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結婚披露宴をする理由がわかった話~お金よりも大切なこと~

あの時の感謝を伝えたい日常エッセイ

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なんで大金を払ってまで披露宴をするんだろう。。。と思っていた僕が、友人代表スピーチを経験したことで、その意味を肌で感じ取れた話。実際に起こった出来事と感想を書いているので、備忘録と捉えていただけると幸いです。

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この記事の著者
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就職できずに当時薬学生だった彼女のヒモを経て、ブロガーに(15年の交際を経て結婚!)。エンタメ分野のレビュー、感謝を綴ったエッセイが好評。当時の内容を綴ったノンフィクション小説「薬剤師国家試験に落ちた彼女を、僕は隣で見ていた」が電子書籍化しました!

披露宴一ヶ月前

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この日のために髪を切って染めたのですが……↑↑こちらの話の続きになります。 

 

前日

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 持ち物や服などを準備していたら、結婚式に持っていけるような良い感じのハンカチがないことに気付く。友人代表スピーチは、今までの披露宴参加とは訳が違うのだ。

「前日にすまん! 明日ハンカチ貸して!」

 と新郎へ連絡して了承をもらう。すまぬ、新郎よ……。次は、うとうとしている彼女に頼み込んで、スピーチを聞いてもらった。

「まあ、いいんやない」

 普段はあまり笑わない彼女が笑ったのでホッとした。

「ここでスベったら、もう終わる」

「そこはもうどうしようもないね」

 

*前日に新郎新婦の負担を増やすようなことをしては絶対にいけません!(戒め)

 

当日

 スピーチのプリントアウトをしていたら、タイミング良くプリンターのインク切れ。予備があったから良かったものの、本当に危ないところだった……それにしても、台紙みたいものが要るな、と(理想↓↓)。ペラペラの紙を持ってスピーチするのはダサイ。

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引用:https://item.rakuten.co.jp/photo-vogel/118-0006/

 とはいえ、調達する時間もないので、とりあえず式場に電話。無事に用意してくれるとのことだった。

 

 そろそろ行くか! というところで、今度はベルトがないことに気付く。スーツと一緒にハンガーにかけておいた「はず」なのに。スピーチ中に拡大でもされたら……探していると待ち合わないので、再び式場に電話。貸出用があるとのことで一安心。

 また、スーツが久しぶりだったせいか、ネクタイの結び方がわからなくなっていた。スマホでネクタイの結び方を検索するも、サイトは視点が対面でわからない……。あーでもないこーでもないと試行錯誤しながらなんとか結び、駅前で式場へ行くバスへ無事に乗った。

 この段階でもう疲れた……。

 

*準備が足りないと一気に疲れます(戒め)

 

バスの中で

「海外に何カ国も赴任して、マジ大変でさ~」

 と自慢げに話す人と、その話をつまらなさそうに聞く二人組が僕の前の座席に座った。話し手の声が大きく、バンの中の空気を独り占め。久々に会って「ああ、こいつって相変わらずだなあ」って聞き手の感覚がひしひしと伝わってきた。と言うのも、仕事で何かを成し遂げたことよりも、滞在した国数に価値を置いていることが伝わったから。話し手の本質は社会に出てからも何一つ変わってないんだろうなあ……と思わせてくれた。

 知り合いだったら、「お前うるせーけ黙っとけや、おまけにスベっとるぞ」の一言で済むのだが、、、どっちの友人だろう? と思いつつも、こういう人の方がスピーチで笑ってくれたりするから無碍にできないな……とも考えていた。

 

式場へ到着

 受付で台紙にスピーチ原稿を貼り、ベルトを借りた。時間通りに着いたは良いものの、知り合いが誰もいない。ちらほらと顔を覚えていてもいまいち思い出せないので、話しかけることを断念。

 ハンカチの件を思い出したので、新郎側の控室へ。新郎は式の準備でいなかったが、新郎の姉と遭遇。挨拶をした(ちなみに、姉の結婚式に親族席で参加させていただいている)。

 そうこうしていると、式と二次会の受付が始まった。

 ここでとんでもないことに気付く……なんと二次会の参加費を、つまり現金を忘れたのだ! Suica一枚を持ち歩く習慣が最悪な形で露呈してしまった(これ↓↓)。

ã¹ã¼ãã¼ICã«ã¼ã Suicaãä¸è±ï¼µï¼¦ï¼ª-VISAã

 二次会費はチャージ済みなのに……と思いながら、ご祝儀の中から引っ張り出すわけにもいかず。結局、「すみません、財布を忘れてしまいまして……。新郎に直接渡します」と伝えて了承してもらった。

 はあ……。情けない。

 

結婚式開始

 結婚式場で新郎新婦を見て、

「あんなに立派な格好しやがって……」

 と親心的な視点で感動しかけたところに、神父がちらっと目に入った。そして、神父に「神父感」が感じられないことが気になった。

神父感がある神父の例

 神父にも色々ある。けれど、もう、その辺でたまたま見つけたガイジンを拾ってきました感がハンパないのだ。例えるならば、ERのグリーン先生をハンマーで上から叩いてブサイクにした感じだろうか。

