【2017年12月29日追記】
2017年に完結した漫画の中で、個人的におすすめの面白い作品を集めました。今年は好きな作品が多かったことが、この記事を書くに至った理由です。
画像は主にサンプルから引用しています。
それでも町は廻っている/石黒正数
人情あふれる丸子商店に存在するメイド喫茶(カフェではない)「シーサイド」。ありふれた町のちょっとおかしなメイド喫茶を舞台に繰り広げられるドタバタ活劇!
日常漫画の代表作と言っても良いと思います。
天真爛漫で探偵志望の主人公:嵐山歩鳥(画像右上)を中心に、人情味溢れる下町の人々との日常を描いています。登場人物の存在を身近に感じるだけでなく、ストレスなく読むことが出来る作品です。
ただ、決してそれだけではありません。読み返せば読み返すほど、新たな発見があります。と言うのも、設定が細かく、さりげない伏線が随所に散りばめられているんです。その全てを収録した「公式ガイドブック廻覧板」には石黒正数先生のこだわりや小ネタも書いており、一時は入手困難になったほど。
完結後には、愛おしさと寂しさがありました。漫画は終わりましたが、それでも町は廻っているんだよな。。。と余韻に浸ったのは僕だけではないはず。何度も読める作品です。
恋は光/秋★枝
「恋の光」が視えてしまう大学生・西条は、恋を探求する女の子・東雲に恋をした──。視えるからこそ切なくて苦しい。今までにないラブストーリーが始まる。
高校生の女心を学ぶなら「君に届け/椎名軽穂」、大学生ならば間違いなく「恋は光/秋★枝」をおすすめします。「恋の光」に関する謎を探す過程で、男一人(画像下)と女性三人の恋愛観を覗いていくような話です。特に、男女間における「恋愛」と「友情」の違いを学べる作品だと思います。
女性三人のキャラが「こういう人いるよね~」と思わせる性格に設定されていることがポイントです。人の男を奪うことに快感を覚える女性、友人関係を装い近くに居続ける女性、周囲に一切流されず自分だけの世界を持つ女性(画像上)……各々に感情移入できるように配慮していることが伝わります。
個人的には、「主人公の西条がクラスの女子全員に無視された」というところで深く共感し、ハマってしまいました(経験あり)。
君に届け/椎名軽穂
陰気な見た目のせいで怖がられたり謝られたりしちゃう爽子。爽子に分けへだてなく接してくれる風早に憧れている。風早の言葉をきっかけに変わっていけるみたい…。夏休み前、爽子は肝試しでお化け役をやることに!?
王道であり覇道でもある、日本を代表する少女漫画です。
個人的には、12巻が本当に好きで好きで。以下、ネタバレになりますが、、、
無事に付き合い始めた二人の気持ちが強くなる巻が12巻です。主人公の爽子が自分から手を繋ごうとする描写。そして、風早くんを両親に紹介する流れ。恋人の両親とのファーストコンタクトが本当に素晴らしいんです。。。自分もあーゆー風に挨拶出来ていればなあ。。。と甘酸っぱい気持ちになります。
終わり方も非常に美しく、心地よいハッピーエンドでした。
逃げるは恥だが役に立つ/海野つなみ
森山みくり(25歳)、彼氏なし。院卒だけど内定ゼロ、派遣社員になるも派遣切り、ただいま求職中。見かねた父親のはからいで、独身の会社員・津崎平匡(36歳)の家事代行として週1で働き始める。両者ともに快適な関係を築いたふたりだが、みくりが実家の事情から辞めることに。現状を維持したい彼らが出した結論は、就職としての結婚――契約結婚だった! ひとつ屋根の下、秘密と妄想(?)の生活が始まる……!
社会現象にもなったドラマ、逃げ恥の原作です。
原作が面白いからドラマ化したのは間違いないのですが、、、ドラマの方がおすすめでしょうか。忠実に、そして上手に表現していると思えたからです。
なので、ドラマ→漫画だと淡白に思えてしまうかもしれません。ガッキーが就活して内定0ってところがまあアレですが、それさえ受け入れてしまえば。
サポルト! 木更津女子サポ応援記/高田桂
寂れた駅前、荒ぶるDQN… 冴えない地元が好きになれない女子高生、室町花子はある日、ひょんなことからクラスの問題児・佐橋風夏に自転車ごと連れ去られる。 辿り着いた先は…サッカースタジアム!?
