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【夜廻三】クリアした感想・評価(超ネタバレ注意!!)

Nintendo SwitchPS4

【2024年9月2日 追記・更新】

2022年4月21日に発売されたPS4・Nintendo Switch用ゲームソフト『夜廻三(よまわりさん)』をクリアした感想・評価になります。項によっては、超ネタバレ注意です。

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就職できずに当時薬学生だった彼女のヒモを経て、ブロガーに(15年の交際を経て結婚!)。エンタメ分野のレビュー、感謝を綴ったエッセイが好評。当時の内容を綴ったノンフィクション小説「薬剤師国家試験に落ちた彼女を、僕は隣で見ていた」が電子書籍化しました!

夜廻三 とは

まぶたの裏で、君が死ぬ

夜道探索アクションゲーム『夜廻』シリーズ第三弾
怖さと切なさ、可愛らしさといったシリーズの雰囲気はそのままに、要素を追加し進化しています。
主人公の目的は、忘れた記憶を思い出し、自らにかけられた呪いを解く方法を探すこと。夜の街のどこかにある「なくしたもの」を探し出し、忘れていた光景を思い出しましょう。夜の街には、いわくつきの場所が多数点在しており、それぞれの場所へ、いつでも赴くことができます。不気味で、どこか懐かしい夜の街へ、手にした懐中電灯の灯りを頼りに進みましょう。

nippon1.jp

プレイ人数:1

CERO:C

ジャンル:夜道探索アクション

前作プレイ済みです。

 

クリアした感想・評価

ストーリーは簡素だが、構成美と没入感を感じる

主人公は見知らぬ暗い森の中で目を覚ました。なぜその場所にいたのか、主人公にはわからなかった。思い出せるのは、放課後の夕暮れ時、学校の屋上にやってきたところまで。深い森を彷徨った主人公は、姿の無い不思議な人物と出会う。その人は、どこか懐かしい声で語りかけた。「あなたには強い呪いがかけられている」と。呪いを解くためには、一晩のうちに「忘れてしまった大切な事を思い出さなければならない」と…。

大切な思い出を探すため、主人公は不気味な夜の街へと駆け出した。

プレーヤーは主人公ユズを操作して、ユズにかけられた呪いを解くことになります。ユズは記憶を失っており、記憶に刻まれたアイテムを探索して収集することで、ストーリーを進めていきます。

 

おねえさんはユズのことを知っていますが、ユズはおねえさんのことを忘れています。最終目的は、おねえさんを思い出すこと。

ストーリーそのものは描写が少なく、イベントや説明も短め。ですが、良い意味で全く気になりませんでした。

探索するステージには、そのステージに合ったデザインが展開されており、それらをパズル要素でクリアしていく流れは個人的に面白かったです。

例えば、田園エリア。カカシを立てることでお化けを消滅させ、打開していく流れ。お化けに触れないようにカカシを運ぶ必要があります。ドキドキしながらパズルを解いていくような展開も今作の特徴です。

 

赤ちゃんに狙われるステージ。ハラハラするんですが、ほぼ初見殺しがあるので、ホラー要素よりもパズル要素が強まる印象(僕だけかも?)。

 

お墓に水を供えることでイベントが進みます。これって全世界共通ってわけではないですよね(たぶん)。

クリアすると、愛着があるアイテムを入手→忘れていた記憶を思い出すことが出来ます。フツーにプレイしているだけで続きが気になりますし、没入感も深まることでしょう。

 

思い出に見落としがあるという描写。改めて振り返って、正しい記憶を得ることで、打開出来ることも。ここの描写で構成美を特に感じたこともあり、個人的に大好きでした。

 

