【2024年2月24日 声優一覧など 追記・更新】
2024年2月22日発売のNintendo Switchソフト:クレヨンしんちゃん『炭の町のシロ』をクリアした感想・評価・攻略情報などを綴っています。項によってはネタバレ注意です。
クレヨンしんちゃん『炭の町のシロ』 とは
2021年に発売され、全世界で累計出荷数50万本を超えるヒットを記録した「クレヨンしんちゃん『オラと博士の夏休み』 ~おわらない七日間の旅~」のスタッフによる最新作となります。
プレーヤー:1人
CERO:A
ジャンル:冒険アドベンチャー
「オラと博士の夏休み」はクリア済みです(以下、オラ夏と表記します)
クリアした感想・評価
シロがキーキャラクターになったストーリー
秋田にあるひろしの実家近くの村にやってきた野原一家。釣りや虫取りをしたりして日々を過ごすしんのすけですが、ある日、 真っ黒になったシロについて行くと、辿り着いたのは炭鉱の町。炭鉱で働く人々と交流を深めていきますが、町には不穏な 影も。秋田の村と不思議な炭の町の二つの世界を行き交うしんちゃんの毎日がはじまります。
目が覚めると、秋田にいたしんのすけ。父:ひろしの出張についてきたとのことで、ゲームは始まります。
すすだらけのシロについて行くしんのすけ
ある朝、突然すすだらけで帰ってきたシロ。首をかしげるしんのすけを見て、勢いよく走りだす…!
追いかけて行った先に停まっていたのは、見たこともない不思議な電車だった。
『魔女の宅急便』の一コマのよう
タイトルにもなっているクレヨンしんちゃんの登場キャラ:シロが、本作では活躍するのが特徴です。秋田で3日を過ごすと、シロから炭の町へ案内されます。かわいい。
シロの案内によって、しんちゃんは少女:スミに出会います。この時点ではわからないのですが、(危機が迫っているから)町を守りたい…! とのこと。
秋田と炭の町を行き来しつつ、人との交流を大切にしながら、最終的には炭の町を守る
というのがメインストーリーになっています。町を救う、という終着点まで描いているので、ストーリーは『オラ夏』よりもしっかりとしています。ちなみに、ストーリー・キャラ面に関して、直接的なつながりはありませんでした。要約・ネタバレは後述しています。
新要素:トロッコレースが面白い
前作『オラ夏』と最も異なる部分は、トロッコレースがあること。単なるレースゲームではなく、メインストーリーにも直接関わってきますし、制作が力を入れていることも充分に伝わる内容でした。
アクセル・ブレーキ・カービングに加え、敵からの攻撃・防御など、一通り網羅しているため、タイマンバトルの『マリオカート』みたいな感覚で遊べると思います。
スコア達成ボーナスを考慮すれば、カスタマイズにも熱が帯びる
特に面白いと思ったのは、コースによってマシン性能を考慮しなければならない点ですね。このマシンさえ持っていれば絶対に勝てる! ということはおそらくありません。
例えば、最高速度が出るマシンが手元にあると仮定します。直線が長いコースでは有利なのですが、カーブや落下が多いコースだと真価を発揮出来ません。マシン・パーツ・プレーヤーの腕の全てが噛み合わないと、スコアが貯まらないんです。
おすすめのパーツや構成をあれこれ書こうと思ったんですが、コースによって異なるので断念しました。
引用:公式サイトより
SNS映えを考慮すると、もう少しカラーリングなどが出来るようにしても良かったんじゃないかな、と思ったり。また、コース編成やルールも、メインストーリーと同様に特別ルールみたいなものを入れても良かったと思います。個人的には好印象でした。
秋田県をあまり感じられないのが残念。むしろ大分県っぽい
一両しかない電車、踏切の音、無人販売所などは◎
秋田エリアは、秋田県に詳しくない僕からすると、秋田っぽさをほぼ感じられなかったです。『オラ夏』では、ロープウェイや通潤橋、熊本駅まであったので余計に……。描写は明らかに減ってました。
しかも、炭の町エリアは豊後高田市(昭和レトロの町)や別府を想起させるんですよね。画像一枚目は、別府の湯けむり展望台やんこれ……と思いましたし。あくまで個人の主観にはなりますが、、、。
なので、炭の町の印象に引っ張られるように、秋田エリアは大分の田舎と言われてもわからんな というのが、クリア後の感想になります。
オオマガラナイ村という名称から、舞台になったのは秋田県の大曲市だと思われます。大曲と言えば花火だと思いますし、それもないのはダメやろ…………というのが正直な感想です。制作の事情はわかりませんが、、、。
旅行が好きで全国あちこち行ってますが、東北地方って弱いんですよ(個人の好みで申し訳ないが、パティスリーと花の名所が少ない)。
旅と写真 カテゴリーの記事一覧 – 僕の人生、変な人ばっかり!