昔は子供会があって、今ではご近所付き合いも皆無。そんなマンション暮らしの僕からすれば、読み進める中でどこか懐かしさを感じていました。その理由は、スタジアムの存在が、「人が集まる場所」になっていたからです。
どの分野でも同じですが、盛り上がるためにはマニアもニワカも必要です。そのあたりも含めて、丁寧に描かれています。
サッカーとは一見関係のない女子高生が、「冴えない」と思っていた地元の魅力に気付いていく、そんな素敵な物語です。もう少し続きが見たかった。。。
BLUE GIANT/石塚真一
ジャズに心打たれた高校3年生の宮本大は、川原でサックスを独り吹き続けている。雨の日も猛暑の日も毎日毎晩、何年も。
「世界一のジャズプレーヤーになる…!!」
努力、才能、信念、環境、運…何が必要なのか。無謀とも言える目標に、真摯に正面から向かい合う物語は仙台、広瀬川から始まる。
夢を叶える物語なら今までにもたくさんありました。言ってしまえば、この漫画もその一つです。ただ、巻末にある「ボーナストラック」が素晴らしいんです。「あの時の宮本大は~だった」と、関わった人々が巻末で語ります。これがあることで、ぐぐぐっと物語の中へ引き寄せられるのが大きな特徴です。
僕の持論ですが、ジャズって人間臭いんですよね。LIVEに行けばそれはより明確になります。ゆえに、石塚先生の絵のタッチとこれ以上ないほどの相性の良さを感じます。
現在連載中のSUPREMEは海外編です。なので、まずは国内編からおすすめします。
FAIRY TAIL/真島ヒロ
“魔導士(まどうし)ギルド”……それは魔導士たちに、探し物から魔物討伐まで、いろんな仕事を仲介してくれるトコロ! 一人前の魔導士を目指す少女・ルーシィは、火を操る魔導士・ナツと出会い、彼のギルドに誘われる。なんと、そこはルーシィの憧れ“妖精の尻尾(フェアリーテイル)”だった!! なんでもヤリすぎ! 魔法界一のお騒がせ集団が巻き起こすめちゃおもしろ冒険ファンタジー!
累計発行部数は、全世界で6000万部以上。また、2018年にはアニメファイナルシリーズが放送決定しています。
冒険ファンタジーという点、キャラや講座なども含めて、ワンピース(尾田栄一郎)とよく比較される作品でもあります。個人的には、女の子の描き分けが好きです。また、伏線とその回収で読者に衝撃を与えた作品でもあります。
真島ヒロ先生は、とにかく原稿を落とさない漫画家で有名です。週刊なのに、、、前作の「RAVE」も全35巻ですし、、、つまり、超人です。
To LOVEる―とらぶる―ダークネス/矢吹健太朗,長谷見沙貴
リトのトラブルな日常が帰ってきた。ララの双子の妹・モモとナナが彩南高校に転入。モモは、「ハーレムを創る」という怪しい計画を練り、リトを肉食男子に変身させようとするが……!? 更には、謎の敵がリトを襲撃して!?
漫画界を代表するハーレム作品と言ってもいいと思います!
あとは、カラー版を強くおすすめします! 理由は、「とにかくすごい」からです(画像の掲載出来なかった理由の一つ)。女の子をその角度から描く⁉︎ と何度も思いました。
ゲレクシス/古谷実
バウムクーヘン職人・大西たつみは四十路にして初恋に落ちる。だが、その恋の行方は、文字通り迷宮入りに。次々に大西に降りかかる説明不可能な不自然現象。翻弄に次ぐ翻弄で、もはや大西は人とは呼べない存在に。この迷宮から無事に帰還し、再びバウムを焼ける日は戻ってくるのか。
根強いファンが多い古谷実先生の作品です。
古谷作品の共通点と言えば、冴えない男性が、容姿端麗な女性に惚れられるという設定でしょうか。しかし、今作は……! ぜひ読んでみて欲しいと思います。
ただ、わからないのが「打ち切り」なのか「完結」なのか、、、読んでもみてもやっぱりわからない。なんとも不思議な作品です。
僕だけがいない街/三部けい
毎日を懊悩して暮らす青年漫画家の藤沼。ただ彼には、彼にしか起きない特別な症状を持ち合わせていた。それは…時間が巻き戻るということ! この現象、藤沼にもたらすものは輝く未来? それとも…。
2つの時代をタイムリープしながら殺人事件の真相を追求していく――そんなミステリーが話の大筋です。
過去に戻れたら、、、と考えた事がある人は多いと思います。しかし、過去に戻ったからと言って物事が上手くいくことなんてないと思うんです。そのあたりの代償の表現が現実的で、とても秀逸だと思います。
また、殺人事件の真犯人が出来上がるまでの過程(人生)が練り上げられている点も物語への没入感を深めています。この作品のテーマは「心の足りない部分を何で満たすか」です。その手段が異なる二人(主人公と真犯人)の対比が本当に見事です。
また、それを踏まえた上で、表情やセリフの変化が素晴らしいと思います。画像はサンプルから引用しましたが、最終巻のそれとは大きく異なるので、その点も注目ポイントです。
先生の白い嘘/鳥飼茜
原美鈴は24歳の高校教師。生徒を教師の高みから観察する平穏な毎日は、友人・美奈子の婚約者、早藤の登場により揺らぎ始める。二人の間に、いったい何があったのか?――男と女の間に横たわる性の不平等をえぐる問題作、登場!
