【2024年5月7日 追記・更新】
2019年11月19日に発売されたPS4ソフト『シェンムーⅢ』をクリアした感想。評価です。一部ネタバレ注意です。
シェンムーⅢとは
ゲームの歴史にその名を刻む偉大なる伝説『シェンムー』が、ふたたび登場!
商品名:シェンムーⅢ
対応機種:PlayStation®4
発売日:2019年11月19日
価格:パッケージ版 6,980 円(税別):ダウンロード版 6,980 円(税別)
ジャンル:アクションアドベンチャー
プレイ人数:1 人
発売・販売:Deep Silver
CERO表記:B 区分(12歳以上対象)
ストーリー
1986年。日本の若き武術家、芭月涼は父の死をめぐる謎を追って、残された唯一の手がかりである鳳凰鏡を手に中国大陸へと渡る。
香港・九龍城での激闘を経て、さらに奥地へと向かった涼は、その途中で不思議な少女、玲莎花との運命出会いを果たす。やがて二人は桂林・白鹿村で鏡と同じ巨大な龍と鳳凰のレリーフを発見し「シェンムーIII」への新たな物語の扉が開かれた。
18歳の日本人武術家、芭月涼が主人公。涼の父親を殺した男である藍帝に復讐する物語……というのがシェンムーシリーズの大まかな流れです。
町や山村で鳳凰鏡に隠された真実を知る人々に聞き込みをして、藍帝へつながる手がかりを追います。その過程で、武術修行やギャンブル、アーケードゲームで遊んだりできるのも特徴。また、オープンワールドゲームの原点とも言われており、ゲーム史に残る名作です。
感想・評価
ⅠとⅡをプレイ済みだと感動する
最初にプレイして感じたことは、「紛れもなく、これはシェンムーや!」「良い意味で何も変わってない世界観」ということでした。
ⅠやⅡと何も変わらない画面や、経験した出来事をメモ帳に記す流れも同じ。メインストーリーに関わることは赤線で引かれるので、何をすべきかを迷うことはありません。
グルッパ(ガチャガチャ)ももちろんあります。ただ……(後述)。
重要アイテムの中には、ⅠとⅡで辿ってきた過程や出会った人々との思い出も。その画質も当時のまま。
Ⅰの舞台の横須賀にあったコンビニが、鳥舞にもあります。
懐かしのキャラや敵も。
寺院に保管されていたセガサターン。遊び心も。
もちろん、フォークリフトのアルバイトも可能!
鳥舞のホテルでは、国際電話でⅠとⅡのキャラに電話をかけることが可能です。懐かしい上に、今何をしているかもわかります。ジョイやファンメイや原崎さん、稲さんや福さん、貴章やトムやゴロー……旅で得た縁って、再会することで更に深まるんですよね。ただ、僕が最も好きだった紅秀瑛師匠にはつながらないという……。
前作をプレイしている人は、良い意味で何も変わらないシェンムーの世界観に感動することでしょう。さらに言えば、リアルタイムでプレイして18年待った人・クラウドファウンディングで今作の開発に投資した人は、格別なはず……。
しかし逆に言えば、シェンムーシリーズを未プレイかつ、最近のオープンワールドゲーム(ホライゾンとかアサクリとかデスストとかウィッチャーなど)と比較すると、操作性やグラフィックやその他諸々は、明らかに物足りないと思われます。ジャンプも出来なければ段差を超えることも出来ませんしね。
なので、今作から始める人は、ゲーム起動時画面で表示される【Digest Movie】を必ず見ましょう!! ⅠとⅡの流れを確認できます。
シェンファが可愛くなっている
シェンムーシリーズのヒロインであるシェンファですが、Ⅰでは涼の夢の中で登場しただけ。Ⅱではラスボス撃破後に登場するも、登場するタイミングの遅さから全く魅力が伝わらなかったというキャラ。他に魅力的な女性キャラが多かった上、セリフが超棒読みだったというのも僕の記憶には残っています。
ただⅢでは、涼を家に招き、自宅を提供して探索の拠点に。石彫師の父親の行方を追うシェンファと、鳳凰鏡の謎を追う(=藍帝へつながる)涼と利害が一致しており、涼と共に旅をします。
また、両親の話などをする中で、意外と二人は似た境遇であることがわかります。
ちなみに、シェンファとの恋愛要素はありません。
登場するキャラが濃い
シリーズの特徴ですが、濃いキャラが登場します。これに関しては、PS4で遊べるゲームでも屈指のサブキャラの濃さがあると僕は考えます。
