【2023年11月6日 追記・更新】
2019年9月20日に発売されたPS4/Switch『二ノ国 白き聖灰の女王 REMASTERED』をクリアした感想・評価です。ちなみに、リマスター前のPS3版は未プレイです。核心を突くようなネタバレは避けています。また、『二ノ国2』と今作の比較もしています。
二ノ国 白き聖灰の女王 REMASTEREDとは
2011年11月17日に発売されたPlayStation 3用ゲームソフト『二ノ国 白き聖灰の女王』を、リマスターしたものになります。
対応機種:Nintendo Switch/PlayStation®4/PC
発売日:2019年9月20日(金)予定
CERO:A(全年齢対象)
企画・制作:株式会社レベルファイブ
海外発売:株式会社バンダイナムコエンターテインメント【スタッフ】
企画・シナリオ/総監督:日野 晃博
アニメーション作画:スタジオジブリ
音楽:久石 譲
リマスター版で変わったところ(公式HPより)
●グラフィックの向上 ※REMASTEREDのみ
『二ノ国 白き聖灰の女王 REMASTERED』(PS4/Steam)は、テクスチャに手が加えられ、質感・陰影などがより一層美しく表現されています。
さらにPS4 Pro、ハイエンドPCを用いることで、4Kグラフィックに対応。最新技術でリマスターされた二ノ国の世界をお楽しみいただけます。
●全ダウンロードコンテンツ収録
PS3版で配信されたクエストやレアアイテム、イマージェンチケット等の特別ダウンロードコンテンツをすべて本作に同梱!プロダクトコード特典だった「金色のルッチ」「金色のセバ」「金色のブロッケン」も収録!
●「イージーモード」搭載
PS3『二ノ国 白き聖灰の女王オールインワン・エディション』で搭載された「イージーモード」ももちろん搭載!初心者にも無理なく遊べる設定で、よりストーリーを楽しみたい方にもオススメです。また、ゲームを進行している途中でも、難易度をいつでも変更することが出来ます。
エンディングのスクショ
評価・感想
「心」を描くストーリーは素晴らしい
ある事故で最愛の母を亡くしてしまった少年オリバー。
そんな彼の前に現れたナミダの妖精シズクは、自分の住む「二ノ国」を脅かす存在「ジャボー」を倒せば母を救えるかもしれないと告げる。その話を聞いたオリバーは二ノ国に旅立つことを決意する。
オリバーを常に監視する灰の女王レイナス、行く先々に現れる謎の少女。2人の正体とは?そして、オリバーを待ち受ける強大な存在とは……?
一ノ国に住んでいたフツーの少年が、二ノ国と呼ばれるもう一つの世界を冒険することになります。
主人公のオリバーは、友人と遊んでいます。友人の夢は、自分で作った自動車(?)を動かすこと。そこで、オリバーを試運転に付き合わせることに。
この友人ですが、明らかに『魔女の宅急便』のトンボっぽいんです(声優さんも同じ山口勝平さん)。このゲームをプレイする上で、魔女の宅急便を見ていない人の方が少ないと思うので、この辺りは制作の狙い通り、面白かったですね笑。
しかし、トンボのせいでドエライことに……。自動車は川へ落ち、溺れたオリバーを助けに入ったオリバー母は死亡。。。
悲しみにくれていたオリバーの元に現れたのは、シズクという関西弁を喋る妖精。シズクいわく、一ノ国と二ノ国は陰と陽のように、人物が魂を共有し合って存在しているとのこと。
つまり、一ノ国のオリバー母は亡くなったけれど、二ノ国にいる【母と精神を共有している人】に会えば、一ノ国のオリバー母が助かるんじゃないかと。
大体このような流れで、オリバーは二ノ国へと旅立ちます。
しかし、二ノ国は、100年前から闇の魔導士によって魔法の力が独占されていました。さらに闇の魔導士は人から心の一部を奪い、国々の力を衰えさせているとも。
闇の魔導士の集団、世界の管理者を自称する評議会。ボスはもちろん、タイトルにもなっている女王。なぜか、オリバーのことを救世主と呼んでいます。
ギニュー特戦隊しかり、幻影旅団しかり、暁しかり、十二鬼月しかり……王道ですが、敵の精鋭部隊はやっぱり良いですね。
主人公オリバーは母を助けるために、二ノ国の世界をめぐり、冒険を通して成長。魔道士を倒すために、賢者と呼ばれた人の元を訪れて魔法を手に入れていきます。
果たしてオリバーは母を救い、二ノ国の救世主になれるのか……!! みたいな流れです。
ストーリーについてですが、ここまで読んでいただければわかるように、王道です。また、主人公とラスボスの意見が相違するように(世界を守るVS世界を正す)設定がしっかりしています。
その設定のキモが、一ノ国と二ノ国のつながって魂を共有し合っている、という点です。これを元に、様々な展開がなされます。
例えばですが、、、
一ノ国ではフツーの少年だったオリバーが、なぜ救世主と呼ばれるのか。実は、二ノ国では……みたいな。
