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『結婚できない男』の特徴を桑野信介の名言から証明していく【13年も不変】

日常エッセイ映画・アニメ

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【2024年10月18日 追記・更新】

ドラマ『結婚できない男』を見ていると、結婚できない男の特徴・条件がここ13年で変化がないことに気付いた。続編『まだ結婚できない男』の前に、ドラマの内容を踏まえて振り返っていく。

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就職できずに当時薬学生だった彼女のヒモを経て、ブロガーに(15年の交際を経て結婚!)。エンタメ分野のレビュー、感謝を綴ったエッセイが好評。当時の内容を綴ったノンフィクション小説「薬剤師国家試験に落ちた彼女を、僕は隣で見ていた」が電子書籍化しました!

はじめに

この10年……平成から令和へ変わり、世の中は異なる価値観に対して寛容になり、生き方も比較的選べるようになった。男女の性の在り方などもその一つだ。婚活、マッチングアプリ、LGBTなどの言葉は、当時は聞き覚えがなかったのではないだろうか。

TVドラマには、社会を反映するような側面がある。少なくとも、1クールに1作品はそういったものが存在する。なので、大げさに言えば、時代を映すメディアと言ってもいいかもしれない。

『結婚できない男』は2006年の作品だ。つまり、2006年以前に「結婚できない人の条件」なるものがあり、それを制作側が感じていたから、桑野信介という男が誕生したに他ならない。

つまり、結婚できないなこりゃ……という特徴が、13年以上~今現在も変わらないことを意味する。

さらに言えば、このドラマは現在もなお、圧倒的に面白い。何度見ても面白い。ここ数年、アマゾンプライムで観た作品の中でも、一二を争うほど僕は好きだ。OPのちょちょ〜っ……もう何回聞いたかわからない……ELT/スイミー

そこで、桑野信介という人物から、結婚できない男の特徴を振り返ってみた。敬称略。

桑野信介(阿部寛)とは

1966年7月4日生まれ(第1話で40歳の誕生日を迎える)、独身。

職業:建築家。

性格:偏屈。

趣味:クラシック音楽鑑賞。金田のブログチェック。レンタルDVD鑑賞

ドラマ『結婚できない男』の概要

神様がこの世に男と女を創り、悪魔がそれを夫婦にする…。 ”恋愛も結婚も自分には必要ない!”と言いつつも、心の底では寂しさを感じながら自分のライフスタイルを貫いていた偏屈な主人公・桑野信介。 ある出会いを通じて、自分にとってどんな結婚が幸せなのかを模索していく姿を切なくもコミカルに描く。

引用:https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B01K2Q6XCU

結婚できない男の特徴

結婚のデメリットを人に向かって強調する

キッチンを中心とした家造りの話の流れでの発言。

「旦那は、妻と子供と家のローンという人生の三大不良債権を背負うハメになる」1話

「人が金持ちかどうかはな、収入の額じゃない。自分で自由に使える額、いわゆる可処分所得がいくらあるかで決まるんだ」3話

結婚生活の収支面だけに焦点を当てるのならば、おそらくこれらの発言は間違ってはいない。おそらく。独身ならば自分自身で金を使えるが、結婚すれば嫁と子供に食いつぶされる、と桑野信介は考えている。

妹の圭子の結婚生活の話の流れで「結婚する時、いくら仕事が忙しくても月に1度は家族でお出かけするって条件をつけたのね」と明かされた時の発言。

「日米和親条約なみの不平等条約だな……独身で良かった」4話

ちなみに、日米和親条約とは
嘉永7年3月3日(1854年3月31日)に江戸幕府とアメリカ合衆国が締結した条約である。 神奈川条約とも呼ぶ。

引用:日米和親条約 – Wikipedia

病気をして倒れた時、家事をしてくれる奥さんがいてくれればねえと言われて

「家事をさせるなら家政婦を雇えば済む話だ」 5話

当時、家政婦(家事サービス)を雇う発想は、今ほど普及していなかったはずだ。しかし、桑野信介にとって家は、人に侵されたくない【聖域】である。

「親戚付き合いが単純計算で倍に増えるんだ」7話

親と同居の話の流れで。結婚と恋愛の最大の違いは、家族が増えるということ。浮気と不倫の違いにも通ずるが、結婚は契約が発生するのだ。極めて煩わしい親戚に絡まれて育った人からすれば、これが結婚したくない理由にもなり得るだろう。

