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孤独本のおすすめ17選(選書してみた)

孤独学び本・書評

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【2020年11月22日 追記・更新】

読書歴14年。「孤独」というキーワードで選書してみました。

 

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この記事の著者
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大卒後、就職に失敗→薬学生の彼女のヒモを経てブロガーに(15年の交際を経て結婚!)。エンタメ分野のレビュー、感謝を綴ったエッセイが好評。当時の内容を綴ったノンフィクション小説「薬剤師国家試験に落ちた彼女を、僕は隣で見ていた」が電子書籍化しました!

はじめに

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自分を構成する要素の一つに、「孤独」があります。

高校生の時は、常に孤独感がありました。自分の育った環境からどうしても抜け出したくて、それを可能にする手段が【勉強と恋愛】であると気付いてから、どちらも一生懸命に取り組んできました。

また、親や教師から受けた教育が正しかったのかを確かめるため、20代は読書に没頭。その知識を元に、コミュニケーションなどの経験を培うことで、自分の考えを作り直しました。大学時代にオファーをいただいた食べ歩きも、実は孤独を埋める手段の一つだったりします。

なので、現在はいちいち意見を持っている面倒くさい人間になっております。

 

★小説・エッセイ・写真集などジャンルはバラバラですが、関連性の高い本を「流れ」で紹介しております。

★この記事では「孤独について書いている本」を、必ずしもおすすめしているわけではありません。本を通して何かしらの「孤独」を僕が感じた上で、独断と偏見で紹介している形になります。どの本も良書ですが、その点はよろしくお願いします。

 

孤独本のおすすめまとめ

心に響く 樹々の物語/ダイアン・クック,レン・ジェンシェル 

仏陀が悟りを開いたとされるインドの菩提樹、ニュージーランドのマオリ族が魂の帰り道として大切にする「愛の木」、8万年も生きる地球上で「最も重い」木など、59本の歴史的かつ魂を揺り動かす樹々を、美しい写真と読みやすい文章で紹介します。

ものすごく長い期間、その場所にあった樹々。神として崇める人々もいれば、テロ攻撃から生き残った樹もあります。それらの物語を一つ一つ丁寧に書いている写真集です。

日本一大きな樹は鹿児島県姶良市にある「蒲生のクス」ですが、実際に見に行って感銘を受けました。

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悟りの木、菩提樹(インド・ブッダガヤ) 世界で最も重要な巡礼地の一つ
(c)2017 Diane Cook and Len Jenshel

 

ぼくを探しに/シェル・シルヴァスタイン

何かが足りない それでぼくは楽しくない 足りないかけらを探しに行く
ころがりながらぼくは歌う 
「ぼくはかけらを探してる、足りないかけらを探してる、
ラッタッタ さあ行くぞ、足りないかけらを……」

20歳の時、写真家の方(今はわからない)におすすめしてもらった本。 自分って何なんだろう、自分は誰なんだろう、何のために生きてるんだろう。毎日のように自問自答していた記事がありました。

その答えがこの本を通して見つかるとは限りませんが、今になって思うと、教えてもらって良かったな、と思える本。

 

人間の尊厳ーーいま、この世界の片隅で/林典子

独裁政権と闘うジャーナリスト、難民キャンプで暮らす少女、配偶者から硫酸で顔を焼かれた女性、震災で家族を失った被災者、誘拐され結婚を強要された女子大生――。世界最大規模の報道写真祭で最高賞を受賞した気鋭の写真家が、世界各地で生きぬく人びとに寄り添い、その姿を報告する。カラー写真多数。

TBSのテレビ番組:クレイジージャーニーに登場した人で、僕が最も惹かれたのが著者の林典子さんです。長期に渡り、相手を深く理解して、その人の人生に寄り添うような取材方法が特徴なのかな、と感じました。その姿勢から、見え隠れする孤独があります。

 

若き芸術家たちへ/安野光雅:佐藤忠良

自然をしっかり見ること、それを自分の中の印画紙にしつかりと焼きつけること、デッサンをくり返すこと。そうしてできた作品はきっと胸に迫るものだ。世界的な彫刻家と画家による、気の置けない、しかし確かなものに裏付けられた「普通」の対談。カラー図版多数収載。