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引用:スーパー!ドラマTV 海外ドラマ:ER 緊急救命室

 ハゲているのは良いのだが、整えられていないハゲでこれも違和感を抱いた。そのせいで、式がただの茶番にしか見えず……。

 僕だったら、神父感のないあの神父の前で永遠の愛は誓えないだろうな……と思いつつ、これもスピーチによる心理的負担が招いた弊害に違いないと自己解決したことを覚えている。

 

 その後、披露宴までの開いた時間に新郎と会い、二次会費の件を説明&謝罪。無事にハンカチもゲット。

「よろしくね」

 という言葉が、重い重い。一ヶ月前にも言われた言葉なのに。

 

披露宴開始

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 事前に聞いていた通り、主賓席だった。新郎は教師なので、校長、副校長、教育委員会などのいわゆるお偉いさんばかり。しかも、一番前の席ゆえに、後ろや全体がどうなっているのかもわからない。そして、若者は僕一人。最高に落ち着かない。

 

 主賓代表スピーチが始まった。スラスラと言葉が出てくるだけでなく、笑いも織り交ぜており、さすがだなあと思っていた。この次にもう一人スピーチがあり、僕の出番。つまり、順番的には三番目だ。

    しかし、僕の前の人の話が……その、なんというか、かなりダレてしまったのだ。何が言いたいのか伝わらない典型的なダメダメスピーチで、控えめに言って最悪だった。

 

 嫌な予感が現実のものとなった。正直に言うと、そもそもの披露宴の構成に問題があることは否めなかったのだ。スピーチが4連続(僕の次も、新婦友人代表スピーチ)。僕がプランナーだったらまずあり得ない。

 でも、仕方がない。望んでいた空気感とは程遠かったが、省けるところを省き、ガチガチに緊張しながらも出番を終えた。

 

友人代表スピーチをした感想

 感想としては、ライトしか目に入らなかった。ただ、ウケを狙ったところで、一部でドッと笑いが起きたことがわかった。しかし同時に「なんて!?」という声がワンテンポ遅れて聞こえたので「最初からちゃんと聞いとけや!」と思ったことを覚えている。

 終わった後は、一ヶ月の心の重荷がなくなったことで、テーブルの人たちとの雑談にも花が咲いた。話題はもちろん、新郎との関わり・スピーチの話だ。

 

 たくさんの人が感想を言ってくれた。自分から一切聞いてないので、やっぱり聞いてくれてたんだな、とうれしくなった。誰も聞いてくれないかもしれないと考えていたこともあり、頑張ってよかったと思えた。以下、称賛の言葉↓↓(自慢)

  • 完璧だった(主賓席の教育委員会のお偉いさん)
  • まさか青春を定義するとは(新郎友人S)
  • 痩せたね(新郎親族)
  • 構成とか考えとったん?(新郎友人A)
  • やっぱ考えたん? 途中でぐぐぐっと流れが変わったよね(新郎友人B)
  • 序盤の笑いの伏線が、どうつながるだろうって気になった(新郎友人C)
  • スピーチ続きで飽きかけたけど、良かったッス(新郎友人D)
  • 面白いスピーチをありがとう

 などなど。個人的には、「最初に笑い・最後に感動」を意識して作ったのだが、思ったよりもポジティブな感想をいただいて安心した。また、芸人さんがよく言う、「空気」というものが如何に人に影響するかを体感した気がした。

 

最も印象に残っていること

 二次会で同席した女性が、新婦の友人代表スピーチをした人だったのだ。他愛ない話をして、とても親近感がわいた。顔や名前だけでなく何を話したかもあまり覚えていないけれど、話せて良かったと強く思えたことは今でも覚えている。なぜならば、友人の最も近しい友人になることは誇りなのだ。唯一、同じ苦悩を抱えた人でもある。

    恋人がいなければ、確実に連絡先を聞いていただろうな、と振り返ってみて思う。出会いの質としても最高に良いからだ。

 

なぜ人は披露宴をするのか

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 また、今までわからなかったことが一つ解決した。披露宴って何のためにするのだろう、という問いだ。僕が過去に参列した友人に限って言えば、芸能人(?)が結婚した時に「離婚しそう」という直感を、未だに抱いたことがなかった。

 しかし、自分だったら……と考えた場合、金かかるし、来てくれる人がいるかわからないし、式場で配膳のバイトしてたし(察してください)、離婚したらご祝儀返さないと恥ずかしいし、などのネガティブなイメージばかりが頭に浮かんでいたのだ。

 でも、15年付き合ってきた親友を見ていて、もしくはスピーチを読んだことで、ようやくわかった。

 

「人に感謝を伝えるため」

 

 にするんだなって。

 これまでに自分と関わった人のおかげで、今がある。そのおかげで、人生を共にしたいと思える人に出会えた。そして、今までの感謝と、これから二人で生きていきますという意志をその人達に伝えたい。

    そう、あくまで焦点は「今」であり「感謝」なのだ。それが「未来」へつながる。披露宴で得られるものは、お金には決して代えられない類のものなのだろう。一生に一度、幸せを創り合うためならば、人に大きな迷惑をかけても良いかもしれない。

    そんなことを思った日だった。

 

 おしまい

 

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