デリカシーが全くない

以前、結婚を考えていたカレがいたという女医の夏美(夏川結衣)。それから恋愛をしておらず、そのことを「車庫に入ったまま」と例えた。その発言に対し、

「もう錆びついて動かなくなってるかもしれないぞ」2話

さらには、

「だって四捨五入して(夏美の年齢は)40だろ。車に例えるとか言うからさあ」

取り返しがつかない空気になり、夏美は部屋を後にする。謝罪のために後を追い、最終的なフォローが

「歳より若く見えます」

さらに、レンタルビデオ屋で夏美におすすめした映画が、ズレすぎ。この一連の流れは、女心への理解が乏しい・女性視点に欠けているという表現である。それにしても、空気が凍りつく演出は見事である。

家賃が払えずにスナックでバイトするみちる(国仲涼子)。我慢してやってると言うみちるに金一封を差し出して

「困ってんの……見たくないから」3話

という優しさを見せたかと思いきや

「客も我慢してんだろ。もっと若くてさ、客も女子大生みたいなのが良いのにさ」

「その金を受け取れば、お客も君も我慢しなくて済むんだろ。それがさ、世の為人の為って言うかさ……こっちも良いことして気持ちいいしね。実にいい有効な使い道だ」

結果……

「よくもそんなひどいことを!! 人を馬鹿にして楽しいですか?!」

お金を叩きつけて、扉を閉めるみちる。

これはおそらく、大金を借りるというみちる行為の心理的負担を和らげたいがために、結局は自分が貸したいから貸してあげてるだけだよ、と思わせる桑野なりのフォローではないかと考えている。困っている姿を見たくないから、でとどめておけば良かった。

はとバスガイドのお姉さんが一生懸命説明してるのに独自の説明を始め、結局バスガイドを泣かせてしまう。それを夏美に「あなたがペラッペラペラッペラ喋るからでしょ」とツッコまれ、皆の前で

「この人ね、一人でバスに乗ってたんですよ! 食べ物とか飲み物とかガッサリ買って」4話

と発言。

「自分だって一人だったでしょ!」と夏美に言われるも

「一人の意味が違う。僕は自己啓発の一環で乗ってんです。あなたは単に一人寂しく乗ったんでしょう」

「あなたというとロクなことがない! 最低の休日!」

夏美、はとバスツアーから離脱。

20代の女性との交際(実際はしていない)を夏美に冷やかされて

「若い子は素直でかわいいですよ。人が言うことにいちいちチャチャ入れたりしないし」9話

「あなたも70くらいのじいさんからすると素直で可愛いのかもしれませんよ」

また、夏美がお見合いに失敗したと聞いて

「断られてもしょうがないですよ。まあ、初めてのお見合いの相手に断られたのは、そりゃダメージかもしれませんが、これからも何度もあることかもしれないじゃないですか?」

夏美からお見合い相手を断ったのに、夏美が断られたと勝手に断定。フォローするつもりが相手をけなす。

夫婦が家の購入に際し、奥さんが仕事を続けるか主婦になるか揉めており、相談を受ける。その時の発言。

「(旦那さんは)あなたに家にいてほしいんですよ」10話

「今の職場で、こんなに求めてくれる人がいますか? 必要とされるとこにいた方が良いでしょ。いてもいなくても同じようなところにいるよりは」

それを聞いた奥さんは怒りで震えながら

「私が能無しだって言うんですか! 家事でもしてろって言うんですか」
涙ぐみ、その場を去る。夫婦喧嘩の仲裁に入ったつもりが、余計に火を付ける。

みちるのストーカーに忠告する様に夏美に言われて

「あなたは人の世話を焼いていれば、そりゃ、自分の寂しさが紛らわせるから良いかもしれませんけどね、付き合わされるこっちの身にもなってほしい」11話

桑野信介の中で一貫しているのは、アラフォー独身女性=寂しい女という絶対的な構図である。

一人◯◯を極める

一人花火、一人焼肉、一人金魚すくい、一人バスツアーなど、ドラマ内では様々なお一人様を楽しんでいる。しかし、これらは実際のところ難しくなかったりする(僕も少し経験あり)。

