【2024年4月1日 追記・更新】
2021年5月25日に発売されたPS4、Steam、XBox Oneソフト『Biomutant(バイオミュータント)』をPS4でクリアした感想・評価になります。ストーリーやエンディングについてガッツリネタバレを含んでいる項があるので、その点は注意です。
バイオミュータント とは
文明崩壊後の世界でケモノの遺伝子を持つミュータントが活躍する世界
大地は病み、生命の樹はその根から弱り死にかけている。種族は分断し対立。混迷する世界を探索し、その運命を決める者は、果たして救世主か、それとも世界をさらなる闇に突き落とす破壊者か……
ユニークなマーシャルアーツと剣術・射撃、そしてミュータントの特殊能力を組み合わせたバトルを楽しもう。
ジャンル:オープンワールド、アクションRPG
ゲーム概要を見て、それなりに期待していた作品になります。
日本語翻訳が、ただただ酷い(2021年5月27日現在)
これからこのゲームをプレイする方は、ナレーションのボイスをOFFにして、ナレーション頻度を10以下に設定することをおすすめします。
個人的な主観ですが、このゲームはとにかく日本語翻訳が酷いです。なぜ酷いという考えに至ったのかを説明していきます。
ナレーションのみで、キャラ同士の会話が存在しない
この画像↑↑だと、「今日の気分はどう?」と、ヘルメットの彼が主人公に質問している様子が伺えます。ですが、このゲームでは会話はありません。会話の様子を三人称視点からナレーションで語られるのみになります。
よって、キャラ固有のセリフもなければ、声も充てられていません。それだけでなく、聞いても読んでも疲れるような翻訳になっています。
会話が成立しているようには思えない選択肢も数多い
選択肢で展開が変わる とゲーム概要で紹介しているのに、後の展開を見越すことができない謎翻訳が頻発。「え……何これ……」と何回も思うでしょう。そしてそのうち、そういうゲームなんやな、と気付きます。
なので、あきらめというか、この翻訳を受け入れて始めて、このゲームをプレイするスタート地点に立ったと言えるでしょう。
酷い時はこんな感じ。ナレーションの頻度も高く、個人的には声も苦手だったので設定からOFFにしました。
新出単語を、ゲーム内のわからない単語で説明してくる
わからない固有名詞を連発されることもしばしば。そして、説明不足のままクエストをこなすことになります。プレイに慣れていない段階だと、〇〇って何? ☆☆の説明ないやん! と理解を求めるあまり、不満を募らせることに。
名称も同様です。アウト・オブ・デイトという名前の車椅子のオッサンですが、out of dateを日本語にすると「時代遅れ」という意味になります。これをそのままアウト・オブ・デイトって文字にしてるところが、このゲームの翻訳のダメさを象徴しています。シンプルに、雑です。
このように、意図も意味も由来も何もわからない固有名詞が多いんですよね。そして、それらを知る術もありません。クリア後に設定資料集みたいなものがあれば……。
感情移入できるはずの描写も台無し(ネタバレ注意)
過去に主人公の母が殺される描写があります。ストーリー上、重要な描写です。この時、もしかしたら生きているかもしれないとか、このまま死ぬのかな? という疑問を雰囲気から察するのですが、それもナレーションを通して↑↑、「あ、主人公の母さん死んだんや」と知ることになります。
ナレーションが事実を先出し解説してくるので、感情移入が極めてしづらい仕様になっています。
二人で稽古する様子なんかは良かったんですけど、ナレーションの翻訳とタイミングで台無しに。
サブクエストも同様です。数多くのサブクエストがありますが、翻訳が訳わからないので、おつかい感が純度MAXになっています。誰かを助けるとか、求めている素材を入手するとか。そういった過程を知る楽しみもなければ達成感もないわけで。なので、僕はほぼ放棄しました。
これは遠足ではない、本番だ。
このゲームで頻出する印象深いナレーション。言いたいことは何となくわかりますが、もっと他の表現があったとやはり思いますね……。
日本語の見直しを発売前に行うと公式サイトにあったようなので、それを期待してみるのも良いかもしれません(どのくらいかかるかは不明。僕はもうプレイしない)
ストーリーも浅い(ネタバレ注意)
ストーリーを大まかに整理すると、
- 世界を支える生命の樹を蝕むワールドイーターと呼ばれる巨大モンスターを倒す
- トライブ(種族)戦争を征して世界を統一する
- 両親を殺した者への復讐
という3つの軸を同時並行していくような形になっています。もちろん、ストーリーも翻訳のせいで没入感はないのですが、浅いと感じた理由などを書いていきます。
音楽・ムービーが全然ない
オープニングが最後のムービーかつ、No. 1画質だったいう……