お化けに接触すれば死亡。逃げるか避けることしか出来ない

人のいない夜の街に潜む、不気味で恐ろしいお化け。

彼らは明滅する電灯の下、明かりの届かない細道……闇夜の中から主人公を見つめています。目を閉じることで気配が消え、お化けたちは主人公を見失います。時には足を止めて目を閉じて隠れることが、恐怖から逃れるきっかけになるかもしれません。ただし、目を閉じている間もお化けは変わらずそこにいます。目を閉じたまま、お化けに触れないように距離を取り、安全な場所まで逃げのびましょう。

シリーズ恒例ですが、移動がお化けよりも遅く、接触するとゲームオーバーになります。初見殺しもあり、死にゲーとも言えるかもしれません(収集したアイテムなどは手元に残ります)。

前作との体感的な違いですが、

  • 石・紙飛行機・10円玉をほぼ投げなかった(注意を引く必要があまりなかった)
  • 隠れてやり過ごすことが減った

その代わりに、目を閉じる機会が増えました。

目を閉じることで、お化けの位置を把握しましょう。目を閉じることがイベントをクリアするための条件になっていたりするので、意外と重要でした。後々問題になる鈴を鳴らすアクションとセットになっていたりします。

 

音が抜群に良い=ストレスに成り得る

体験版をプレイした方ならばわかるように、今作は効果音が非常に良いですよね。道を歩く音、排水溝部分を歩く音、扉を開ける音、カラスが飛び立つ音、ユズの心臓の鼓動音などなど……。オープニング時点のピアノ曲も好きでした。個人的に一番嬉しかったのは、ムギ(猫)の鳴き声。前作『深夜廻』のチャコ(犬)の鳴き声が不快で不快で……。

ただ、プレーヤーに恐怖や焦燥感などのストレスを与える音も素晴らしいので、、、何度もゲームオーバーになると、ストレスもその分溜まる気がします。

 

フォントが読みにくい……

かいちゅうでんとうがおちてる 

今作で、個人的に嫌いな部分でしょうか。体験版をプレイした時に最初に感じたことでもあり、製品版ではフォント変更のオプションつけてくれ~~~~と願っていたくらい。会話の文字が汚くてマジで読みにくいです。このフォントは苦手でした。ただ、慣れます。

 

もちろん、すべて明朝体だと雰囲気が出ないのも確か。フォントは前作のままが良かった。

 

難易度は高くないが、バグっぽい部分もあり

今作はお化けに接触すれば死亡ではありますが、比較的お化けに気付くことが出来ますし、難易度そのものは高くないと思います。ドキドキしながら、お地蔵さんにたどり着いた時の安堵感も◎。ルート検索も達成感があります。

ただ、攻略情報の項で言及している部分は詰みかけました。一度ゲームを落とす必要があるかも。

 

日本一ソフトウェアの真髄を見た

日本一ソフトウェアの作品をそこそこプレイしてきました(このブログでも記事を何本か書いてます)。相対的な評価になりますが、企業として特徴だと認識しているのは、ストーリー・アイディア・演出で勝負する作品が多いということ(多い≠強み)。3Dグラフィックやアクションはダメダメです。開発予算が少なく、商品のリリース時の価格も高め。それでも、新作を世に出し続ける挑戦意欲溢れる企業という印象です。

その中でも今作は、完成された世界観により、苦手分野であるグラフィックやアクションがきれいに排除されています。例えば、画像↑↑のアイテム画面。手抜きにも程がありますが、主人公が幼い女の子なので、理解できるし気にならない。世界観の勝利と言えるでしょう。

僕がプレイした他作品だと、もっと~した方が……という点がどうしても目立っていました。しかし今作は、そういった部分が限りなく少ないため、このような評価になりました。

 

ホラーゲームあるあるも

悔しいですが、、、クランクやバルブハンドルを見るだけで、嬉しくなってしまいます笑。『バイオハザード』シリーズが好きな方は、テンションが上がるでしょう。ちなみに、バッテリーはなかったです。

 

集団感染・封鎖 に関しての明確な描写はないものの……やっぱり気になる。

 