一人巻き寿司、一人人生ゲームに至っては、やや特殊ではあるものの、家の中なので楽勝だ。

ただ、一人ビアガーデンはさすがに難しい。

食にこだわる

一人で入った焼肉屋で、メニューを見ての発言。

「これ、ハーフサイズとかないの?」2話

この発言を聞くと、時代は変わったなあ……としみじみ思う。お一人様用の焼肉レストランなど当時は全くと言っていいほどなかった。現在は、都心にオープンしまくっている。

ただ、桑野信介の焼肉観には疑問が残る。あの歳で、特上霜降り~を気に入るのはどうなのかなあ、と。霜降りを否定するわけではないが、赤身とのバランスが大切である。また、肉の育て方も、「焦がさないように~」と言っていたが、片面は軽~く焦がして裏面はさっと炙るくらいが美味しいんじゃないかと個人的に思う。

夏美に野菜を食べるように忠告されて

「食べたいときに食べたいものを食べる。それで早死にするんだったら本望でしょ」2話

お好み焼き屋で具材をかき混ぜる夏美に

「お聞きしますが、それはどういう趣旨でかき混ぜていますか?」6話

お好み焼きは、キャベツの水分量を調整するために、空気を含ませることが重要なのはわかる。

ただ、一枚1500円を超えるような高級食材を扱う店舗ならばこの発言は理解できるが、ドラマで登場したお店は大衆店である。そして、マヨネーズを

「邪道です」

と言い切るのは謎だ。一味唐辛子を加えたマヨネーズは必須だと考える。

仕事を途中で投げ出せない自身の性について

「俺はな、そうめん茹ではじめてから生姜がないことに気づいたら買いに行かなきゃ気が済まないタチなんだ。しかもチューブの生姜じゃダメなんだ」5話

こだわりが強く、自分を変えられないことを示す発言である。

ドラマを振り返って思うこと

「年収1000万円以上」を希望する女性も変わらずに存在し続ける

婚活という言葉が一般的になった。平均年収は下がり、夫婦間の専業主婦の割合も以前より減ったと思う。

そんな時代で、希望年収1000万円を希望する人をバカにする人も多いと思うが、単純に無知なだけだろう。年商ならともかく、年収1000万円を超える人が親しい間柄にいるならば、ある種の苦労・犠牲を伴っていることを理解するのが当たり前だからだ。それを知っていれば、「年収1000万円以上が希望です」という発言を、公の場でする必要もないことを理解すると僕は考えている。

「平均年収が600万超えるのは40歳過ぎてからだ。1000万の男と結婚したいなら、奥さんに先立たれた50男でも探すんだな」6話

桑野信介のこの発言も、今では批判よりも共感の方が大きいだろう。この時の平均年収は440万円。現在はさらに下がっている。

また、妹が言った「独身の人がペット飼うとますます結婚から遠のくって言うもんね」8話

これも今と昔で全く変わらないと思う。むしろ、犬や猫は当時より生活に根付いてきたような気もする。

非現実的なところも

まず、放送時間帯の問題もあるが、性に関してほとんど描かれていない。レンタルビデオのAVコーナーに入ろうとするも、大工の棟梁を発見して引き返す……ってくらい。

だがあの時代は、レンタルビデオ店のAVコーナーを自由に行き来する猛者が学年に一人はいたものだ。それは小学校かもしれないし、高校かもしれない。

20代はともかく、30代になれば元気がなくなって興味を失うか、レベルアップしていくの二極化する。そして、桑野信介が枯れたようには見えない。なので、やや非現実的に映る。

個人的な出来事で言えば、好きなAV女優がDMMやAmazonから消えてパニックになった。

また、桑野信介は仕事で才能を発揮しており、常に周りに人がいる。しかも、美女ばかり。40代になっても魅力的なルックスもある。

実際は逆で、人生が上手くいかず、ルックスも、、、という人の方が一般的だろう。

何より、家族と仲が良い点も疑問だ。家族と仲が良い人は、もれなく結婚している印象がある。現実は、家族と関係破綻している人の方が多いんじゃないかな。

「テレビで、アシカの夫婦が揃って芸をやってる」という母親からの電話してくる場面がある。この時、桑野は電話を取り、母にわざわざ話を合わせる。現実で、こんなことで電話してくる母の電話なんか取る人は少ないだろう。

