2020年6月25日にPS4® / Steam / Nintendo Switch™で発売された『デスマッチラブコメ!』。PS4でプレイして、トゥルーエンドまでクリアした感想・評価になります。ネタバレ注意です。
デスマッチラブコメ! とは
告白されると爆死する。学園伝奇ラブコメノベルアドベンチャーゲーム
……そんな奇ッ怪な状況に陥ったあなたは、魅力的でリビドーあふれるヒロインたち=「死」と隣り合わせの学園生活に叩きこまれます。クレイジーな逃走劇、デッドリーなラブ・アプローチ、山盛りのナンセンス、溺れるほどの悪意と怪奇に満ちた学園伝奇ラブコメを、洗練された最高のノベル・アドベンチャー・ゲームエンジンでお楽しみください。
ジャンル:学園伝奇ラブコメノベルADV
プレイ人数:1人
対応プラットフォーム:PS4® / Steam / Nintendo Switch™CEROレーティング:CERO C(15歳以上対象)
レイジングループの姉妹作
「レイジングループ」は、閉鎖された山村の殺人儀式と謎のループ現象に巻き込まれた青年の活躍を描いた物語で、ダークで残酷なストーリーと卓越した心理描写、緻密な世界観により国内外で高く評価され、ノベルADVから小説まで幅広く展開しています。
「デスマッチラブコメ!」は、「レイジングループ」を手掛けたシナリオライター・amphibian(あんひびあん)がそれ以前に手掛けたシナリオに、映像やサウンドを大幅強化したフルリメイク作品です。一見まったく雰囲気の異なる2作品には、実は深いつながりがあり、奥深い物語世界を形成しています。
レイジングループは、ノベルゲームの代表作とも言える名作です。ちなみに、Switch版でプレイ済み。こちらの記事でも紹介しています↓↓
ストーリー(ネタバレ注意)
主人公の矢木 景は、告白されると爆発してしまう体質。爆発の危険度が左下のハートで目視できます。序盤は、女性陣の告白を避けるようにしながら進めていくような流れ。
ストーリーの始まりはこんな感じ。童貞臭い学園モノのラブコメなのかな……? と思いつつスタート。
告白されそうになる展開が多々あり……
告白されると爆発してゲームオーバー。トロフィー(PS4版のみ)とBAD ENDリストが増えていきます。ゲームオーバーになっても直前からやり直せるので、多くの演出を見るためにも積極的に爆発した方が良いでしょう。
「やぎくん、す」
と言われた場面で、「き」と言わせないためにほっぺを圧迫するような展開も。ちなみに、女性キャラに「す……」と言われることは多々あり、
「みませんでした」
「ばらしい朝ね」
などとフェイントをかけられることも。このようなコメディが序盤は続きますが……中盤からガラッと展開が変わっていきます。
爆発する理由は、誰かが自分を呪っているからだと発覚。いったい誰が? 何のために? というサスペンスの流れへ。
なぜ告白されると爆発するのか? という考察が始まり、平行世界とか、呪いとか、ジンクスとか、言霊とか、奇跡とか、超能力とか、そういった言葉の数々が、ゲーム内の定義で登場します。
ストーリーの鍵となる「三人縛りの天使様」や「デトネコ」という謎の生き物、「ひそかなねの儀」
結果的に、自分自身を見つめ直すことも重要に。この辺りの選択肢の分岐は深くて面白いですね。
タイトルからは想像もつかないような超展開も……。
デスマッチラブコメ(作中の意味)とは
デスマッチラブコメの意味は中盤あたりで発覚します。デスマッチラブコメという現象が成立するには、登場人物たちの相互関係・過去の因縁・そして主人公のトラウマなどが鍵となってきます。
無駄なキャラは一人もいないあたり、構成の美しさを感じてしまいます。
トゥルーエンドは、「俺たちの戦いはこれからだ!」的なENDでした。ネタバレしましたが、トゥルーエンドの意味を理解するためには実際にプレイして内容や世界観を理解する必要があります。
また、ゲームの中にあえて謎を残すような終わり方をしている点は好印象でした。
クリア後・クリア時間は
クリア時間は、10~12時間くらいでした。ただ、僕は速読に慣れているので、人によって大きく変わると思います。
また、クリア後には追加エピソードがプレイ可能で、6つもあります。女子会や敵視点のストーリーなども。本編の補足にもなります。
本編よりも、書き下ろしのイラストが多め。
感想
良い点
分岐ENDが多いこと・爆発パターンが多いこと。単純に、ゲームを楽しめる上に世界観の理解にもつながります。様々なエンディングがあるので、コンプリートする楽しさも。
そして、エンドの際に攻略ルートのヒントができるのですが、具体的かつ論理的です。なぜバッドエンドになったのか、それを回避するためには何をすれば良いのか。そして、結局どの選択肢を選べば良いのか……懇切丁寧にとろりんが解説してくれます。
告白されると爆発する……というのはストーリー上、そこまで大切なわけではありません。前述の通り、あくまで序盤だけですね。中盤以降は、なぜ告白されると爆発するのか? 主人公が自分と向き合ったり、呪いの正体をつきとめたり、登場人物との因縁や過去などが明らかになることで、没入感が深まるような内容になっています。
一つの謎を解くと同時にまた新しい謎が生まれて、次が気になっていく……という点が、レイジングループとそっくりで好印象でした。
悪い点
タイトルから想像するようなラブコメ要素は少なめです。買う前はToLOVEるダークネスや五等分の花嫁のようなベタなラブコメなのかな? と思っていたのですが、、、
キャラの役割や背景の伏線を回収していく方がメインになっているからですね。エロい展開もまったくなく。むしろ、姉妹作のレイジングループの方が、恋愛要素が多かったかもしれません(主人公がキスしてた記憶あり)。
あとは、ゲームそのものがとてもチープです……。
キャラクターボイスもムービーもないので、ノベルゲームですが紙芝居です。演出面は、僕がプレイしたゲームの中でも最低レベル。BGMも単調に聞こえてしまいますし、ゲーム上の緊張感や焦燥感なども伝わりにくかったです。
映像やサウンドを大幅強化したフルリメイクと記載がありましたが、、、
極めつけは、セリフがあるのにキャラが登場しなかったり……これにはさすがに驚きました。バグかと思いましたが、単純にデザイン化されていないのでしょう(津野さんのパパなど)。
完全に、PS 4 の無駄遣いですね。
今作をプレイして、レイジングループのフルボイスはすごく良かったなあ、とつくづく感じました。ノベルゲームにおいて、キャラの認識をするためにも声って大切なんやな〜と。
引用:Amazonより
これはAmazonにあった画像の引用です。デスマッチラブコメ! の「こんな人に向くかも……」の欄には、少年向けアニメ、マンガ、ラノベに親しんだ人 とありますが、最も大切なのは、ラノベに親しんだ人だと思います。
もっと~すれば良かったとか、もっと~出来ただろうに……みたいなことが尽きないゲームですが、シナリオ面だけで成立していると言っていいでしょう。
まとめ:まずはスマホ版がおすすめ
シナリオが練り込まれている上に長めな点は良かったですが、現在のゲーム市場を鑑みても3000円は高いかな……というのが正直な感想です。
なので、610円のスマホ版がおすすめですね。その後、面白かったらps4やSwitchで購入すると良いでしょう。
スマホ版との違いは、未調査です。
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