サイレンは2の方が僕は好きです。『SIREN2』は登場人物みんな好き。

 

しっかりと和風ホラーを描いています。こけしや日本人形は、やっぱり不気味。『零』シリーズを思い出す方も多いでしょう。

www.momotoyuin.com

 

ユズの成長が熱い

カカシに感謝を述べるユズ

個人的に好きな一コマ。迷いながらも行動したことで良い結果が出ると、人は感謝をしたくなりますよね。最初はカカシに悪いと思いつつ、成功体験を得たユズの素直さが描かれていると考えています。

 

ユズはお化けに慣れます。話しかける描写も多いです(会話は成立しないですが)。会話の一言ひとことが、相手の立場に立ったものである点も好きでした。

 

行動力や理解力だけでなく、現在の自分を省みることも。ホラーゲームの主人公に相応しい。

 

いじめの描写があるが、、、

最序盤に、いじめの描写があります。ユズが紙くずを投げられたり、バケツ落とされたり、虫を食べるように強要させられたり……

(その度に、オイ!!! てめえコォラーーー!!! ⚫⚫⚫⚫!!! と僕は画面越しに言ってしまうくらいイライラしてました笑)

 

犬にもいじめが……

 

『ロストジャッジメント(キムタクが如く2)』のように、いじめがメインテーマの作品もありましたが 今作はいじめ云々がメインではありません。

簡潔に言うと、ゲームを通して、いじめに屈しない精神を手に入れるユズの成長を描いた作品になります。いじめの描写そのものは、多くありません。

 

体験版の内容・切り取り方がすごく良かった

今作には体験版があります。その内容が、製品版の初っ端ではなく、製品版の中盤の学校エリアのオリジナルストーリーなんです。製品版ではプレイ出来ない内容もありました。

また、これがこのトイレにつながってたのか~! と感嘆したくらい、興味深い部分を体験版に持ってきたな、と感じました。体験版として作品のプレイングを理解してもらうだけでなく、製品版を購入した人には遊びココロを感じてもらえるような素晴らしい体験版だったと考えています。

 

鈴が鳴らない……Switchのプロコン×モーションセンサーOFFが圧倒的におすすめ

体験版をPS4・Switchどちらもプレイしてみて、振動の多さからSwitch版を選びました。コントローラーの振動の不快感が、Switchの方が少ないからです。

ただ、ゲームそのものがモーションセンサーを推奨していることもあり、Joy-Conを想定して作られていない気がします。よって、プロコンがない方にはSwitch版をおすすめ出来ません。

また、ゲーム内で鈴を鳴らす必要があるのですが、モーションセンサーで鳴らすのは無理ゲーと言って良いくらい(特にラストはタイミングが非常にシビア)。なので、モーションセンサー切り、L3押し込みで鈴を鳴らすのがおすすめです。

 

クリア時間・クリア後

クリア時間は、15時間くらいはかかった気がします。

クリア後は、各地に青い花が咲くようになります。すべて集めると、音楽プレーヤーをゲット出来るのですが、イベントがものすごく好きでした。

着せ替えやニューゲーム+はありません。また、時計が動かなくなりました。

 

スタート画面からわかるように、全アイテムを入手・トロコンを推奨しているのかもしれません。

 

攻略情報(詰みかけたところ・ネタバレ注意)

岬の部分の水のおばけの、光を当てることで消滅させるような部分。

この次の箱を置いた先がどうしても突破できず、、、女性の幽霊の後をついていっても必ず死亡するようになりました(バグなんじゃないかな、と思ってます)。

一度ゲームを落としてやり直したらあっさり行けました。

 

判定がわからねえ……

最後の最後のラスボス戦で、おねえさんについて行くところの2つ目。何度タイミングを測っても突破出来ず。判定もいまいちわからず、マジで20回くらい死にまくりました。結局、こちらも1回落として、学校の屋上に向かうところからやり直すことに……。やり直したら、突破できるようになりました。

