【2024年4月28日 追記・更新】
2023年9月7日にPS5版が発売された『フォートソリス』をクリアした感想・評価、攻略情報などを綴っています。項によってはネタバレ注意です。
フォートソリス とは
火星での長い夜を題材にした、三人称視点のSFスリルアドベンチャー。 廃墟と化した基地で主人公たちの運命を見届けよ。
ジャンル:サイコスリラー・アドベンチャー
プレイ人数:1人
CERO:C
クリアした感想・評価
どんなゲーム? ストーリーやゲームの流れなど
火星の最果てで体験するサイコスリラー
火星の基地からの救難信号を受信した主人公ジャックは、その信号を追い、人気のない荒れ果てた基地に辿り着く。
今夜は嵐になるようだ…だが、原因を調査するため、侵入を決意する。
公式のゲーム紹介動画を見ても僕自身がよく分からなかったので簡単に説明すると、
なぜか誰もいなくなった火星の基地で、隊員たちが残した映像やログを確認しながら、なぜそのような状況に至ったのかを主人公が知って核心に迫るような流れ。
主人公はジャック(画像上)とジェシカ(画像下)。前半部分はジャックを操作しつつ、ジェシカとの無線で基地内を探索することに。後半は、ジェシカを操作します。
プレーヤーがすることは、地図を確認しながら歩いて、印が出た時にインタラクトするだけ。なので、言ってしまえば、移動してボタンを押すだけのゲームになります。例えるならば、『Detroit Become Human』を削いで削いで削ぎ落としたかのような操作性ですね。
ちょっとマイナーですがゲーム性に関して『黄昏ニ眠ル街』も思い出しました。
時は 2080 年。物語の主人公――技師ジャック・リアリーは、同僚のジェシカ・アップルトンと火星上の採掘サイト――フォート・ マイナーで勤務中。あと半日で待ちに待った休暇だが、近隣のフォート・ソリス採掘サイトから手動で起動された警報が入る。無 線で応答を求めても返事がない。もうすぐ砂嵐が来るため、ジャックはジェシカを現場に待機させ、単身でフォート・ソリスに向かう。 フォート・ソリスに着いたジャックは、人の気配が全くないことに違和感を覚えるが、砂嵐が来たから他所へ避難しに行っただ ろうと自分に言い聞かせる。しかし受信した警報は手動で起動された。ジャックは居残りメンバーがいないか確認するため、侵入を決意し、フォートソリスを訪れる。
ストーリーはこんな感じ↑↑ 面白いと評せるほどボリュームも展開もないですが、先が読めない中での探索は楽しかったですね。
パソコンからドアのロックをON・OFFにしたり
バッテリーをハメてスイッチを起動したり、レベルが高いキーカードを入手してロックがかかっていた部屋を探索して新たな手掛かりを見つけたり……
ところどころに血が……死体も出てくるので、ややグロいかも? ホラー要素はそこまで……という印象ですかね。雰囲気はありました。
基地の外は、嵐が吹き荒れる季節とのこと。火星での仕事は相当のストレスがある、とのこと。少しですが、外の移動もあります。
なにかありそうで何もないところも。グラフィックレベルが高いので興味深い
ポスター・バナー・フラッグの収集物もあります。メニュー画面から確認可能。
腕につけているアップルウォッチみたいな機器が本作のメニュー。地図やファイルなどが記録されていきます。UI(User Interface:ユーザーインターフェイス)がほぼない点も本作の特徴です。UIを極力削除して没入感を生むのは『Dead Space』や『カリストプロトコル』などと似てますね。
宇宙という共通点もあるので、雰囲気が似ているMAPもちらほらありました
走ってくれよ→慣れると映画のよう
本作は、プレーヤーの操作によってジャック・ジェシカを走らせることは不可能です。彼らが走るのは演出時のみ……。なので、本当にゆったりとしたペースで探索をする作品になります。
プレイ当初は【ゲームなのに走れない】という事実に慣れず、走ってくれよ……と思っていたのですが、そのうち慣れていました。また、キャラの動きが他の作品と異なっており、よりリアリティを感じるという点では、本当にプレイする映画 という評価に見合った作品だと考えています。
プレイする映画 というキャッチコピーは他作品にもあると思いますが(思い出せるのは『アンチャーテッド』とか)、その点に関してはNo.1ではないでしょうか。
銃を撃ったりすることも出来ません。パンチやキックなどの動作もQTE時のみ。なので、移動してインタラクト・たまにQTE入力するしかないゲームですが、、、
かつてない没入感
没入感を重視した本作はゲーム開始からエンディングまでカメラは一切途切れず、ロード時間無しに全てのシーンをシームレスにプレイ可能。一般的なゲームのユーザーインターフェースのデザインとは異なり、ゲームプレイに関わる様々な情報等は、キャラクターが操作する端末や腕に巻かれた機器を通して提供される。
グラフィックレベルが高いため、没入感があります。全肯定は出来ないですが、個人的には+に働いている部分が大きいように感じました。
映画のキャラだったら真っ先に死ぬタイプだね!
『遊星からの物体X』なんかが好きな僕としては、先が読めない中での探索は楽しかったですね。ポスターも映画ネタが多いので、映画を強く意識しているであろうゲームでもあります。
よく見ると画面に傷が入っており、光の反射もリアルそのもの。PS5レベルのグラフィックだと思います。
選択によって展開が変化する……????
決断するのはあなた自身
外では嵐が吹き荒れる火星の基地。光の消えた不気味な施設内を探索し、残された音声、映像や記録を閲覧し、事件の前後に一体何が起きたのかを調査していく中で、プレイヤーの選択や行動が、物語の展開と結末を変えていく。
誰がこの説明文の日本語↑↑を作成したのかは知らないですが、情報の編集・発信で生活している僕としては、物語の展開と結末を変えていく。 という表現に大きな疑問を感じています。
物語を導くのはあなた自身 あなたの行動でナラティブ(直訳すると物語)が変わる→????
