頂上で一人きりになって、皇太子殿下も登ったことを知って、少し誇らしくなりました。この時になってやっと、アブがいないことに気付きます。
10分ほど休憩していたら一人登ってきたので、なんとなく下山準備。その人はCUPNOODLEを作っていたので、登山経験の差を感じずにはいられませんでした。
下山していると、5合目で話した保育園の先生っぽい人に再び会いました。「あー! どうでした~?」と笑顔で話しかけてくれたことが本当に嬉しくて。山頂に一人しかいないことと、ガスが晴れていると伝えたことを覚えています。
再び5合目
休憩中に再び会話で癒されました。
・前日に霧島を登ってきて、5合目まで40分で登ってきたトレイルランの方
・開聞岳周辺の温泉情報をわざわざ検索して、マップで教えてくれた夫婦の方
みなさん、本当にありがとうございました!!
AM10:30 駐車場に戻る
下山中に15人ほどすれ違ったので、早めに登って正解だったと確信。めちゃくちゃ疲れましたが、それでも無事に下山できたことに一安心。
また、下山中に考えていたことは、健脚に産んでくれた親への感謝でした。
一度登ってしまえば、不安よりも好奇心が勝る気がします。それほど素晴らしい経験でした。登山にハマる人の気持ちがわかったような気がします。
次はどの山に登ろうか……感謝の気持ちを忘れずに、またトライしようと思いました。
近場のひまわり畑
長崎鼻入り口の交差点にあったひまわり畑。西大山駅の方にもあるようです。
おすすめポイント
僕が登った感想+百名山を踏破した友人の評価です
①標高低さ≠登りやすさですが、所要時間が短いことは確かです。
◆所要時間◆
4時間~6時間を要します。(平均5時間30分)
登り…約3時間 下り…約2時間半◆登山時の服装・持ち物◆
登山靴が好ましい。なければトレッキングシューズや運動靴など
動きやすい服装、長袖、長ズボン
ザック・手袋・タオル・水分(500ml×3)・ティッシュ・軽食など
夏はアブが発生するので、虫除けスプレーも! 夏場は水分をもう500ml増やしましょう!
②登山者が多いので、完全な孤独にはならない
僕が良い例だと思います。 そういった意味でも、ソロ登山者は安心できるかと思います。
③登山中の景色が良い
海が見える点は大きいそうです。あそこから登ってきたんだ……とわかる山は達成感も得やすいとのこと。
④山を含めた周辺の景色も良い
薩摩富士と呼ばれるほど、シルエットが美しい山です。
また、観光協会の方に聞いたところ、7,8月はひまわりが、12月、1月は菜の花が美しいそうです。
⑤百名山
肩書きや知名度で安易に判断するわけではないですが、百名山を踏破した友人もオススメしてくれたので。達成感がありました。
⑥ストレスが少ない山
これは友人が言っていました。危険、心配、不安、わかりにくいなどの要素が少ない山だそうです。確かに一本道ですし、道に迷うことはありませんでした。
山頂に山頂感がある点も良いそうです(看板だけ設置してある山もあるとのこと)。
⑦周辺の温泉が良い
たまて箱温泉へ行きました。
ただでさえ絶景なのに、登った後の山を温泉に浸かりながら眺める……この感覚はたまらないものがあります。
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コメント
momotoyuinさん、こんにちは(^ ^)
登山お疲れ様でした。
私はちゃんとした登山は今まで一度もしたことがないので、山頂の写真を見せていただいて、なんて綺麗なんだろうと思いました。
実際は達成感と共にもっともっと感動するのでしょうね。
そして、どんな場所でも人との触れ合いは大きな力になりますね〜(^ ^)
今回の記事を読ませていただいて、いろんなことを実感できる登山にとても魅力を感じました。
良い体験をたくさんされていますね♬
経験は宝ですね✨
私もいつも刺激をいただいています。
ありがとうございます(^ ^)