 

最後の最後の3回目は、タックルしてくる赤い手を右にかわすのではなく、手前におびき寄せた方が簡単です。

 

MAP情報

 

ストーリーのネタバレ(超ネタバレ注意・小説が出たら考察など追記する予定)

ムギの存在意義は随所に描かれていましたが、なぜそこまで重要な存在だったのか、といった描写はなし。小説版が待たれます。

また、ムギは一年前に死んでいました。記憶が正しくなかったのは、ユズがムギの死を受け入れることが出来なかったため(共感できました)。

ムギの鈴は神の鈴であり、おねえさんの鈴とセットで神に返却することでゲームクリアになります。鈴をムギが持っていた理由は謎。

青い花を集めると、ムギのお墓がこんな感じに。素敵な描写だと思います。

 

おねえさんは、写真を撮りにこの街へ来ていました。屋上から自殺していたのは、神がいる森↓↓へ行くための通過儀礼のようなものであり、自殺ではありませんでした。この街に伝わる民話になぞらえていますが、、、

おねえさんの死亡フラグ発言がすごかった。

 

このゲームをプレイした方ならば、誰もがわかっていたであろうおねえさんとの最後。夜が明ける描写とセットで、プレーヤーの記憶に残るものになるでしょう。

音楽プレーヤーを貰う前の描写。感慨深いものがあるというか、ハッピーエンドというか、このゲームをプレイして良かったな、と思えた描写の一つ。

その他・小ネタ

小ネタ

コンビニにはゲーム的には入る必要はなかったと思いますが、それでも入りたかった。これは僕だけじゃないはず。

 

人は全くいませんが、ワンちゃんはウジャウジャいます。デザインが各々に異なる点も◎。

 

公衆電話が置いてあるところも。ちなみに、新幹線の公衆電話が使用停止になって悲しんでおります(使用したことはない)。

 

カカシという文字を見ると、「さらにもう一発!」という言葉が自動的に思い出されてしまう悲しさ。

 

これもバグか演出かわからないのですが、思い出を思い返す時に、なぜか前髪が強制的に変わりました。クリア後は元に戻っています。

 

そう言えば、この洞窟エリアで壁抜けが出来ました(というか、してしまったのでバグだと思う)。☆型のチョークを書くところの裏側に抜けてしまい、そのまま探索するも有効活用出来なかったので、元に戻りました。

 

夜廻と深夜廻から引き続き登場するお化けも多い

 

ひよこを持ち上げると、、、。

 

 

人面ガニ。前作では苦手でした。

電車(かわしたのでスクショ失敗した)

 

蜘蛛

 

などなど。シリーズファンには嬉しいですよね。

 

ファミ通・電撃ゲームアワード2022のホラーゲーム部門受賞!

ゲームファンの投票により2022年のベストゲームを選ぶ“ファミ通・電撃ゲームアワード2022”(主催:KADOKAWA Game Linkage)が2023年3月18日に開催され、各部門の受賞タイトルが発表された。

おめでとうございます!

 

まとめ

体験版から最後まで、一貫して面白かったです! 

前作はクリア時間が短い印象があり、何よりチャコの鳴き声が不快だったため、今作にもあまり期待していませんでした。ですが、ユズの記憶を取り戻す過程で成長する描写、ホラーゲーム好きならばニヤニヤしてしまうアイディアや演出、前作からは考えられないボリュームの多さと構成美を感じる展開……。

ケチをつけるとすれば、モーションセンサーによる鈴が鳴らない点と、何度も死亡した岬とラストのみ(やり直したらあっさりクリア出来たのでバグかもしれない)。また、シリーズをプレイしていないと、初見殺しにイライラするだけの作品になるかもしれません。

日本一ソフトウェアの中で、個人的に最も好きな作品になりました。シナリオや設定も気になるので、小説版も購入したいですね。神ゲーと評しても良いでしょう★

 

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