トンボにしても、一ノ国では闇堕ちしていますが(オリバーに対する罪悪感など)、二ノ国で物を盗むネズミとして登場。心に問題を抱えていると、どちらの国でも素行不良がある、などです。主人公は一ノ国と二ノ国を行き来して、人の心を救っていきます。
また、仲間も同様です(左がジャイロ、中がオリバー、右がマル)。
出会ったときは、魔道士によって心の一部を奪われたヌケガラビトと呼ばれる存在なのですが、主人公がその状態を救うことで一緒に冒険することになります。
現実世界でも全く同じことが言えますが、心にダメージを負った時って、何かしら大きな出来事がありますよね。この作品でも同じで、心を奪われるまでのキャラの過程(悲しい過去など)をしっかりと描いているので、キャラへの感情移入・理解が捗ります。
これは敵側にも同じことが言えます。
心を描いたストーリー&設定が優秀なので、展開が読めないところには驚かされ、没入感もありました。なので、伏線が回収されていく様は本当に面白かったです。
こんな感じで、物語が導入されることもある
キャラ個別でクエストなどあるともっと良かったと思いますが、元は2011年の作品なので仕方ないかな、と。
バトルとエンカウントについて
引用:バトルシステム|二ノ国 白き聖灰の女王 for Nintendo Switch/二ノ国 白き聖灰の女王 REMASTERED
バトルフィールドを自由に動き回り、コマンドを選択します。バトル中は、イマージェンと呼ばれるモンスターかキャラを操作することになります。
一見この作品は初心者向きですが、バトルは慣れるまで難しいと言わざるを得ません。
まず、相対的に敵が強いです。レベル上げが不十分だと、すぐに全滅します。全滅をカウントしてくれる登場人物もいるので、もしかしたら死にゲーかもしれません。
今作は難易度イージーが実装されたものの、それでも、そこそこレベル上げをしないとスムーズな進行は難しいでしょう。
プレーヤーは操作キャラをその都度選んで行動を決められますが、その間、味方に細かく指示することが出来ないんです。なので、気付いたら死んでたとか、気付いたらMPが枯渇してた、みたいなことが頻繁に起こります。
特にマルは、HPが低い上にMPが消費が激しいのでこの傾向になりがちです。
レベルが高ければゴリ押しで進めることも出来ますが、そうでない場合は戦略的になる必要があります。ヒット・アンド・アウェイや、盾役を配置して敵の攻撃を集中させるなど。しかし、それもイマージェンがショボいと厳しい。
また、必殺技が非常に出にくい点も。敵が出す「ソウル」というアイテムを取得しないと、発動できないのですが、ソウルを出すザコ敵はほっとんどいません。ピンチになったからと言って出やすくなる訳でもなく。ボス戦でも出ないこともしばしば。
ちなみに序盤のボス戦では、距離をとってオリバーの魔法をぶつけるという戦略になりがちです。しかし、ソウルは敵から出るので近づかないと取れない。しかも時間が経てば消えるという。
中盤~終盤になればソウルを入手出来るようになりますが、その頃にはもっと強力な魔法やわざが手に入っていたりします。
なので、もうちょっと工夫がほしかったところです。
あとは、シンボルエンカウントが煩わしいですね。
これが、このゲーム最大のストレスでした。終盤になると敵避け出来るような魔法があるので問題ないのですが、序盤はとにかくエンカウントの連続。敵に気付かれれば猛ダッシュで寄ってくるので、避けることは出来ません。特にダンジョン内ではそれが顕著。
幸い、攻略サイトが充実しているので、MAPを確認しながら進むことをおすすめします(後で紹介)。
とにかく、序盤は非効率なバトル・望まないバトルを連続で強いられます。なかなか逃げられないのもストレスでした。
バトルが面白くなってきたのは、イマージェンが整えられてきてからです。
イマージェン(仲間になるモンスター)について
めんどくさいバトルですが、倒した敵(イマージェン)のほとんどを仲間に出来るという点はやりがいがあります。仲間にしたイマージェンは育成・進化させることで強力な戦力に、バトルの幅が一気に広がります。
物理攻撃役、魔法攻撃役、補助・回復役などの役割の他に、様々な種族も。妖怪ウォッチを生み出した企業なので、極めて多彩です。
比較的仲間になりやすく設定されており、ドラクエ5と比べるとすぐに仲間になります。この点は◎。
おすすめのイマージェンの記事↓↓
世界観と音楽は良い! ジブリっぽい
ジブリっぽいなあと思ったアニメーション。
過去にプレイした『テイルズオブヴェスペリア REMASTER』や『FINAL FANTASYⅧ Remastered』なんかでは、映像はほぼ移植でした。なので、ムービーの質が非常に荒く、その度に没入感が薄れた記憶があります。
しかし、二ノ国リマスターでは、映像はきれいでした。上記二作を考えても、映像を作り直すことは非常に手間がかかることがわかります。その点、さすがです……!!