創作と孤独は絶対に切り離せません。創作における過程は、自分と向き合う時間そのものでもあるからです。

若き芸術家へというタイトルですが、人は人生を通して何かしらの表現をしていると捉えれば芸術家に違いはないわけで(大袈裟ですが)。読むことで得るものはあるのかな、と思ったので紹介。

 

自分の中に孤独を抱け/岡本太郎

孤独である自分、未熟である自分に胸を張れ──岡本太郎の言葉〈メッセージ〉は、時代を超えて私たちの魂を射ぬく。本書は、いまも読み継がれているベストセラー『自分の中に毒を持て』、そしてその姉妹本『自分の運命に楯を突け』に続くシリーズ第三弾である。太郎が生前、さまざまな媒体で発表してきた原稿や講演を中心に構成した。その多くは、はじめて書籍化されたものだ。そんな貴重な原稿の中から、現代に通じる熱いメッセージを厳選している。 

岡本太郎氏の本は一冊読んでおくと良いかもしれません。世俗的な価値観とは一線を画する言葉が多いのに、どこか共感してしまうんです。

個人的に最も惹かれた言葉は、「人生は積み重ねではなく、積みへらしが大切」です。……もしかしたら、同シリーズの「自分の中に毒を持て」の方で紹介していたかもしれません。

 

「孤独」は消せる。/吉藤健太朗

生き方に、正解はない。
3年半の不登校経験から世界最大の科学大会で栄冠に輝き、
ロボット研究者になった著者が挑む、孤独の解消法。 

人は、誰かに必要とされたい。必要としてくれる人がいて、必要とする人がいる限り、人は生きていける――本の見開きにある著者の言葉です。

自分がどのように形成されたのかを辿ると、自伝のようになってしまった、という結果的自伝本。日本社会に生き辛さを感じる人へ、強さを与えてくれるような本です。

 

百年の孤独/ガブリエル ガルシア=マルケス

蜃気楼の村マコンド。その草創、隆盛、衰退、ついには廃墟と化すまでのめくるめく百年を通じて、村の開拓者一族ブエンディア家の、一人からまた一人へと受け継がれる運命にあった底なしの孤独は、絶望と野望、苦悶と悦楽、現実と幻想、死と生、すなわち人間であることの葛藤をことごとく呑み尽しながら…。20世紀が生んだ、物語の豊潤な奇蹟。

この記事の中で最も分厚くて、登場人物がなかなか覚えられない本。当時、なかなか読み進められなかった思い出の方が強かったり。

孤独の受け入れ方とか孤独を味方につけるとか、そういった作法的な本を読むならば、僕はこちらを推薦したい。受け継がれるという意味を考えさせれる、一度目を通しておいても損はない名作。

 

アルジャーノンに花束を/ダニエル・キイス

 32歳で幼児の知能しかないパン屋の店員チャーリイは、ある日、ネズミのアルジャーノンと同じ画期的な脳外科手術を受ければ頭がよくなると告げられる。手術を受けたチャーリイは、超天才に変貌していくが……人生のさまざまな問題と喜怒哀楽を繊細に描き、全世界が涙した現代の聖書。

世界的な名作。知的障害を持つ主人公が手術を受け、超天才に。そこで世界を知り、話は大きく変わっていくのですが、手術の効果が途切れ、再び知的障害に戻るというのが話の大筋です。

本の内容は主人公の報告書なので、その時々の喜怒哀楽や孤独が表現されています。

 

人間失格/太宰治

www.aozora.gr.jp

日本文学における傑作。影響を受ける作家が多いのは、それだけ「孤独」についての表現が秀逸だからに他なりません。青空文庫で無料で読めます。漫画で読む場合は、古屋兎丸版がおすすめ。

 

不道徳教育講座/三島由紀夫

「大いにウソをつくべし】【弱い者をいじめるべし】【痴漢を歓迎すべし】…世の良識家たちの度胆を抜く不道徳のススメ。西鶴の『本朝二十不孝』にならい、著者一流のウィットと逆説的レトリックで展開。