言葉の通りです。重要な描写はしっかりとムービーを入れたり、ボイスを入れたり、音楽を入れたりすべきだと思いますが、何もないので感情に訴えかけてこないんです。
トライブ戦争
異なる組織を率いる6匹のケモノが世界各地で君臨しており、群雄割拠を成しているようなイメージです。主人公は、最初に「光」か「闇」かを選択してその中の一人に付き、天下統一するような流れになります。
この二匹のどちらか。僕は光を選んだので、下のミリアド・トライブになりました
一応、6匹全員に設定はありますが、それをゲーム内で感じさせる行動や演出は一切ないんです。組織や思想に対する深掘りもなし、No.2もなし。あるのは、ただの設定のみ。
設定というか、説明のみ
ゲームメディアの記事でこのゲームの紹介を見た時は、『フォールアウト4』のような、属する組織を選ぶにあたって悩み抜く必要性があるような作品をイメージしてしまいました。が、ただ光か闇かを選んだ後は、作業的に他の敵を倒して天下統一するだけ。
ちなみに、トライブのボスと戦いを回避するために説得が出来ますが、仮に説得が失敗しても、ただバトルになるだけでその後の展開は変わりません。結局、仲間にするか、牢に入れるかの二択になります。僕は、光を選んだので、最後まで仲間にするを選びました。
仲間にすると、最後はみんな仲直りでおしまい。ただただ、浅い。
主人公の復讐もなんかなあ……(ネタバレ注意)
両親を殺した者:ルパ・ルパンへ復讐するのもストーリーの一つ。ネタバレになりますが、4体いるワールドイーターを2体倒した時点で、ルパ・ルパンと一度戦います。この時に、ルパ・ルパンの過去が挿入。主人公の母に、親を殺されていたようです。なので、自分と同じ苦しみを与えるためにも、主人公だけあえて殺さなかった、と。これは憎しみの連鎖について描写していたので良かったと思います。
そして一回倒した後、ワイルドイーターを全て倒すとなぜか復活。最後はラスボスとして再び倒すことになるのですが、この辺りの描写がよくわかりませんでした。ゲームとしての整合性のために、一度倒されて、その後無理やり復活させられたような印象しかなかったです……。
また、母のかつての仲間を訪ねることになるのですが、その全員が、ルパ・ルパンへの復讐心を問うてきます。許す・許さないと選択肢が出てきて、僕は許すを一貫して選択していたのですが、結局戦う展開は避けられなかったというのは、個人的には違和感がありました。
エンディングも説明不足(ネタバレ超注意)
エンディングを見た感想は、「そ、そっか」です笑。
世界を救ったのに、なぜアークという飛行機的なやつで脱出しているのか、よくわからなかったです。アークには、4人まで同乗者を乗せることが出来ます。てっきり候補者が10人くらいいて、その中から選別しなくてはいけないのかと思っていましたが、候補者は4人のみ。その4人各々に対して乗せるか乗せないか、という選択をするのですが、、、面白くもなんともない選択でした。
せめて、飛び立つムービーくらいは作るべきだったと考えますね……
光ルートでクリアしたのですが、この感じの演出だと、闇ルートでクリアしたからと言って何かが大きく変わることは期待出来ないかな……という印象です。余談ですが、アークってFF9のボスを思い出しました。
面白い要素も多い
探索とアクションは面白い
ゼルダに影響を受けたんじゃないかな? と思えるようなオープンワールドが展開されています。乗り物もありますし、移動する楽しさはありました。
世界各地には、このような変な建築物がたくさん。クラフト部品を入手出来たりします。
キャラメイク
高度な武器のクラフトや自由度の高いキャラクターカスタマイズ
武器のクラフトは完全に自由に行える。部品を混ぜたり組み合わせたりして、独自の武器を作ろう。 また、装着する装備品の種類まですべて自由だ。デッドゾーンの探索時にはガスマスクと酸素タンクを装備し、寒冷地域には断熱服を着て突入、バイオ汚染生物との対決には防護装備を着用するなど、選択はプレイヤー次第だ。
ゲーム開始時からカスタマイズの要素が非常に大きく、何が強くて弱いのか、ある程度プレイしないと全くわからないという難点があります(僕は完全に容姿重視で入りました)。自由に育成できる点は魅力でしょう。
バトルは面白い
新機軸の戦闘システム
射撃や近接格闘だけでなく、ミュータントの能力も活用して繰り広げられる、新機軸の戦闘システム。 外見とプレイスタイルは変更可能で、変更によって能力値の変化のほか、テレキネシスやレビテーションなどのサイキック・ミューテーションがアンロックされる。
武器も防具も非常に豊富ですし、魔法も使えます。
面白いかも、と思えたのは、特にワールドイーター(ボス戦)ですね。ザコ敵とは異なり、ゴリ押しが通用せず。特定の攻略法があります。
ワイルドイーター戦だけは、4戦どれも面白かったです。敵の攻撃・演出が圧巻で、こちらに大ダメージを与えてきます。機械や潜水艦など、環境に適応した乗り物に乗って応戦するのも◎。