あとは、あれだけ高い家賃のマンションなのに、防音がガバガバなのもおかしい(レオパ●ス状態)。個人的には、某建築士を思い出す。

「あなたがプロの建築家なら私はプロの医者です! 仕事させてください……」5話

と言って、夏美がベランダから部屋に侵入する描写がある。女医とは言え、距離感が怖すぎる……と思うのは僕だけだろうか。着信拒否後に、病院を変えるレベルだ。

個人的に好きなセリフ

神宮の花火大会においての場所取りの話。場所取りをみちるに任せたという夏美に対し、

「あの子に任せて大丈夫とは思えないな」4話

人のことを悪く言うなと言われて、

「客観的事実を言ってるんですよ」

という桑野。みちるの計画能力を考えれば、下見に行ったわけでもなく、ネットで検索して上位の記事を見ただけに過ぎないとわかるからだ。Googleの検索で上に来る=必ずしも求めている記事とは限らない。情報には鮮度が付き物で、更新日だって重要。何を信用して何を信用すべきでないのか、といった物事を見極める眼というのは経験が必須である。

そういった事柄を踏まえて、花火大会の予定を立てることの難しさを知っているからこその発言だ。人混みが大嫌いなので共感しかない。

ネクタイの結び方がわからず検索。7話 これは本当に大変だった。友人代表スピーチをした際に実感。

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「ユニークと奇抜の定義の違いを教えていただけますか? 抽象論より 具体的に言ってもらったほうがありがたいんですが」1話

定義・抽象・具体。僕はこれに加えて、相対的という言葉を頻繁に使う。

お腹が痛くてうずくまっているところに「具合でも悪いんですか……?」とみちるに聞かれ、

「良いように見えますか?」1話

(誰が好き好んでうずくまるヤツがいるんだよ、最初の質問は救急車呼びましょうか? が最適やろ)

と思っているのではないだろうか。

コンビニ店員に向かって

「スプーンも箸も要りませんし、ポイントカードもありません」3話

いちいち質問の応答するのが面倒なのだ。なので、こちらの意図を理解してくれる人を好きになる。

常識とうんちく

「常識通りに生きるなんて誰でも出来ますよ。たとえ常識から外れても自分を貫き通すことに価値があると思いますけどね」 6話

本当に名言っぽい発言。

金田の名言も

実生活が見えず、いつもバーで女を口説いている建築家の金田(高知東生)。いつものバーでマスターに語りかけるところで、

「金で愛を買うなんて良くないことだって普通言うじゃない。……愛を買う。一番素敵な金の使い方だと思うんだよな」3話

この発言、当時は共感出来なかったが、現在は僕もそう思う(ちなみに、デヴィ夫人も言っています)。

そもそも、愛と金を天秤にかけて結婚相手を考えるようなことはおかしい。SEXが先にくる恋愛があるように、お金が先にくる恋愛もあって良いと解釈している。それに、お金=精神安定剤であることは変わりない。限界まで貧乏を経験した結果、僕はそう考えるようになった。

それにしても、金田は大して仕事もせずに、肩書きだけは立派、親の金だけで生活……女を口説くことだけにエネルギーを注ぐという。当時はわからなかった羨望の気持ち。高校生の時から婚活をしていた身分としては、モテるって大切、モテ続けることの重要性を感じる。

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「まだ結婚できない男」で期待する発言・展開

www.ktv.jp

桑野信介の言葉には真実がある 。確かにひねくれてはいるが、ある視点からすれば的を得ているのも事実。「言い方ってモンがあるやろ!」と視聴者にツッコませるから面白いのだ。個人的に期待している発言は

  • 「年金制度は~」
  • 「老後の貯蓄は~」
  • 「生活保護は現代の~」
  • 「これから生まれてくる子供は~」
  • 「SNSは~」

みたいな社会の側面。桑野信介が社会に希望を感じて生きているとは考えにくいので、バッサリいってほしい。あとは、深夜版というか、性についても語ってほしいものである。

映画版『まだまだ結婚できない男』として描かれても面白い。阿部寛さんならば可能だ。

そして、僕が個人的に最も難しいと考えている「一人ナイトプール」。これを実践してほしい。想像でしかないが、かなりの難易度になるだろう。自己啓発と称して桑野信介には行ってほしいものだ。

個人的に思うのは、恋愛→結婚→出産という流れが確かにあったが、これら一つ一つが切り離されてきたこと。しかし結局は、一対一のコミュニケーションに行き着くことも変わりがない。その辺りも、ズバッと言ってほしいものである。

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僕もついに結婚しました(小声)

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