タイトル逆説的に道徳を説く、という珍しい構成。孤独についても書いています。

  • 私は同じ同性として、男性の孤独感を喪失した男を見ると忿懣(ふんまん=腹立たしいようす)を禁じえない。この孤独感こそ男のディグニティーの根源であって、これを失くしたら男でないと言ってもいい。
  • 男はどこかに、孤独な岩みたいなところを持っていなくてはならない。

「金閣寺」や「潮騒」などの代表作でもそうですが、必ず内面の心理描写には孤独が描かれます。太宰治への感情を読み解いても面白いかもしれません。

 

孤高の人/新田次郎

昭和初期、ヒマラヤ征服の夢を秘め、限られた裕福な人々だけのものであった登山界に、社会人登山家としての道を開拓しながら日本アルプスの山々を、ひとり疾風のように踏破していった“単独行の加藤文太郎”。その強烈な意志と個性により、仕事においても独力で道を切り開き、高等小学校卒業の学歴で造船技師にまで昇格した加藤文太郎の、交錯する愛と孤独の青春を描く長編。

小説と漫画の両方が素晴らしいという、珍しい作品(たぶん)。この本も有名ですね。

僕は登山超初心者ですが、やはり一歩一歩山を登る行動は、己と向き合うことに他なりません。主人公の加藤文太郎が己と向き合う描写を徹底して表現しています。冬山を想定して、バイトの倉庫作業の冷凍室に閉じこもる描写が印象的です。

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引用:優秀賞 – 孤高の人 | 受賞作品 | マンガ部門 | 第14回 2010年 | 文化庁メディア芸術祭 歴代受賞作品

 

ココ・シャネル 愛と孤独の日々/高口里純

服を作るために、ひとりなのだろうか ひとりだから、服を作るのだろうか――
貧しく恵まれない境遇にあった少女が、モードの女王になるまでの道のりは最初のうちは平たんなものではなかったが、その才能と魅力に惹かれた恋人たちとの出会いが“彼女”を次第に時代の中心に押し出していく…。だが、そんな華やぎの中、彼女はいつでも孤独の影に彩られ、そのブラックドレスのように凛とした美そのものだった…。

シャネルの人生は、視点によって描かれ方が全く異なります。

女性にとって憧れの存在でもある一方で、身近にいたら私は仲良くなれないと思われる存在でもあります。また、孤独を極端に恐れる様子も身近にいた存在から明かされています。その背景には幼少期があり、上手く行かなかった結婚生活などなど。

タイトルもそうですが、シャネルの孤独の側面をわかりやすく書いているのではないかと思い、紹介(シャネルの関連の本をすべて読んだわけではない)。

 

「ストーカー」は何を考えているか/小早川明子

五百人ものストーキング加害者と向き合い、カウンセリングなどを行ってきた著者が、彼らの思考パターンと危険度、実践的対応を多くの事例とともに解き明かす。今や「ストーカー」をめぐるトラブルは年間二万件。なぜ彼らは常識を踏み外すのか、警察は後手に回るのか、その時どう対処すればいいのか――老若男女を問わず、誰もが当事者となりうる時代の必読書。

誤解を招く発言かもしれませんが、心理学的に非常に興味深い内容の連続でした。何より、喜怒哀楽、そして当事者の抱える闇について非常に具体的です。誰もが当事者にも被害者にもなり得るという可能性を排除できない時代になったことを確認するという意味でも良書だと考えます。

自己啓発や心理学などの抽象的な内容の本を好んで読んでしまう人におすすめしたい。弱さを自覚することから、全ては始まるといった点も共感できます。

 

自殺/末井昭

第30回(2014年)講談社エッセイ賞受賞

母親のダイナマイト心中から約60年――衝撃の半生と自殺者への想い、「悼む」ということ。伝説の編集者がひょうひょうと丸裸で綴る。笑って脱力して、きっと死ぬのがバカらしくなります。