パズル要素も
白と黄色の端子を合わせるような簡単なパズルが主です。ただの配線板などから、電話や地球儀なども。モノにパズルを落とし込む工夫を感じられました。
その他
処理落ちは結構あって(画面がカクカクする)、2回くらいゲームそのものが落ちました。ですが、オートセーブがちょいちょい入るので問題にはならなかったです。
車には、必ずクラフトアイテムが落ちています。『Days Gone』を思い出しました。
筋トレする姿はかわいい
この犬、何だったんですか? あと、△ボタンで捕まえる小さいミュータントって、何だったんですかね? ペットとして飼うみたいな選択肢を選んでましたが、どのような意味があったのかわからず。意図が最後までわからなかった要素は多いです。
クリア後に気付いたのですが、この乗り物、全く乗ってないです笑。
バグは一つだけ。倒した敵が空中に留まっています。
この印をインタラクトすると、MAPが広がっていくのですが、その時の演出は、視点が昇って空からになるだけ。とても簡素で、残念でした。
僕はオープンワールドゲームが好きです。その最大の理由としては、世界の美しさを感じられる瞬間があるから。『Horizon Zero Dawn』で言えば、トールネック。『ゼルダBotW』で言えば、シーカータワー。『アサシンクリードオデッセイ』では、シンクロ。『大神』の大神おろしも大好きです。どれも独自の演出があり、達成感や爽快感があります。今作は、それが全くないのは残念でした。
攻略情報など
見た目を変えられるポイントがあります。バイオハザードエリアなので、毒対策が必要ですが、毒の場合は100%になっても体力が減るだけなのでゴリ押しで行けました。
ミューテーションのおすすめ
バイオジェネティクス:ストームホップ。ジャンプして地面に拳を叩きつける演出がカッコイイ。ただ、知性を意識して上げないと使い物になりません。武器防具がクラフトでものすごく強くなるので、相当意識して育てないと魔法は難しいかも。
サイ能力:レヴィテート。空を飛べます。光に振っていたのですが、役に立つのはこれくらいでした。
ワン・フーについて
自分がどの武器が使うのかで大きく変わるでしょう。最初は素手で行こうと思っていたのですが、結局両手剣と片手銃を選びました。なので、結果的にはデットアイは選択ミスでしたね(銃関連の能力が多い)。
プリ・マーゲルソード。最初のワールドイーターの近くにある灯台で、光を示す先にあった洞窟の中でこの武器を見つけて、だいたい攻略方法が決まってしまいました
両手スラッシュのウィキッドウルフとバードスワールド、基本遠距離のフェニックス・フライト→スーパー・ワンフー発動という流れが確立してました。もうちょっと他の武器を使えれば違った攻略が出来たとは思います。
蜃気楼イベントでは、負けても能力は解除されました。最後の二つでは勝てなかったんですけど、これ全勝したらどうなるとかあるんですかね。
この扉は、ムートに引っ張って貰えばOKです。
黄色は飛び移れたりする目印です。結構隠しポイントがあるようです。
クリア時間・クリア後
15~20時間くらいだと思います。クリア時のレベルは24。クリア後は、ニューゲームプラスがアンロックされます。せめて設定資料集みたいなものがあれば……。
アップデート情報(2021年5月31日 追記)
セリフのテンポ
ナレーターの設定
難易度の設定
被写界深度やモーションブラーなどの映像設定
戦利品の調整
敵の調整
サウンドの調整
戦闘の調整
などなど。ユーザーからのフィードバックを元に修正を行うようです。なお、日本語そのものの修正は、現在準備中とのこと。詳細情報がわかり次第、追記します。
11月5日に、日本語修正アップデートが行われたようです。時間はかかりましたが、そのまま放置するのと修正をしっかりアナウンスするのとでは大きな違いがあると考えています。購入し直してプレイすることはないですが、PSNowで登場した時には確認してみます。
PS Plusに登場
2023年1月2日までフリープレイで遊べますよん★
まとめ
クリア後の感想としては、翻訳が全てを台無しにしている、です。元々クソゲーに近い印象でしたが、ナレーションとボイスを抑えることでマシにしてクリアした、という感じ(クソゲーだと言われると共感はします)。また、サイドクエストをほぼしてませんし、収集要素なども手をつけなかったので、あくまで参考程度にしてください。
悪い部分を挙げるてばかりですが、ワールドイーター戦と探索要素に面白さを見出だせたことも事実です。日本語についてはあくまで個人の感想ですので、評するのが非常に難しい作品だと思います。気分を害された方がいたら、申し訳ありません。
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