子供に太極拳を教えている自雄(ジユウ)さん
涼にナンパ代行を依頼してきた人
性欲旺盛おばさん
ゴロツキのボス
鳥舞旅社の受付の馬佳齢さん。宿代をきっちり請求してきます。また、テレホンカードにもなってます。
なんと、Ⅱでお世話になった徳林さんのお兄さん徳靖さん!(上が徳靖さん・下が徳林さん) もちろん、フォークリフトのアルバイトの窓口です。
どこからどう見ても、くりぃむしちゅーの上田さんにしか見えない青龍さん。
家電屋のおじさん
ゴロツキのボス2
ミニゲームも豊富
釣具をレンタルして釣った魚を売ったり、アルバイトで薪割りやアヒルを捕まえたり、ゲーセンでアーケードゲームで遊んだり、、、ゲーム内で遊べるゲームが多い点もシェンムーの特徴です。
終始金策に追われる&お金稼ぎのコツ
今作は、体力が自然に減少します。そのため、食料を購入するためにお金を稼がなければなりません。
お金稼ぎのコツは色々ありますが
- ガチャガチャを一式コンプリートして揃える
- 薬草を集めて薬局を売る
- サイコロ(上でやったり)
- 占い師に色を占ってもらった後、花鳥風月で当てる
この4つが基本になると思います。
効率を考えると、サイコロ前でセーブして勝ったらセーブ・負けたらリセットが最も効率的だと思います。サイコロで勝ち続けて木札を大量ゲット→景品交換(宝石など高価なもの)→質屋に売却という流れ。
ゲームとは言え、より効率のいいお金の稼ぎ方がギャンブルというのは、なかなか人を選ぶ設定だと思います笑。なので、お子さんに買い与えるのを考慮中の親御さんは、その点は注意です。
ストーリー展開は、ⅠやⅡより弱い(ネタバレ注意)
今作の舞台は、白鹿村と鳥舞の街。探索スケールは言うことなしですが、ストーリーは起伏に乏しいというのが本音です。
基本の流れは、ゴロツキ集団の手がかりを追って聞き込み→見つけるもボスに勝てない→拳法家の師に修行を見てもらって奥義習得→ボスに勝つという流れ。
ただ、「奥義の習得は一朝一夕でできるものではない」という師の言葉をよそに、一瞬で奥義を習得してあっさりボスを倒す展開は……まあしゃーないかな、と思うものの、ちょっとモヤモヤ。
Ⅱで教わった以下の教えが、今作ではあまり実感できません。
「戒」おごり高ぶることなく己を律し、むやみに拳法を使わず、みだりに技を見せず。
「胆」常にあわてず、肝をすえて冷静に正しく判断すること。
「功」常におこたることなく日々、修練を積み重ねていく。
「義」正しいことのために、ためらうことなく行動すること。
この教えを学ぶ過程で人間ドラマがあったので、修行を楽しむことができました。
涼の父親である巌のことを知っている人物とのコンタクト、藍帝の正体が明かされる展開などは胸アツなのですが……
更には、レッドスネークというゴロツキ集団と藍帝とのつながりがゲーム内の情報で一切なかったため、最終盤で藍帝が登場した際、急登場した感じがありました。
しかも、最強である藍帝の側近の一人が、側近にあるまじき激弱っぷり。
藍帝の側近なのに、いくらなんでもコイツは弱すぎる。ギャグ要員。
今作では藍帝の正体(出生)がやっと明らかになります……!! これはぜひプレイして確認してみてください!
グルッパ(ガチャガチャ)の確率がおかしい
全種類揃えれば、質屋で売却or交換が可能になるので、グルッパをする必要性は上がっています。ただ、出るフィギュアの確率があまりに偏っているんです……。全7種類なのに、103回目で初めて藍帝が出るという……。
シェンムーⅢのグルッパ(ガチャガチャ)の確率がおかしい。全7種類なのに、藍帝が出たのが103回目という。。
クリアしたのでレビュー書きます#シェンムー3 pic.twitter.com/6qnGfpNlRL— ももとゆういん (@momotoyuin) November 21, 2019
QTEは難易度は低め
QTEとは、クイック・タイマー・イベント:短時間でコマンド入力を求められるシステムのこと。
ⅠとⅡの理不尽な難易度に比較すると、今作はやさしめです。一度ミスっても、直前からのやり直しなので、あまりイライラするポイントはなかったです。
失敗しても、面白いムービーもあるので必見です。一枚目の画像は、高い梯子から美しく着地した少女。お気に入り↓↓
イージーモードでも修行は必須!