この【あなたの行動】の基準が分かりませんでした。
例えば、主人公が襲われる際のQTEを全成功or全失敗しても、展開が変わらないんです……。唯一変化が分かったのは、エンディングの一部分のみ。そのエンディングも2つしかないようなので、このパッケージ版の表記は、(発売日にゲームをプレイしてレビューする生活を何年もしている僕の考えからすると)景品表示法……とは言わないまでも、それは違うんちゃう?? とキレ気味でクレームを入れたくなる印象です。
少なくとも、選択によって展開が変わるゲームとして、僕は本作のおすすめは絶対に出来ません。
気になる点も多い
かなり簡易的なので分かりにくい。これ以上の拡大は不可
地図がわかりにくい。没入感を深める・ゲームの特徴を押し出す、という面を考慮しても個人的には見にくかったので、結局は見て覚えた感じですね。どこに行けば良いのかがわからなくなることが多いかもしれません。
QTEの入力速度がシビア。失敗したのが嫌だったので何回か他の場面も含めてやり直したのですが、ほぼ展開が変わらず……。何のためのQTEなのかプレイする側としては分からないのも本作の特徴です。
例えば進行ルートの梯子を登った後、梯子を戻れなかったりする。オートセーブが入るともう最初からプレイしないと戻れない。取り返しがつかないと言い換えても良い。
画面はA(アダム).ホスキンス で表示されているが、字幕はアダム:ワイアットと~
日本語音声なし字幕ありだが、ファーストネームで字幕は表示されるけど、ファイルとかはラストネームで表示される。これもあって、キャラがわかりにくいので、ストーリーもわかりにくいかも。
ゲームボリュームが少なすぎる。
小ネタ・その他
トイレはきれいですが、ウォシュレットがないのは気になりました。
イーサン……
ジェシカは鼻ピアスしてますね。
火星が舞台とのことで、ちょいちょいスペースワールドを思い出しますね……。今になって思うのは、スペースワールドって結構宇宙っぽい空間の再現が出来てたんやな、と。
トロフィーも多め。UIを排除していますが、ゲームを楽しんでほしい! という意図はトロフィーの多さから伝わる点は好きでした。
『ラストオブアス』で3回くらい引っ張って発電するやつと同じQTE↑↑ 本作は扉を開きます
クリア時間・クリア後
クリア時間は4~5時間でしょうか……ものすごく短いです。クリア後は特になし。収集物に応じて、『バイオハザードRE◯』みたいに閲覧することが可能です。
これらの説明が欲しかった
攻略情報
通しプレイの動画
どこに行けば良いのかわからん! って人などにおすすめ
レベル3~5のキーカードですが、5が手に入ってから3~5を探索すれば良いと思います。
パスコード
0807 部屋の中に数字があったと思います
ヘレンの部屋のコード:0721 ヘレンの音声ログだったと思います。→音声記録でヘレンの03.10.2080
情報ありがとうございました!★
ネタバレ
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ストーリー
基地内で殺人を犯していたのはワイアット(医者)。ジャックもボコられて、軽く監禁されます。
通信が途切れたジャックを見かねて、ジェシカが救出に行くも、ワイアットがお出迎え。最初のやり取りだけで互いに敵だと認識する間の演技は面白かったですね。ジェシカはなんとかワイアットから逃げて、基地内でジャックを探すことに。
監視カメラにはワイアットの凶行の数々が……
閉鎖空間・限られた人間関係・隊員に見られる放射線中毒などの影響などがあったことが分かります。特にヘレンとワイアットは相容れないことが記されており、上はワイアットを停職処分にしたとのこと。さらには、ヘレンが行っていた研究(フロンティア計画?)が成功に近いようなレポートがあり、、、
ジェシカはジャックを発見すると、ワイアットも登場。(娘たちには自分が偉業を成す人間のように伝えていたと思われる)プライドの高いワイアットは、停職処分とヘレンによって全て奪われたと感じていたとのこと。また、放射線中毒の拡散を食い止めるためにも義務として殺人することに。
僕がプレイした限りだと詳細がわからなかったので、ファイルや前後の会話からこんな風に察した、という感じ。
一悶着の末、ジェシカは自分を犠牲にワイアットからジャックを逃すが……(その後は描かれてない)
追ってきたワイアットとタイマンでバトルをするジャックだが、車のドアで腕を挟まれて絶叫するなどボコられて絶体絶命の状況に……。このボコられる時のQTEが全成功or全失敗でもこの展開に至るのは本当に残念でした。
ワイアットはジェシカが通報した中央管理局が派遣した人に射殺されて、おしまい。
エンドロールでは、ワイアットの苦しみが……。なんで焦点を当てるのがジャックやジェシカじゃなくてワイアットなのか、僕にはピンと来ませんでした。
エンディング全種
複数のAll endingの動画を調べましたが、帰納的な結論としては2種のようです。駐車場に逃げるところでダラダラしてるとやられるってだけですね……。
たったこれだけで、物語を導くのはあなた自身 と謳うのは……(違ってたらすみません)
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まとめ
探索する面白さ、没入感が深まるグラフィックやUI排除の工夫などは素晴らしい作品で、『アンチャーテッド』などを超える真のプレイする映画だと言えるのではないでしょうか。
ただ、移動してインタラクトするだけ、QTEの成否含めて展開が変わらない、致命的なボリューム不足などはデメリットだと思うので、人によって評価が分かれる作品だと考えます。
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