世の中、自殺について醒めているような気がします。おおかたの人は自分とは関係ない話だと思ってるんでしょう。もしくは自殺の話題なんか、縁起悪いし、嫌だと目を背けてる。結局ね、自殺する人のこと、競争社会の「負け組」として片づけてるんですよ。死者を心から悼んで、見て見ぬふりをしないで欲しいと思います。どうしても死にたいと思う人は、まじめで優しい人たちなんです。(「まえがき」より)

講談社エッセイ大賞は、個人的に好きな作品が多いですね。シンプルに自殺について書いてあるので、その背景にある心境も興味深い。

 

暮らしの哲学/池田晶子

池田晶子・思索の集大成

急逝した著者の“最後の一年間”が綴られた、珠玉の哲学エッセイ44編。
めぐる季節の中で、暮らしの中で問い続けた「私」という存在の謎。
人生という不可解な旅を生きるすべての人へ――
「精神の歳時記」ともいえる文芸の新境地が展開される、池田晶子・思索の集大成。

池田晶子氏の著書は全て読んでいると思います。その中で、個人的に最も好き&読みやすい本がこちら。

孤独は孤独でも、池田晶子氏は孤独でなければ生活に支障が出る人だったのかな、と個人的には考えています。著者の生活が参考になるとは思えないですが、一種の境地にたどり着いた人が書くエッセイを読んでみても良いのでは、という意味で推薦。

 

ひとり親でも子どもは健全に育ちます/佐々木正美

子どもを幸せにするシングルの子育てとは。

ひとり親家庭での心配事は、仕事や金銭など物理的なものがある一方で、ひとりで子どもをきちんと育てられるのか、という精神的な悩みが大きなものとなっています。

名著『こどもへのまなざし』で多くの悩める母親達を救ってきた、児童精神科医・佐々木正美さんが、シングルで子どもを育てる母親、父親にむけて安心して子どもを育てるためのアドバイスを語ります。
離婚、死別をどう子どもに伝えるか、思春期の子どもとどう向き合うか…、長年、子育て相談や育児の現場を通して、常に子どもに寄り添ってきた経験に裏打ちされたこころに沁みるアドバイス

親が幸せに生きることが、子どもの幸せにつながります。あなたのこころを軽くする子育てのルールがここにあります。

孤独とは非常に厄介なもので、恋人や家族がいるからと言って簡単に埋まるものではないんですよね。少なくとも、僕はそうでした。 むしろ、想う人がいるからこそ孤独が増す場合もあります。

シングルの方が抱くであろう孤独を和らげるような内容ですし、その心境についても学ぶことが出来ます。理解を深めたい人にもおすすめ。

 

妻を撮ること/中村泰介

吉野から、東京の三畳一間に嫁いできた、妻との日々。ハイフォトアワード第1回準グランプリ受賞作品。

一冊を通して、妻を撮り続けた本。写真に詳しくないですが、良い写真集だな、と思わずにはいられません。

言葉にするとなんかチープでしっくりこないのですが、「妻の魅せる表情の変化」が明確に分かるんですよね。妻の内なる孤独を通して、著者で夫の中村泰介さんの孤独が僕の「孤独」に響いてきた本とでも言いましょうか……何を書いているのか自分でもわからないですが笑、良書だと感じております。

 

みなさまの「孤独本」を教えて下さい

「孤独」という言葉を元に選書を依頼されたら、僕はこの記事の中からその人に合うと感じた本を数冊を選びます。このブログを始めてから、本に関してはインプット<<アウトプットばかり。自分の中に蓄積された経験や見識で書いているものの、良い本はやっぱり随時読みたいですしね。  

こういう本好きだろうな〜という思いやりよりも、私はこの本がものすごく好き!バイブル! という押し付けの方が好ましいです。

あなたに影響を与えた本を、僕に教えてほしい。

 

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コメント

  1. kame710 より:

    おはようございます。
    ももさんは読書家なんですね。みんな読みたいです(ということは、私はほとんど読んだことなない本でした(笑))。
    なかでも、『暮らしの哲学』というのを読んでみようと思います(池田 晶子 さんという方はお名前だけは聞いたことあるのですが、まだどの著作も読んだことありません)。
    ご紹介、ありがとうございます。