大阪の道頓堀になぞらえた「ドートン森」。レベルファイブという日本の会社ならでは。漫才やら飛び込みやらはおなじみ。
こんなダンジョンも。
マグマが海に流れ出ているところ。やや白くなっているのは、熱で蒸発しているからです。このような作り込まれた自然の世界は見事です。
ちなみに、カジノもあります。
あとは、二ノ国2よりも、今回は久石譲さんの音楽が耳に残りました。メインテーマはもちろんですが、個人的に船の音楽が好き(曲名がわからない……)。
クエストは積極的にこなそう!
クエストは、大きく分けて3種類あります。
一つは、このアイテムがほしいというおつかい的なもの。もう一つは、敵を倒してほしいというもの。そしてもう一つ目が良かった。
それは、町の人の豊かな心の一部を分けてもらい、それを心が欠けたヌケガラビトと呼ばれる人に与えるもの。自信、愛、がまん、やさしさなど、複数の心があります。
ゲームをプレイして、自分もヌケガラビトやな……としみじみ思うのは僕だけではないはず。現実で欠けた心を取り戻すのは困難ですよね。
クエストを攻略すると、報酬とライセンス交換が出来ます。溜まったライセンスは、ツバクロ商会で交換出来ます。フィールドを少しだけ早く移動できたり、モンスターが仲間になりやすくなったりするので、冒険の手助けになるので、小まめにチェックしていくのがおすすめ。
クリア後は?
- カジノとパンドラリーグでランクS解放
- カジノで映像鑑賞が可能に
- 新しいクエストが追加される
- 金色イマージェンが出現
- マンホールからプレゼント「賢者の薬5個」「いやしのジュェル」「生命の雨ジュエル」「聖なる光ジュエル」「ジェムのイマージェンチケット」
- 各地のロボが復活したので倒してほしい、とのクエストも
このくらいでしょうか。まだあったら追記します。
クリア時間は?
クエストやパンドラリーグ(力試しのようなもの)をしっかりとこなして、38時間くらいでした。
難易度は最初はイージーでしたが、後にノーマルに変更。レベルを上げすぎてサイトー(イマージェン)が強くなりすぎてしまった点が反省点です。
この作品は、やりこみ要素が非常に豊富です。アイテムや武器は合成で作れるので、アイテム集めもやりこみ要素になります。もちろん、イマージェン集めもです。しかも、イマージェンは最終進化では2パターンあります。図鑑を完成させるとなると、そこそこ苦労しそう。検索すると、極限まで育てたデータを比較している猛者の方もいました(感謝です)。
声優一覧
オリバー:多部未華子
アリー:黒田知永子
シズク:古田新太
マル:長澤まさみ
ジャイロ:大泉洋
ニャンダール14世:八嶋智人
カウラ:渡辺えり
ブヒーデン:溝端淳平
ココル:芦田愛菜
灰の女王レイナス:比嘉愛未
ニコ、プッチ声優:アメリカザリガニ
演技というものは本当に不思議なもので、力量みたいなものが自然に伝わるものだと考えています。事前に全く情報を入れてなかったので、クリア後に調べてみて、オリバー役の多部未華子さんはさすがだと思いました。
あと、シズクの関西弁がキツイので、苦手な方はいるかもしれませんね。でも、喋るのは序盤だけで後に空気になるのでご安心を。
多部未華子さんはこの記事でも紹介しています↑↑
攻略情報
おすすめのイマージェンまとめてます
二ノ国2と比較して
ストーリー→1(断然!)
バトル→2
音楽→1
キャラ→1
面白いと思ったのは→1
二ノ国1を当時プレイして、二ノ国2で失望した人は多いんじゃないかな、と個人的には思いました。2はご都合展開ばかりでストーリーは面白くないし、進軍モードなんかは不必要だと思いますが、新しい試みとして何か追加したかったのかな、とも。
今作は、それだけ人の期待を高められる作品だったと思います。
まとめ
面白かったです!!
ストーリーは王道ですし、伏線回収も見事。読めない展開の連続で、制作側の熱意を感じられました。そして、映像や音楽を通して良い意味でジブリを感じられます。色々なリマスターがPS4で発売されていますが、その中でも圧倒的に良作だと思います。
冒険の手応えを感じられる点も良かったです。船などの移動手段もそうですし、グラディオンという杖を入手後はドラクエでいうさいごのカギを入手した感などもありました。
欠点は、シンボルエンカウントのみと言っていいでしょう。序盤はバトルが苦しくストレスがたまりますが、イマージェンのニャンを仲間にした辺りから面白くなってきましたね。
やりこみ要素が豊富で、やるべきことが尽きません。ボリュームを考えても、リマスターされて良かったと思います。
おまけ:映画の評価が、、、
足が不自由だが秀才で心優しいユウ。ユウの親友でバスケ部のエース・ハル。2人の幼馴染みでハルの恋人でもあるコトナ。ある日コトナをめぐる事件により、二ノ国と呼ばれる異世界へ来たユウとハルは、そこで2つの世界に架せられた残酷なルールを知る。
賛否両論が凄まじいので、一度見ていただきたい気持ちがあって紹介。U-NEXTの初回登録ならば31日間無料で見放題なので、おすすめ。
関連記事
コメント