なので、本作に求めていた秋田っぽさがあまり感じられなかったのは残念でした。
背景画がたまらない
田舎の景色としては惚れ惚れする美しさがありました。美術は本作の最大の特徴でしょう。
美術監修に名前がある石垣プロダクションの方が作ったのだと思われますが、僕には刺さりました。本当に惚れ惚れします……。たまらん。こんなに美しいたんぽぽを見たのは初めてです。アートブックが欲しくなりましたね。。。
❶ 特製ピンバッジ
しんちゃんとシロのゲームオリジナルピンバッジ
❷ 絵本型メモ帳(パラパラアニメ付き)
ゲームに登場する絵本を模したメモ帳
❸ スペシャルアートブック
こだわりの美術背景や開発資料などを多数収録(全68ページ)
❹ サウンドトラック ダウンロードカード
主題歌フルバージョンを含めたBGM全27曲を完全収録
❺ 主題歌ソノシート
主題歌「磁石でいうとNとS」ショートバージョンを収録
❻ 炭坑電車ペーパークラフト
ゲームに登場する不思議な電車をペーパークラフト化(1/32スケール)
❼ 秋田&炭の町観光マップ
現実と不思議な町を行き交う本作のフィールドマップ
❽ キャラクターステッカーシート
キャラクターやたてものがかわいいシールに
アトリエっぽいゲーム内容に
『ぼくのなつやすみ』『オラ夏』『なつもん!』のように、探索して魚や虫を捕まえて図鑑を完成させるのが一つ。これに加えて、本作では野菜を育てることで、掲示板で物々交換が可能になります。
地下水を引き上げて、スプリンクラーを使ったりするのは好きでした。
秋田で集めた素材を、炭の町でさらに交換して、料理屋や研究所でモノを作成→ストーリーが進行するような流れ。そういった流れだけをピックアップすると、アトリエシリーズっぽいな、と感じました。もしくは、サンドボックスゲームっぽい。僕は好きです。
ただ、どの要素も深掘りはされていないので(たとえば野菜の専有面積・収穫時期をあれこれ考える必要はない)、本作はやはり想定しているターゲットは小さな子供なのでしょう。『アトリエシリーズ』や『ハーヴェステラ』が好きな方ならば、物足りないと思います。
ぼくなつ・キャラゲーの要素は薄まった
前述した図鑑を埋める『ぼくのなつやすみ』の要素は、本作では縮小しています。2023年にリリースされた探索に全フリしたオープンワールド『なつもん!』とは大きく異なっています。
家族の団らんのイベント・会話などもかなり少なめ。なので、野原家のイベントを期待している人にはおすすめ出来ません。クレヨンしんちゃんのキャラゲーとしても弱いかも。
かすかべ防衛隊に代わる? マガランジャーZなる集団も。メインストーリーに関わってこないので、印象に残らない人は多いかもしれません。
きれいなお姉さんとの絡みも薄め。お姉さん側がしんちゃんにあまり関心がないように感じましたし、淡い恋心を通してしんちゃんの成長を描くような要素は皆無でした。
時間調節・スキップ機能はありがたい
- 野菜づくりを進めたい場合は、あっという間に
- 探索を続けたい場合は、のんびり
プレイのタイミングによって、時間の進行を早めたり送らせたり出来る点は良かったと思いました。
ただ、システム面に何回もアクセスすることで、没入感が損なわれる一面がある、という意見もあるそうです。確かに、美術・アートが美しいからこそ……とも言えなくはないと思います。
また、イベントスキップの機能も優秀です。野原家の家族の団らん、料理の演出など、(エンドロールを除いて)一度見たものはだいたいスキップ出来たと思います。
料理が美味しそう(ややネタバレ注意)
具材を揃えると、ヨソイさんが必殺仕事人? のように包丁をふるう演出が入る
自分でこのゲームを振り返る時のために、全部の料理を載せました。これも石垣プロダクションさんなんでしょうか。ここまで美しい絵ならば、調理段階も見たかったですね。料理が美味しそうなゲームランキングという記事を作るとしたら、ベスト3には入れたいくらい美味しそうでした。
名物のとりたんぽカレーも、ものすごく考えられたんじゃないかな、と思ったり。
個人的に食べてみたくなった料理ランキング
1位:至高の茶碗蒸し
2位:山わさびのとろ冷そば
3位:ハイカラクリームシチュー
小ネタ・その他
お義父さん と表記せんのか、と思ったのでスクショ。みさえは義両親とも仲が良いあたり、さすがです。