この作品はレイプを題材にしています。
僕は現実でレイプ被害者の方と関わったことはない……と思います。ただ、性犯罪被害にあうということ(著者:小林美佳)という本を読んだこともあり、リアリティを感じて、目が離せなくなってしまいました。
描くのが難しいからこそ、鳥飼先生と編集者の工夫が伝わってくるような作品です。
男に支配される恐怖を描写、その日から全てが壊れてしまったという心境が何度も描かれています。目を背けてしまいたくなるかもしれませんが、非常に大切なことを学べる作品だと思います。
おはよう、いばら姫/森野萌
「丘の上のおばけ屋敷」と噂のある空澤家でワケあって家政夫バイト中の高校生・美郷 哲。ある日、本邸の離れで暮らす謎の少女・空澤志津と出会い、どこか寂しげな笑顔に惹かれていく哲だが、再び会った時の彼女はまるで別人のように様子が豹変していて……?
主人公が多重人格の話ですが、この漫画の特徴は周囲の人間を通して主人公が成長していく過程にあると思っています。
人生って色々ありますよね。その色々の部分がこの作品では「深刻な問題」を指す場合が多いんです。しかし、それでも前向きで一生懸命な主人公が、周囲の人たちの影響によって成長していく過程が読者の感情を揺さぶります。キャラクター一人ひとりの変化を丁寧に描いているので、感情移入しながら涙を流してしまう読者も多かったのではないでしょうか。
読後感は心温まりますし、余韻が残ります。また、「おはよう」という言葉の意味を再認識することでしょう。読者の日常に還元されていくような、ハートウォーミングな物語です。
嘘喰い/迫稔雄
遊ぶ金欲しさに闇金に手を出し、取立てに追われる青年・梶くんの前に現れた謎の男・斑目貘。自らギャンブラーと名乗り、借金返済を手伝うと豪語する貘は、闇カジノへと乗り込むが…!?
ギャンブル&頭脳戦と言えばこの作品でしょう! ギャンブルに纏る暴力や権力の部分もしっかりと描写しているので、漫画ではあるもののリアリティを感じることが出来た作品です(それが人気へつながっていたと思います)。
主人公の獏はカリ梅をいつも食べているのですが、それが見られなくなるのは寂しい限りです。個人的には伽羅さんが、、、残念でした。。。
監獄学園/平本アキラ
女子1000人:男子5人!! その学園は男(ヤロウ)共にとって天国か地獄か。誰も見たことがない牢獄高校(ハイスクール)コメディ始業!! 伝統ある全寮制の女子高・私立八光(はちみつ)学園。このお嬢様学校が本年度から男子を入学させることとなった。しかし入ってきた男子はたったの5人。そのうちの一人、清志(キヨシ)は女だらけの環境に胸躍らせていた。その先に驚愕の未来が待っているとは知らずに……。
アニメ化や実写化もしています(メディアミックス=面白い)。正統派の千代ちゃん、爆乳の副会長、乳首チラの杏子、放尿系女子の花ちゃん、SM女王を志すリサ、ネット配信のガウ☆ガウさんなど、各々のキャラが非常に立っています。
読者を(下ネタで)楽しませたい!という、平本アキラ先生の真剣な想いが伝わってくる作品です。
こちらのアプリでも読めます↑↑※1日に無料で読める話数には上限があります。
最後に
お疲れ様でした!!
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