おそらく、このゲームで最強の白龍さん。
白鹿村ではあまりバトルに困らなかったのですが、鳥舞では大変でした。バトルの基本的なコツはガード(L2)→相手の攻撃の隙を突いて攻撃だと思うのですが、ガードを簡単に破られるので、タイミングよく打つしかありません。
馬步や散打をそれなりにしてレベルアップしても、強敵の前ではその恩恵を感じにくいというのが正直なところ。あとは前述の通り、修行の過程に人間ドラマがないので作業感があります。
ちなみに、クリア時は、難易度イージーで、攻撃力レベル12、体力レベル12、クンフーレベルレベル23でした。僕は竜巻キックがお気に入りです。
ポーズやスキップができない
個人的に、最も辛かったのがバトル中やムービー中にポーズ(ゲームを一時的に停止する)ができなかったこと。
同居人と会話を行う時やトイレに行きたい時など、ゲームプレイ中にも色々あると思います。が、ゲームは止まらないので、やめ時が難しいです。
そして、ムービーや会話は基本的にスキップができません。しかも、話しかけられるキャラには全員フルボイス付きなので、必ず会話を聞くことになります……。
省略できるのは、宿で寝る・起きるの動作や、一度話を聞いた後のみなど極一部。これはクリア後も変わりません。
おまけ:美女コレクション
美女は多いのですが、、、
Ⅱの薫芳梅(ファンメイ)のように、主人公に対する好感度が設定されているキャラはおそらくいません。ヒロインであるシェンファが登場してしまったので仕方ないとは思いますが、、、ちょっと悲しい。
クラウドファウンディングで生まれた過程が見えるのが良い
シェンムーⅢは、クラウドファウンディングで生まれた作品です。
ホテルの部屋のメモ帳には、シェンムーⅢを心待ちにしていた方々の声がたくさん。その他にも、寺院の奥にもたくさんの方の名前があったり……。世界中で本当に多くの人が今作の発売を心待ちにしていたことがわかります。
そして、エンディング後のメッセージ。人の想いが詰まりに詰まった作品であることがわかります……(泣ける)。
クリア後
クリア後の要素は?
アイテム、所持金、木札、技書、技レベル、木人練習レベル、クンフーレベルなどを引き継いで、白鹿村or鳥舞から始められます。クリアした時のセーブデータをロードすればOK。
クリア時間は?
ⅠとⅡ合わせて30時間はかかりましたが、Ⅲは20時間ほどだったと思います。
難易度を上げたり、アイテムを細かく収集して技書をコンプリートすれば、いくらでもプラスになるでしょう。
ムービーだけでなく、ムービー中の会話も常にスキップができないので時間がかかります。
その他
- 白鹿村で出来ることは、鳥舞でも出来ます(たぶん)。例えば、白鹿村にあるグルッパは、鳥舞に全てあります。なので、取り返しのつかなくなることはおそらくありません。アイテムなども白鹿村から鳥舞へ引き継ぎます。
- レンとの凸凹コンビの描写がⅡよりも少ない。
- ゴロツキとは……定職も定まった住居も持たずあちこちをうろついて、弱い者をいじめたり、たかったりするならず者(辞書より)。
- 奥義が奥義っぽくない。GANTZのきんにくらいだーを思い出した。
- プロダクトコードは発売日の14時~に入力可能になったようです。購入直後に受付されないのは初めてだったので焦りました……。
- シェンファの声優さんは、石垣はづきさんから照井春佳さんへ変わっています。レンも萩原匠さんから平修さんへ変わっていますが、声に変化があまり感じられない点が素晴らしい。
- バッカーパスワードって何やったんやろ(誰か教えてください)
声優一覧
芭月涼:松風雅也
シェンファ(玲莎花):照井春佳
藍帝:櫻井孝宏
レン(刃武鷹):平修
鳥隼:天道光香
林詩鈴:伊勢未紗希
引用:公式HPより
まとめ
「時代遅れ」とか「炎上」とか「ひどい」とか検索ワードにありましたが、どれも納得できないことはありません笑。ムービースキップできませんし、結局ストーリー完結せんのかい!(知ってた)と思いましたし。
それでも、前作をプレイして18年という時の長さを想い、そしてⅢが誕生する過程を知り、鈴木裕さんの最後のメッセージを見れば、ある種の感銘は約束されるでしょう。そして、やっっっぱり素晴らしいゲームであると断言できます。
なので、未プレイの方は、まずⅠとⅡをプレイするのがおすすめです。
続編のⅣはどうなるかはわかりませんが、僕は今後もシリーズを追います!
ⅠとⅡのレビュー
シェンムーのアニメが放送開始!!
2022年4月7日から『Shenmue the Animation』が放送開始!! U-NEXTで配信中の全話を見ることが出来ます↓↓
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