ひろし35歳なのか……(衝撃)
本作に唯一あった(と僕が思っている)エロ。深夜にエロいテレビ見て機関車のように興奮していたしんちゃんを思い出しました。
悪い意味で、最も印象に残ったオイカワ。サブクエストで3匹~求めらるのに、本当に釣れない。魚影も分かり辛い。
「↑↑↓↓→←→←AB」何かのゲーム(グラディウスが元ネタとのこと)で知った入力コマンドですが、本作は昭和ネタが多かったですね。全然わからなかった。
声優一覧
しんのすけ:小林由美子
シロ:真柴摩利
みさえ:ならはしみき
ひろし:森川智之
ひまわり:こおろぎさとみ
銀の介:チョー
つる:梅田貴公美
せまし:細谷佳正
ダンシャーリ:鶴岡聡
ユーリ:北原知奈
スミ:大月玲奈
ガン:佐々健太
ヨソイ:八百屋杏
ユカリ:夏葵
空:中村和真
カズコ:月城亜美
エース:紗上唄菜
プリンス:漢那綾花
チャンプ:鵜久森みか
キューティーリリィ:水野愛日
ホッタ:中村大志
ススム:井上一世
トウロクさん・ジュウロクさん:前内孝文
タニシ:時永ヨウ
ユタ:松永一輝
ヤマオ:伊藤良幸
など 敬称略
不満点も多い
しんちゃんとシロと遊ぶ様子を見ることは出来ます。そのカメラワークを、せめてポケパルレっぽくして欲しかったな……と。プレーヤーとしては、シロと遊びたかった。
引用:ポケパルレを遊びつくそう!|『ポケットモンスター X』『ポケットモンスター Y』公式サイト
虫や魚を、どこでゲットしたのかを図鑑に記してほしかった。スクショするか攻略サイトを見ないと、図鑑の完成+サブクエスト全クリアは厳しいでしょう。
ケツだけ星人状態でダッシュ出来るのですが、この時のしんちゃんのボイスが、プレイしていると苦痛になりました。「ぶりぶり~ぶりぶり~」「ワーハッハッハ」などを何百回も聞くことになるので、個人的にはキツかったです……。
ボイス音量を小さく出来るのですが、キャラが喋る時にも影響します。いちいち戻すのが面倒だったので、声優さんの演技があまりわかりませんでした。
→エンディング前は特に設定し直した方が良いです
引用:登場キャラクター | クレヨンしんちゃん『炭の町のシロ』 | ネオス株式会社
クリア後に、公式サイトの登場キャラクターを見て驚きました……。
これだけキャラがいるのに、ゲーム上ではあまり活躍していない印象なので、シンプルにもったいないと思いました。物々交換をするサブクエストの報酬要員ばかりなんですよね。秋田弁を喋るキャラが一人でもいて欲しかった。
クリア時間・クリア後
10~12時間ほどでしょうか。虫・野菜などはコンプリートしたのですが、魚だけは32/34しか集められず……。
クリア後は、やり残しを遊べます。特にイベントなどはなし。
最後の目標の達成条件だけがわかりませんでした(たぶん全部の目標をクリアした とかでしょうか)
攻略情報
ユーリの居場所
ユーリどこに行った!? と少し迷ったので。研究所の左側に行けるとは思いませんでした。
7段変速ギア
秋田のチャリからゲットして、炭の町へ
アラカン炭のかけらは300個くらい必要
最終的に300個~必要だと思います。タニシさんからも購入出来ないので、積極的に掲示板で交換しておきましょう。空き地を出入りしまくれば、数十個はすぐに手に入ります。
失われたカエル石
大きなカエル石は、滝の上のエリアに置きましょう。地図を見ればわかりやすい。
小さなカエルは、幻の畑の右奥に。クリア直前に設置したので、みなさんはそうならないように。
クエストで必要になる虫や魚の居場所
網羅しているわけではないです。すみません。
アサギマダラは必要だったような……
ジョウザンミドリシジミ
アカタテハ。コムラサキもいたような。珍しい名前の蝶は、この3つのどれかにいることが多かったです
ハンミョウ
あと、バッタ系は、幻の畑に行く手前の道にいます。そこで全コンプ出来たと思います。
マガラナイアカヒレタビラ。アユやヒメマスも釣れる。
オオマガラナイウナギ
アカザ
オイカワは本当に釣れなくてイライラしました……笑。魚影で見分けた方が良いです。中型で背中にトゲがあります。マガラナイ橋よりも、こっちの方がエリア移動でのリポップで見分けやすい。ウキゴリなども。
ワカサギ。料理で必要だったはず
キタノメダカ
イバラヨミヨ
青いアメリカザリガニ
昼でも夕方でもOK。ザリガニ釣りは、少し難しいですね。ぽちゃん と沈んだ反応に合わせる必要があります。
クリタさんのペットを探せ
マガラナイ橋で、画像の位置で白いマガラナイザリガニのミーちゃんを釣る(なかなか釣れない)。ちなみに、ほうれん草と交換出来るけど、クリタさんのクエストをクリアするためには釣らないとダメ。
ミーちゃんとその他の区別はやはりつくようです
まつたけの場所
滝エリア。エリアを何度も出入りすればOK。オオクワガタなどもいる。
カズコさんの報酬と財布に注意
1500円、3000円、5000円~と上限額が増えていきます。
画像では、1000円ほど持っていたのに、一気に1500円もらった→1000円ほど切り捨てになってしまった時のスクショ。ホタルを集めるとカズコさんからお金が貰えるが、こまめにお金を回収していない場合は、事前にセーブしておいた方が良いかもしれない。
財布の上限額を増やすのは、野原せまし との会話をすればOK。
ネタバレ
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ダンシャーリが行う『無駄ゼロパーフェクトタウン計画』によって、町の施設がいくつか閉鎖してしまう。
スミちゃんが懸念していたのは、この計画によって町が変わってしまうことだったと思われる。なので、シロを通して、しんちゃんに助けを求めたとのこと。
ユリおねえさん(ユーリ)の研究所から、アラカン炭に関する資料が盗まれる。シロが犯人を臭いから追跡すると、ダンシャーリの元へ辿り着く。ユーリとダンシャーリは兄妹だったことがわかる。
汗や涙がアラカン炭の素材であるため、ダンシャーリは町民を地下施設に集めて抽出していた。目的は町の断捨離だと思われる。
アラカン炭の真の力を引き出すトロッコを開発したダンシャーリと、トロッコレースで対決する流れに(僕自身もよくわからなかったけどツッコむのはヤボだと思われる)。
トロッコは5人用とのことで、スミとシロがかすかべ防衛隊を呼び寄せる。風間くん、ネネちゃん、マサオくん、ボーちゃんが登場するのは最後の最後だけ。でも、登場させて良かったと思う。
勝利後、貯水タンクが壊れ、炭鉱から出る大量の地下水が流れ出る。それを丸ごと温泉にして観光地化すれば無駄がないでしょ、と敗北したダンシャーリをユーリは諭す。
→これがしんちゃんがいる秋田の湖っぽい。考察というほどでもないですが、繋がっている世界だった、と考えた方が面白いですよね。
家の方針によって、子供時代に子犬を面倒を見れなくなったことでダンシャーリは変わってしまった、とユーリから話を聞いていた。その時の子犬がスミだった。スミちゃんは、町を守ったことで消えてしまい、おしりあい石も光を失っていく。
お別れをしておしまい。しんのすけは秋田へ。しかし、手元にはヨソイさんの食堂:食事処みその のメニュー表があった。
とりたんぽカレーが名物になりそうな予感を残しつつ、野原家もかすかべに戻って、おしまい。
ダンシャーリと出会った時に語っていたことが、なるほど、とはなる。ただ、演出としてはこの一言だけなので、ダンシャーリに共感するには無理がある。設定としても付け足した感のある非常に軽い部類なので、個人的には好きじゃなかった。
空くんとカズコさんは、今度もカレー屋を一緒にするそう。空くんが無表情・カズコさんが暴走気味なので、プロポーズなのか、ただの雇用関係なのかはわからない。
オオマガラナイ村と炭の町の地図。どちらも湖に隣接するエリアなのは間違いないっぽい?
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まとめ
プレーヤーが何を求めているかによって、大きく評価が異なる作品だと思います。
美術・アートが最高に刺さったという点で、個人的には素晴らしい作品になりました。トロッコレースなどの新要素もあり、『オラ夏』からゲームの変化も楽しむことが出来ました。
ただ、秋田県っぽさ、クレヨンしんちゃんのキャラクターとのやり取り。この2点を期待している方にはおすすめ出来ません。雪やきりたんぽ以外の秋田県をもうちょっと知ることが出来ると思っていたので、その点は残念でした。
個人的には、面白かったです。
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